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「自分磨き」ってどうして必要なの?【女子力×依存】の心理

ANGIE / 2016年10月1日 15時0分


前回までお伝えしてきたのが「流行依存」。流行ものを身につけることで得られる一時的な安心感と、引き換えに産まれる新たな不安……。逃れようのないココロの空虚感は、流行依存だけでなく様々な「依存」を引き起こします。

今回からは「女子力依存」に迫っていきたいと思います。

 
女子力って何?

自分磨きをして女子力を高めよう! と、努力したり頑張ったりするのが、輝いているイマドキ女子の“あたりまえ”。

代わり映えしない日常を送り、仕事が終わって家に帰れば「あー、疲れた」と、ヨレヨレの部屋着に身を包み散らかった部屋でテレビを見ながらコンビニ弁当……なんていう生活は「女子力が低い」などと言われてしまいます。

女子力の低いだらしない自分やダメダメな自分を隠したいがために、表ではうまく女子力の高い自分を演じて生活をしている方もいるかもしれませんね。

それほどまでに、今の時代でもてはやされている“女子力”。これって一体何なのでしょう。磨くとどんなイイコトが起こるのでしょうか?

 
女子力は男性からも女性からもモテることを目標にしている


実は、20代後半~30代のANGIE世代からアラフィフのバブル世代までの女性は、現在20代半ばより下の“平成世代”に比べて女子力依存に陥りがちです。その理由には、時代背景があります。

今で言う“マウンティング(格付け)”が女性同士の中に生まれたのはバブル時代のこと。その辺りから、「どれだけ男性からモテて、いい思いができるのか?」「いい思いをしたことで、どれくらい他の女性から羨ましがられるのか?」というモテ力を、「自分をはかるものさし」の一つとして用いるようになってきました。そう、女子力の裏テーマには“モテ”があるのです。

また同時に、この世代の女性たちは年々女性の社会進出が進んでいった時代に育ちました。学校や受験では勉強の偏差値をはかられ、プライベートでは女性としての偏差値をはかられてきました。

つまり向上心を持つことを常に強いられてきたのです。それがバブル世代からANGIE世代までの女性たちです。

反面、平成世代は「ゆとり世代」とも呼ばれ、競い合うことを強いられてきていません。安定志向を持っていると言われており、上をめざさない、今の状態が続けばOKというユル〜イ世代。そのため、「女子力で競う」「女子力の高さでマウンティングする」のはあまりしないのです。もっともこの世代に依存がないかと言えばそうではありませんが……。



さて、「モテ力」を「自分をはかるものさし」の一つとしているANGIE世代からバブル世代までの女性たち。少し前までは、結婚したり、子どもを産んだりと、ある程度の年齢になれば今の時代ほど女子力で勝負しなくてもよかったのですが、今や「大人女子」や「美魔女」という言葉が生まれ、アラフォー以降になっても女子力を維持しなければならなくなっています。

彼女たちは、ただ男性からチヤホヤされる“モテ”をめざしているのではありません。女子力の高さは対男性、対女性、両方に対して効いてくるからです。

「女子力をあげよう」というモチベーションには、「人からよく見られたい」、もっと言えば「人から羨望されたい」「人よりも優位にいたい」「女性ヒエラルキーの中で上のランクにいたい」という気持ちがあります。そのために、ダイエットしたり、料理をならったり、きれいな言葉遣いをしたりしていくのです。その努力の積み重ねの最終目標は「自分が生きていく環境をよりよくして、居心地をよくする」こと。

モテたり、羨望されたりと、人より優位に立つことは、それだけで気持ちがいいものです。つまり、周りの女性と比べて「自分は上だ」と思うことで心を安定させているというわけです。

実は、この「周りの女性と比べる」という部分が、「女子力磨き」と大いに関係があります。

 
男子力依存はないけれど、女子力依存がある理由


ところでなぜ「男子力を磨く」という風には言わないのでしょうか。男性と女性だと、ライバルが出現したときに心理的な違いがあります。男性は、ライバルとの勝負を自分の心の中でする傾向にありますが、女性はライバルと自分を比較して相手を蹴落とすことに解決を見いだします

男性は、「自分に打ち勝つ」とか「最終的には自分が敵だ」というようなことを言いがちだと思いませんか? これは、ライバルとの勝負に挑んだ際に、勝負そのものに勝つこと以上に、過去の自分に比べてどれくらい今の自分が成長できたかという部分に喜びを見いだす傾向が強いからです。

対して女性は、「あの子よりも可愛くならなきゃ」「あの子には負けたくない」と人と比較して、自分のポジションを位置づけることで自分を保つ傾向にあります。これは女性が少し前の時代まで「選ばれる性」であり、その名残があるため。

ほんの百年ちょっと前まで、日本の男性は妻の他にも女性を選ぶことができました。自由に相手を選べる男性とは違い、選ぶ自由のない女性は、よりよい男性から選ばれるためには他の女性たちをライバルとして見なさなければなりませんでした。そうです。女性の敵は女性……なんです。

女子力磨きの裏テーマには「モテ」があると冒頭で書きましたが、最終的な敵は「自分の周りの女性」ということになります。人と比べて優位に立つことに必死になり、どんどん深みにハマっていく……ということにもなりかねません。

人と比べているうちは劣等感から抜け出せないので注意が必要です。

次回は、女子会に潜む「女子力依存の種」について書いていきたいと思います。

 

【山名裕子】



メンタルオフィス「やまなmental care office」代表臨床心理士。


大学にて心理療法の心得と技術を学び、2013年に臨床心理士の資格を取得する。主に認知行動療法によってカウンセリングをすすめ、心の専門家としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。

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