仕事辞めるのもあり!?脱サラ・ソロ女が活躍する小説3選
ANGIE / 2016年10月23日 17時0分
会社へ出社・退社を繰り返す日々……。「自分にはもっと別のことができるんじゃないか?」「もっとやりたいことがあるんじゃないか?」と思うことはありませんか?
そんな悩める女子にオススメの、脱サラ・ソロ女子が活躍する小説3選をご紹介します!
女性の自立を考えさせる『私の中の彼女』
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何も知らない主人公の和歌は、大学生になり、仙太郎という物知りで魅力的な男性と付き合いだします。最初は純粋に仙太郎への恋心を抱いていた和歌。仙太郎が表現者となり、和歌がその姿に憧れて後を追うように会社を辞め、同じく表現者としての作家を目指すようになっていくことで、ふたりの生活や関係が変化していきます。
和歌は、作家の仕事に没頭してしまい、掃除や洗濯、食事といった普段の生活ができなくなり、仙太郎が家事の一切を請け負うようになってしまいます。そのことに罪悪感を抱く和歌は……。
物語は、醜女と呼ばれながら物書きを志した和歌の祖母の過去を辿り、その生き様が徐々に見えてくることと和歌の生き様が絡まり、展開していきます。女性が誰しも感じたことのある「女性はこうであるべきだ」という、暗黙の押し付けのようなものがリアルに描かれた作品。和歌の感情には、きっと多くの女性が共感するはず。女性が自立して生きていくことを、リアルに深く考えさせてくれます。
自分に合う仕事を考える『窓の向こうのガーシュウィン』
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2016年の”本屋大賞”を受賞した宮下奈都さんの『窓の向こうのガーシュウィン』。主人公の佐古さんは、未熟児で育ち、いつも周囲に馴染めず、「自分には何かが足りない」と思いながら生きています。仕事もうまくいかず、ようやくヘルパーの資格をとり働いていました。
そんなある日、仕事先で”額装家”の男性と出会います。額装の仕事を手伝うようになることで、他人と関わるようなっていき、自身を肯定していけるようになって……。
佐古さんの視点で描かれる世界は、どこかいびつで、それでいて柔らかな景色で、その不思議な感覚に惹き込まれます。独特の視点で世界を見ている佐古さんだからこそできる額装の仕事は、自身の胸もときめかせていきます。そしてその感覚に、読者も優しく満たされていくような気持ちになれるはず。
自分に本当に合う仕事や人に出会えたときに「生きている」充実感を得られるということを、教えてくれるような作品です。
新しくはじめた仕事への覚悟とは『パンとスープとネコ日和』
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出版社に勤めていたアキコは、人事異動と母の死をきっかけに仕事を辞め、母親がやっていた食堂を改装し、再オープンすることを決意します。『かもめ食堂』で一躍有名になった群ようこさんのこの作品は、やはり美味しそうなサンドイッチやスープ、サラダ、フルーツそして目に浮かぶ可愛い食器たちが出てきます。
主人公のアキコが再オープンさせたお店には、母親の頃に通っていた常連客のおじさんや、母の知り合いだという年配の女性、向かいの喫茶店のママなどが訪れます。様々な人から「それじゃダメだ、良くない」とお店を非難されますが、アキコは反論もせず、静かに聞き、頭を下げます。
どんなに「変えたほうが良い」と非難されても「自分の気持ちがぶれてはいけない」と、強く踏ん張り続けるアキコの姿は、新しく始めた仕事に対する覚悟や誠実に向き合うことの大切さを教えてくれます。
生きていくために絶対的に必要な「仕事」。「女性が働くとは」、「自分に合う仕事とは」、「新しい仕事にチャレンジする勇気とは」。小説を読んで、一度自分自身の働き方を考えてみるのはいかがでしょう。
参考:『私のなかの彼女』新潮社・角田光代、『窓の向こうのガーシュウィン』集英社・宮下奈都、『パンとスープとネコ日和』角川春樹事務所・群ようこ
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