パリの香水ミュージアムから現地レポ!香りがエイジングに与える影響とは?
ANGIE / 2017年12月13日 21時0分
過去の思い出や感情と深く結びつきのある香り。ある香りに出会ったとき。過去の思い出が甦ったり、また別の香りを嗅ぐと、ある人を恋しく感じたりすることもあるでしょう。
視点を変えると、自分自身が身にまとう香りが誰かの心に深く残ったり、影響を与えたりすることもあります。例えば古代エジプトの美女・クレオパトラや、18世紀後半のフランス王妃マリー・アントワネット、そして19世紀初頭のフランス皇帝ナポレオンも、そんな香水のパワーを自らの武器として利用したそうです。
そんな香りにまつわる歴史や、香りが私たちに与える影響、香水の効果的な付け方など、香水にまつわるさまざまな事柄を学べるのが、2016年12月にフランスの首都パリにオープンした「Le Grand Musée du Parfum(ル・グラン・ミュゼ・ドゥ・パルファム/香水博物館)」。
凱旋門を有するパリ8区、エリゼ宮殿(大統領官邸)から徒歩3分の距離という華やかな立地も魅力です。今回はミュージアム内の様子や、カルティエの調香師が教える「香水の効果的なつけ方」や「エイジングケア」についてパリからレポートします!
華やかでエレガントな香水博物館
(C)sweetsholic
17世紀から400年以上の時を刻んできた建物を改装、シャトー(お城)のようにエレガントな装いのミュージアム。
館内の入り口まで敷かれた赤い絨毯がとても印象的です。
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入り口付近には、フレグランスや香水にまつわる書籍などを扱うコンセプトストアを併設。
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館内は大きく分けて3つの展示セクション(常設展)と、テンポラリー展示セクション(特別展)に分かれています。
見て、触って、匂いを嗅いで楽しめる、インタラクティブな展示内容なので、飽きることなく楽しめるはず!
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古代エジプト時代にはミイラの保存や神々の信仰のために、中世ヨーロッパ時代には衛生用品として使われていたという香水の興味深い歴史を綴る「歴史セクション」。
展示品を手に取って香りを嗅ぎながら、香りが脳内にもたらす影響などを学ぶことができる「嗅覚のセクション」。
香水を調合する際にもっとも多く使用される25の香りを体験したり、禁断の香りに触れたりすることができる「調香師のセクション」の3つ。
香水について多角的に知ることができる展示内容です。
いくつ当てられる? 香りのライブラリー
(C)IrenedeRosen Harvey&John
香りのスペシャリストの調香師。そんな調香師たちは、300〜400もの香りを記憶しているのだそう!
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香水にもっともよく使われる、天然香料および合成香料の25の香りを並べた「香りのライブラリー」では、香りを発するボールをひとつずつ手に取り、その香りを当てていきます。
その後、ボール内の音声ガイドがその香りにまつわるストーリーを解説。多数ある言語のなかから、日本語の音声ガイドも選ぶことができます。
「絶対に知っているはずなのに、思い出せない……」という香りが思いの外たくさんあり、記憶の曖昧さを感じました。これはとても面白い!
美しき香水ボトルの世界
(C)sweetsholic
テンポラリー展示セクションでは、香水ボトルデザイナーピエール・ディナー氏の手がけた45点の美しい香水ボトルを展示。
ディナー氏は、イヴ・サンローランの「オピウム」、ジョルジオ・アルマーニの「アルマーニ」、ドルチェ & ガッバーナの「ライトブルー」など1,000点以上の香水ボトルをデザインしている、香水業界の有名人です。
個人的には、印籠からインスピレーションを得たという、東洋をイメージした「オピウム」の初代ボトル(1997年)が気に入りました。オーヴァル型の女性的なフォルムと赤みがかったオレンジの色合いが、エキゾチックな印象です。展示会は1月末まで。
知ってた? 嗅覚もエイジングケアが必要です!
視覚や聴覚と同じように、嗅覚も加齢とともに衰えていきます。
いい匂いを嗅いだ時や、不快な臭いに出合った時以外は、それほど意識することのない香り。嗅覚のトレーニングをすることで、嗅覚が敏感になるそうです。
ミューアジアムの広報担当によると「嗅覚が研ぎ澄まされると脳が活性化されるので、エイジングケアにもつながる」とのこと。嗅覚のエイジングケアには、香りのトレーニングが欠かせないようです。
ランチタイムはもちろん、街を歩いているときなども嗅覚を集中させて、嗅覚のトレーニングをしてみましょう。雨上がりの草花の香りに、焼きたての香ばしいパンの香りなど、嗅覚を集中させるとさまざまな香りに出合うことができますよ。
専門家がアドバイス「メイクと同じように香水選びも楽しんで」
その日の気分やファッションに合わせて、メイクを変える人は多いのではないでしょうか? 香水も実は同じで、カルティエの調香師マチルド・ローランさんによると、香水もメイクと同じように楽しむとよいそうです。
「毎日同じメイクでは、飽きてしまいますよね。香水は自己表現の延長線上にあるもの。メイクを変えるような感覚で、身にまとう香水も変えてみてはいかがでしょう?」とのこと。
例えば、ポーチに好きな香りのアトマイザーを2〜3本入れておき、社内では控えめで爽やかな香りのものを、退社後は華やかでロマンティックな香りのものを身にまとうのもいいですね。香りにはさまざまな効果があるため、気分転換にもなりますよ。
また、ブティックで香水を選ぶ際には「(同じ香水でも、人によって香り立ちが若干変わるため)必ず身にまとってみるのが大切」とのアドバイスをいただきました。
オマケ:香水の効果、あなどれません!
(C)sweetsholic
香水博物館の取材後にパリで道に迷い、街角でフランス人の男性に道を尋ねました。とても親切に道を教えてもらったのでお礼を伝えて立ち去ろうとしたところ「君、とてもいい香りがするね。何の香水をつけているの? もしよかったら、今度コーヒーでも飲みませんか?」と声をかけられました。
ナンパの際に「いい匂いがする」と言われたのは、初めての経験。これ、絶対に香水効果だと思います! 香水博物館のコンセプトストアで、普段は身につけないような香水にもチャレンジしてみたから……かな? (街中でナンパなんて考えてもみなかったけれど)。
冒頭でお伝えしたように、英雄や王妃も、香水の持つ官能性や奮起を促す効果を日常的に利用してきました。誰かを誘惑したいとき、ビジネスチャンスを手にしたいとき、ファッションやメイクだけでなく香水のチカラを借りてみてはいかがでしょう?
取材協力:Le Grand Musée du Parfum
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