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「やりたい思いを口に出す」ファッションデザイナーMomokoさんの独立とキャリアの拓き方

ANGIE / 2022年5月11日 17時0分


自分にも自然にも優しくありたい――。


ファッションブランド「LA NUIT ÉTOILÉE」(ラニュイエトワーレ)を手掛けるデザイナーMomokoさんは、洋服を楽しむことで自然環境にも意識を向けてほしいと、サスティナブル素材を多く取り入れています。


ブランド立ち上げに込めた思い、デザイナーとしての道の切り拓き方について話を伺いました。



■Momokoさんプロフィール

大妻女子大学・英文科卒業、アメリカLA / NYへ留学、バンタンデザイン研究所卒業。

2014年に「LA NUIT ÉTOILÉE」のファーストコレクションをリリース。

2年後の2016年に表参道にて「LA NUIT ÉTOILÉE 表参道ブティック」をオープン。翌2017年には上海久光百貨店に進出。

2017~2018年にかけてハワイ国際映画祭スタイリング、上海国際映画祭スタイリング、VOGUE FASHION’S NIGHT OUT に参加し、関西コレクションに2019年、2020年と2年連続で出場。2015年には佐々木希主演映画『縁~The Bride of Izumo』にてスタイリスト統括を務めている。


 


着たいものを着る!海外で出会った友人たちの姿勢がファッションを志すきっかけに


――2014年にファーストコレクションをリリースした「LA NUIT ÉTOILÉE」(ラニュイエトワーレ)。どんなこだわりが詰まったファッションブランドなのでしょうか。


Momokoさん:

着心地の良さを追求し、一度触れたらずっと着ていたくなるようなシルク素材にこだわってきました。長く大事に着続けられるものは、結果として、環境にも優しいと思っています。


シルク素材以外にも、環境に配慮した“サスティナブル素材”も多く取り入れています。


ラフなスタイルが好きな方がON/OFFの垣根なくリラックスして着られるように、日常から特別なリゾート休暇まで、幅広いシーンでゆったりとした気持ちになってくれたらいいな、と思っています


 


――サスティナブル素材とは、どのようなものを使っていますか。


Momokoさん:

例えば、天然の樹木を主原料とした生地です。生地を選ぶときには、作られるプロセスで適切に管理され、持続可能な森から伐採した木材で生産されたものなのか、製品や加工・流通過程まで遡って見ています。


 



――そもそも、自然に優しいファッションへのこだわりはどこから来たのでしょう。デザイナーを志した背景から教えてください。


Momokoさん:

きっかけは、大学卒業後に語学留学でアメリカ・ロサンゼルスに行ったことでした。世界各国の学生の、自由なファッションに衝撃を受けました。


色の組み合わせ、洋服のデザインが一人ひとりまったく違う。「自分はこれが好きで、着たいから着ている」という意志を感じたんです。


ファッションは自分を表現するアイテムなのだと知り、ファッションを通じた表現のカタチを、私も生み出したいと考えるようになりました。



自然を強く意識したのは、ヨガの聖地として知られるオーストラリアのバイロンベイに3か月滞在したときでした。


海は透き通っていて、村は裸足で歩くことができる。足の裏から土を感じられるんです。自然と隣り合わせであることがこんなに心地いいのだと驚きました。


ファッションを通じて、自然に優しい気持ちを持てるような、そんなブランドができたらいいなと思うようになりました。



――留学と旅の日々から帰国し、ブランドの立ち上げへ。どのように道を拓いていったのでしょう。


Momokoさん:

帰国後にすぐファッションの専門学校で学びましたが、Tシャツ1枚作るにも、イメージ通りのものを作り上げるのは難しかったです。


卒業後は、すでに独立していたデザイナーの方に弟子入りしながら、その方が手掛ける飲食店のウェアなど受注品を作らせてもらい、スキルを磨いていきました。


専門学校の友人たちは、大手アパレルメーカーに就職し、私とは違う道で活躍しています。その道に行かなかったのは、「自分が描いた服を作りたい」という思いが強かったから。


独立の足場を作るために、スタイリストとしても働きながら、セレクトショップのバイヤーさんなど業界内の人脈を広げようと必死でした。


 


――自分で作ったものを自ら売り込みに行くんですね。


Momokoさん:

そうです。小さな展示会に出たり、セレクトショップを経営している方に知り合いの伝手で連絡をとり「ワンラック(ラック1つ)分置かせてもらえますか」と交渉したり。


スタイリストとして、映画やドラマで自分が作った服を使ってもらう、といった地道な提案もして、佐々木希さんの主演映画『縁~The Bride of Izumo』で採用いただけたこともありました。


こうした小さな実績から、お店に置かせていただける機会が増え、ブランドリリースへとつなげられたのかなと思っています。


 


販路拡大から生地探しまで、自分の発信から出会いが生まれる


――「LA NUIT ÉTOILÉE」(ラニュイエトワーレ)が今後目指す世界観、大切にしていきたい思いとは?


Momokoさん:

よりリラックスできる、それでいて少し高級感を味わえる
、そんなアイテムをデザインしていきたいです。


着心地がいい服は、幸せな気持ちをくれると思うので、肌触りの良さには引き続きこだわり続けていきます。


また、サスティナブル素材ももっと感度高く取り入れていきたいですね。


2022の春夏コレクションでは、イタリアMANTECO社のサスティナブル生地を使っているのですが、国内にも上質な生地メーカーがたくさんあるので、ますますネットワークを広げていきたいと思っています。



――最後に、Momokoさんが大事にしている仕事観を教えてください。


Momokoさん:

やりたいことや夢を、声に出して周りの人に言い続けることです。


「あの人が、あんなことやりたいって言っていたな」と、できるだけたくさんの人の頭の片隅に入れておいてもらう。すると、思いがけない紹介が舞い込んだり、アドバイスがもらえたり、助けてくださる方が現れます。


私は、「こんな服を作っています。どなたかセレクトショップの方がいたらぜひ紹介していただけませんか」と、ダメ元で周りにアピールを続けていました。今では「こんな生地はありませんか」と常に探し続けています。


周りにいる人たちが、どんな世界とつながっているのか、自分にははかり知れません


今日からできる小さなことだと思うので、もしやりたいことがあるのなら、口に出してみては、と思っています。


 


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