人は口から老いる!? 全身の健康を保つために重要な口腔ケア方法って?
ANGIE / 2022年6月23日 11時0分
顔のシワやシミを見つけて「老けたな…」と感じる人は多いと思います。しかし、実は人は顔からだけでなく、口の中からも老いているという事実が様々な研究から明らかになってきているんです…!
口の中の状態が悪いと、老いだけでなく全身の健康を損なう恐れもあるといいます。
そんな口の状態と健康についての最新の情報と、口腔ケア方法を、⽇本ヘルスケア協会 生き活きライフ部会主催のオンラインラウンドテーブルにて、ドライマウス研究会 代表 、前・鶴見大学教授(歯学部)斎藤一郎先生に聞いてきました。
老化のサイン!注意するべき“オーラルフレイル”とは?
口の役割は食べる・話す・笑う・歌うなど多岐に渡ります。また表情を作るという働きもあり「衰えてしまうと全身の健康に影響を及ぼしてしまうため、人生の最後まで維持したい機能です」と斎藤先生。
また、加齢や老化による要介護の前段階である「フレイル」という状態は、まず口から始まることがわかってきていて、これを「オーラルフレイル」と呼ぶのだとか。
具体的には滑舌の低下や食べこぼし、むせる、噛めないなどの状況が増えてきたら、オーラルフレイル状態に陥っている場合があるので注意が必要だそう。
その他にも口の老化のサインとして、上唇の縦しわ・口唇が薄くなる・フェイスラインのたるみなども筋力の低下や乾燥が進んでいる可能性もあるのだとか。
また70代以上の死亡原因の上位である誤嚥性肺炎やウイルスによる感染症など、口腔機能の低下が全身の健康を損なうことがわかっており、健康寿命を延ばすためにも口腔ケア対策が重要です。
歯がなくなると10年後の記憶力や身体的機能が低下し、歯周病は心血管障害や呼吸器感染、アルツハイマーや関節リウマチとの因果関係も示されていることなどが紹介されました。
口の中&全身の機能維持に必須な唾液の重要性
口の中には唾液が存在しますが、これがとても大事!と斎藤先生。
抗菌作用や粘膜を保護してくれる役割、さらに消化作用も。「よく噛んで食べなさい」というのはそれによって唾液が分泌され、胃に負担をかけないからだそうです。
そんな唾液ですが、加齢に伴い量が減り、65歳以上の3人に1人が唾液分泌障害、いわゆるドライマウスだということが明らかになっています。
ドライマウスは口の中が乾いたり、粘ついたりする症状が出ますが、これを常に自覚する重度の人の数は80万人もいるのだとか。さらに自覚者は女性の方が多いそうです。
ドライマウスに起因する病態として有名なのは歯周病や口臭、口の不快感等があるといいます。
ドライマウス対策におすすめ!今すぐできる口腔ケア方法
ドライマウスの原因は老化だけではなく、酸化ストレスの蓄積によって引き起こされることもわかってきているそう。それと同時に加齢により体内のコエンザイムQ10も減り、それによって唾液が減ることも明らかに。
そこでおすすめなのが、抗酸化作用のある還元型コエンザイムQ10を摂取すること。
実際に65歳以上の健常者40名に還元型コエンザイムQ10を摂取してもらい、唾液分泌量を調べたところ、優位に唾液量が増えたとのこと。また口渇・だるさ・風邪をひきやすい・下痢も有意に改善されたんだとか!
また今すぐにできるドライマウス対策として斎藤先生がおすすめするのがなんと歌を歌うこと。
ストレスによって唾液量が減少することがわかっており、歌うことで唾液量を増やせるんだとか。さらにストレスが解消されることで免疫力も向上し、一石二鳥なんだそう。
これは歌が嫌いな人やうまく歌えない人にも効果があるそうで、前向きな感情が促進されるとのこと!
朝の歯みがきも大切に!
唾液分泌量が少ないと口の中で菌が増えてしまい、その菌が腸内で増えると病気になってしまう可能性があるそうです。寝ている間に菌は増えるため、朝まず起きたらはじめに歯磨きをすることが大事。
腸内フローラはよく耳にしますが、口の中の菌を適正化し、オーラルフローラを整えることも必要だそうで、乳酸菌を摂取する際は口の中でよく馴染ませると良いそうです。
普段無自覚に、当たり前のようにあると思っている唾液や、流れ作業のようにしつつある歯磨き、さらにはマスク生活でおろそかにしがちな口内環境。
改めて意識を向けたり、大切さを知ることが大事と思い知らされました。
何年後かの自分のために、まずは今日からできる、簡単な口腔ケアから始めてみませんか?
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