プロのこだわりが伝わる!手作りチーズが美味しい4つの理由とは?
ANGIE / 2015年11月9日 16時59分
手軽に食べられるおつまみとして、便利なチーズ。スライスチーズでおなじみのプロセスチーズ、あるいはカマンベールやモッツァレラといったナチュラルチーズなどは、スーパーでも買い求めやすいものです。
でもわたしたちが普段口にしているチーズは、ひとつひとつ手作業で丁寧に作られるものとは、全くの別物。お豆腐屋さんの豆腐からは大豆本来のコクと味わいが感じられるように、職人が作り上げるチーズは、香りも口どけも極上です。
南フランスにある有名チーズ専門店「Xavier(グザビエ)」のオーナーであり、チーズ熟成士のフランソワ・ブルゴンさんに、奥深いチーズの世界について伺ってみました。
チーズにも「旬」の時期がある
野菜や果物に旬があるように、チーズにも旬の時期があるのをご存じでしょうか? 12月〜6月にかけては羊のチーズが、3〜4月にかけては牛とヤギのチーズが旬を迎えます。
動物の繁殖期がチーズの旬と言われていて、この時期にはおいしいミルクが採れるのです。年間を通して食べられるチーズですが、旬のチーズはやはりおいしいものですよ!
土地によって風味が変わる!
チーズ作りはレシピはもちろん、農家の人のノウハウ、牛やヤギに羊といった動物の種類、作り手によっても味が変わってきます。
例えば冷涼な土地では良質な小麦が育ちますが、米の収穫は難しいものです。逆に温暖多湿な気候だと、小麦は育たなくても、おいしいお米が採れます。
チーズも同じように、気候や地形といった風土により、生産できる種類が異なるのです。
知恵と工夫が詰まった「保存法」
チーズは1万年も前から食べられている食品です。当然ながら、冷蔵庫のない時代を経て発展してきたため、先人たちはチーズの表皮をオイルで洗ったり、栗の葉で包んだり、炭をまぶしたりするなど、常温でも保存できる方法を生み出しました。
その土地の気候風土に合うように工夫されて、生産が行われてきたのです。このため、気候の違うフランス北部と南部では、チーズの形も種類も異なります。
チーズの形や大きさからも、生産された地域を知ることができます。山岳地域では大きなチーズを作る傾向にあります。大きいチーズは冬の厳しい寒さのなかでも保存が効くこと、都会でチーズを売る際に運びやすいという点が挙げられます。
手塩にかけると、おいしくなります
多くのナチュラルチーズは作られた直後から、毎日変化していきます。カビの生え具合など、状態が日々変わっていくのです。
またどのチーズも同じかと言えばそうでなく、チーズの種類によっても扱い方が異なります。
このため、チーズ表皮の微生物や菌類などがきちんと付着するよう温度を変えたり、通風を良くしたり、それぞれのチーズが熟成するのに最適な環境をつくることが大切。チーズの熟成も、ペットの世話に通じるところがあるかもしれません。
チーズ大国フランスでも、手作業でチーズ作りを行っている農家はチーズ業界全体の20%に過ぎないと言います。大量生産ができないことが、その理由なのだとか。
自身のチーズ専門店では、チーズ農家で丁寧に作られたチーズを選りすぐったものを熟成させているフランソワさん。チーズに対する熱意は相当なものですが、この天職を見つけるには10年ほどかかったそうです。
次回の記事では「会社員からチーズ職人」に転身した経緯を伺います。転職を考え中の方は、お見逃しなく!
※関連記事: 「赤ワインにチーズは合わない?」熟成士に訊いた本当においしいチーズの食べ方
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