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「戦隊大失格」錫切夢子役・矢野優美華インタビュー「ミステリアスだけど 普通の女の子らしい夢子」

アニメ!アニメ! / 2024年7月4日 17時30分

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年7月号には、春アニメ『戦隊大失格』より、錫切夢子役・矢野優美華が登場。 本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。


ミステリアスだけど普通の女の子らしい夢子


――まず、『戦隊大失格』という作品の印象を教えてください。


オーディションを受ける前に原作を拝見したのですが、春場ねぎ先生の絵がすごく魅力的で、キャラクターの感情が表情から読み取りやすいという印象でした。私が演じる夢子は表情変化があまりないキャラクターですが、それでも原作だと微妙な表情が描きわけられていて、彼女の心情の変化がわかりやすかったんです。ストーリーも、最初はアンチヒーローもので、戦闘員側の逆転劇が描かれるのかと思っていました。でも、読み進めるうちにテーマはひとつではなく、キャラクターもすごく掘り下げて考えられているなと感じるようになりました。


――アニメになっておもしろいなと感じたところは?


何回も映像を見ているのですが、ここにこんな小物があったんだとか、グリーンキーパーはこんな動きをしていたんだとか、いろいろな発見があるんです。さとうけいいち監督の遊び心が感じられて、そういった細かな部分がとくにおもしろいなと感じています。


――夢子の第一印象は?


まず、目にハイライトがないので、普通の子ではないだろうと思いました。でも、原作を読むうちに、普通の子だし、ギャルっぽいなとも感じたんです。上司や目上の人に対しても「何それ、ダサくな~い?」とか「私、それ嫌いだからやらない」って言っちゃえるような、いまどきっぽい女の子だなと思いました。


――アフレコが進んでから、その印象に変化はありましたか?


いまどきの女の子っぽいという印象は変わりませんでしたが、原作でだんだんと彼女のバックボーンが明かされるにつれて、普通の女の子ではないんだなと感じられるようになりました。私個人としては、いろいろわかったうえで、彼女には幸せになってもらいたいという気持ちが強くなっています。


――夢子は、正義の味方である大戦隊の戦隊員なのに、ドラゴンキーパーの重要な武器である神具を集めようと、戦闘員Dに協力するキャラクターです。そんな彼女をどう演じようと考えましたか?


まず、夢子は考えていることが視聴者の方やDくんに気づかれてはいけないと思ったんですね。声優の養成所では、「相手に何を言いたいか、自分の言葉のなかでどれを相手に伝えたいか、どの言葉を立てて伝えるのか」を学ぶのですが、夢子を演じるときはそれを一切排除して、どれを伝えたいのかも誰に伝えたいのかもわからないようにすることを大切にしました。また、さとうけいいち監督は、オーディションのときに夢子のことを「峰不二子のような女性」とおっしゃっていたのですが、あからさまに色気を出し過ぎると夢子っぽくなくなる気がしたんです。だから、あくまで普通の女の子が年下の男の子を構っているような、でもDくんから見たらお姉さんが構ってきて怖いと思えるようなお芝居をするようにしました。


――矢野さんは、夢子がなぜ神具を集めているかは知っていますか?


アフレコ前の本読みで、監督から神具を集めているバックボーンについて教えてもらいました。ただ、それは事実だけで、夢子が何を考えているか、どう思って行動をしているかまではわからなかったんです。だから、私も彼女をつかみきれず、監督のディレクションや先輩方のお芝居を頼りにさせていただきました。


――夢子の本心を知っていたとしても、それをまだはっきりお芝居に出せないと思うので、塩梅が難しいですよね。


そうですね。第1話のオンエアを見たときも、本当にこれで良かったのか、と不安になったりもしました。夢子は空気を読まないので、私のお芝居もほかのキャストさんに合わせない形になるんです。その結果、自分だけが浮いているようにも聞こえてしまって、声優としてこれは正しいのだろうか……夢子としてはこうだと思うけれど……と考えてしまいました。


――第4話では、ドラゴンキーパーの面々が集合するシーンがありましたが、ドラゴンキーパー相手だと、お芝居のアプローチも変わりますか?


夢子はお姉さんっぽく見えますが、ピンクキーパーと並ぶと生意気な小娘に見えるんです。実際、私が一生懸命お姉さん風に演じても、ピンクキーパー役のM・A・Oさんの色気やお姉さんらしさには届かないので、意識しなくてもドラゴンキーパーのキャストさんのなかに入れば、自然と小娘に見えると思っていて。だからこそあまり変化は付けず、目上の人が相手でも関心がない雰囲気をキープしていました。


――ちなみに、レッドキーパーが従一位の緋村仁を平然と始末した姿を見て、どんな思いを抱きましたか?


じつはあまり驚かなかったんです。大戦隊って、正義の味方というよりブラック企業みたいなイメージだったんです。だから、自分が正義だと思って理不尽なことを言う上司もいるし、事なかれ主義な人もいる。レッドキーパーが暴力を振るっても「いるよね、こういう人」みたいな感覚でした。


――本音がわからない夢子ですが、彼女のどこが魅力的だと思いますか?


パフェやパンケーキなどの甘いものが好きで、お昼ご飯を食べに行くと言いつつパフェを食べていたりする、普通の女の子なところです。原作でも、ゲームセンターのような場所に行くシーンがあるのですが、そこで取った人形を抱えて喜んだりするんですね。そういう普通の女の子の気持ちが残っているところがいいなと思います。


――甘いもの好きなところは共感できますか?


できます!でも、私は自分のことをペラペラと話してしまうし、わかりやすい性格なので、夢子と似ているところはあまりないし、理解できるところも少ないんです。ただ、夢子は人をちゃんと見ているので、そこは親近感がわきます。(桜間)日々輝役の梶田大嗣さんに言われて気づいたのですが、第2話でDくんが日々輝に擬態したとき、目の色が日々輝とは違って黒だったんですね。夢子はそれに気づいていて、のちのち首をスパッとはねたんだろうなと思って。それから、部隊に配属される前の「無色」の候補生たちのこともちゃんと見ているので、そこはいいなぁと思いました。


――そんな夢子に憧れるところは?


スタイルです。お顔も好きなのですが、身長も高くて出るところが出ていて締まるところが締まっているんですよね。筋肉もほどよくついていて、モデルさんみたい。あんなにピッタリしたスーツを着られるところがうらやましいです。


――夢子がちょっかいを出す戦闘員Dには、どんな印象を持っていますか?


ガキんちょだなって思います(笑)。彼はあまのじゃくなので、褒められても「うるせえよ、うれしくねえよ」と言っちゃうような子なんですよね。「そっちに行っちゃダメ」と言っても、「俺が行きてえんだから行くんだよ」って人の話を聞かない。彼は人間だと13歳くらいらしいのですが、私から見ると小学校5年生くらいの印象なんです。自分の感覚で勝手に動いてしまうから、扱いが難しいだろうなあと思います。でもだからこそ、いろいろ勉強して、素敵な大人になってほしい気持ちもあって。お姉さん的な目線で見てしまいますね。


――(本誌発売時に)放送された第7話まででお気に入りのエピソードを教えてください。


第7話で、夢子は候補生の来栖大和くんに「ダメだよ」と言うんです。「ずるいことをするから、人からボロクソに言われる」と彼に伝えるシーンから、他人に興味がないように見えて、夢子はしっかり人を見ていることがはっきりとわかるんですね。夢子は人の怒りや動揺を見抜いていると視聴者側からもわかるシーンなので印象に残っています。また、第6話で高速で走ってくるトラックを平然と避けるところも印象的でした。イエロー部隊従一位だけあって、戦闘能力や観察力の高さを感じました。


――現時点で、矢野さんが注目しているキャラクターは?


たくさんいるのですが、そのなかでもまずレッド部隊正三位の朱鷺田隼くん。アフレコで吉野裕行さんの声が付いたら、とにかく印象に残るようになり、彼が画面に登場するたびに「トッキーだ」と自然と思うようになりました。それから、立木文彦さんが声をあてられているピンク部隊従一位の撫子益荒男さん。もともと私は紳士的な方が好きなのですが、撫子さんも紳士的なんですよね。さらに後方支援部隊であるピンク部隊所属なのに、物理で攻撃するところもおもしろくて。立木さんのお芝居もピッタリで大好きです。


――アフレコの思い出を教えてください。


Dくん役の小林裕介さんもおっしゃっていたのですが、『戦隊大失格』は緊張感のある世界なので、和気あいあいとした雰囲気になりにくかったんです。私もずっと緊張していて皆さんとあまりお話ができなかったことが残念です。ただ、「無色」の候補生のキャストさんだけが集まっていた時間があって、そのときはすごくにぎやかでした。キャラクターとリンクして現場の雰囲気って変わるんだなと思いましたし、「無色」の候補生たちの屈託のなさは物語の救いだなとも感じました。


――第7話の時点では、無色の戦闘員・桜間日々輝に擬態した戦闘員Dが5色の部隊に配属されるための最終試験に挑んでいましたが、この先の見どころを教えてください。


第1、2話で夢子を見て怖いなと思っていた方も、これまでのエピソードでかわいいかもとか、普通の女の子みたいだと感じていただけていると思います。ただ、この先、夢子をまた怖いなと思うシーンが出てきます。大きな出来事が起こり、みんなが決意や後悔を抱くなか、彼女だけが楽しそうな空気を纏っている。なぜこの状況で楽しそうにしていられるのか。ますます謎めいた夢子が見られるので、楽しみにしていてください。


MegamiにQuestion


Q.自分のチャームポイント
A.よくしゃべる

独り言が多く、しゃべっていいよと言われたらずっとしゃべっちゃうんです。しゃべるのが得意ではない方は、ラジオ感覚で私がしゃべり続けるのを聞いていても楽しいかもしれません。


Q.自分のニックネーム
A.矢野ちゃん、矢野さん

「矢野」が呼びやすいのか、苗字で呼ばれることが多いですね。仲のいい友達だと、「優美ちゃん」とか「ゆーみん」と呼んでくれます。『戦隊大失格』の現場では、だいたい「夢子」呼びでした(笑)。


Q.自分の声の特徴
A.「誰にも嫌われない声」と言われました

他作品のオーディションを受けたときに、スタッフの方から「誰にも嫌われない声だね」と言っていただいたことがあるんです。私は老若男女に受け入れていただける声がいいなと思っているので、敵を作らない声っていうことなのかなと感じて、すごくうれしかったです。


Q.自分の性格
A.超適当

お仕事はしっかりやりますが、プライベートは超適当なんです。スポーツジムに行こうとして、うっかりボトムスを履き忘れたことがあるくらいで(笑)。お酢を薄めずに飲んで歯を溶かしたこともありますし、自転車で通れそうだと思って挑んだ細い道が、思った以上に細くて通れずに肩をぶつけたり……。死ぬほどの目に遭う前に、もうちょっと気を付けようと思います。


Q.いま、ハマっているものは?
A.トマトのサラダ

食事制限をしていたときに、カロリーの低い食べ物でどれだけお腹をいっぱいにできるかを考えたんです。当時はトマトが旬の時期だったので、トマトをベースにいろいろなサラダを作っては食べて、すっかりハマりました。オススメは、トマトとツナ、大葉にポン酢やニンニクの入ったドレッシングをかけて食べることです。間違いのないおいしさです。ちなみに砂糖やチョコは合いませんでした!


Q.矢野さんにとってのヒーローとは?
A.遅れてやってくる存在

よく言われているように、ヒーローは遅れてやってくる存在だと思っています。いいところで現れて、いいところを全部持っていくみたいな(笑)。原作のほうで夢子も似たようなことを言っていたので、同じことを感じているんだなと、ちょっとうれしかったです。


Q.最近、大失格と思ったことは?
A.ラジオで噛んだこと

毎回テンパって噛んじゃうんです。声優として大失格だと思うので、ものすごく反省しています。どうやら言葉が分解されて、頭のなかで順番が入れ替っているみたいなんです。


Q.本作のキャッチフレーズ
A.ザ・テーマパーク

『戦隊大失格』は、オープニングやアバンが始まってから次回予告まで、ずっと飽きさせない演出がある作品です。テーマパークも入場ゲートをくぐってから、帰るまでその世界に浸れるような演出がされている。さとう監督の「見ている人を楽しませたい」という思いが随所に盛り込まれた、まさにテーマパークそのもののような作品だと感じています。


Profile
やの・ゆみか/2月19日生まれ。東京都出身。ゆーりんプロ所属。
主な出演作は『彼女が公爵邸に行った理由』ビビアン・シャマル役など。

作品Information

毎週日曜日夕方4時30分よりTBSほかにて放送中
https://anime-sentai-daishikkaku.com
世界征服をもくろみながら、下っ端戦闘員を残して壊滅状態となった怪人たち。竜神戦隊ドラゴンキーパーとの秘密の約束で、かろうじて生きながらえていた彼らだったが、その生活に嫌気がさした戦闘員Dは、大戦隊の戦隊員・錫切夢子の協力のもと、一矢報いるべく行動を始める。


(C)春場ねぎ・講談社/「戦隊大失格」製作委員会

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