まるで部活? 梅田修一朗&小林千晃が感じた「青のミブロ」の熱さ― “全員で録るからこその圧がある”【インタビュー】
アニメ!アニメ! / 2024年10月19日 12時0分
10月19日より読売テレビ系・日本テレビ系全国ネットにて放送が始まるTVアニメ『青のミブロ』。13歳の少年・におと、のちの新選組である壬生浪士組を中心に、幕末京都の動乱を描いている。
新選組を題材にしつつも、現代の人々にも身近な「青春」という普遍的な要素も感じ取れる本作。主人公の「ちりぬ にお」を演じる梅田修一朗さんと、斎藤はじめ役の小林千晃さんも、「部活のようなアフレコ現場」だと感じたそうだ。
『青のミブロ』に命を吹き込む隊士たちの舞台裏を、梅田さんと小林さんにうかがった。
[取材・文=ハシビロコ 撮影=Ayumi Fujita]
■『青のミブロ』に感じたワクワクと運命
――本作への出演と役が決まったときの心境はいかがでしたか?
梅田「半端なく熱い作品だな」と感じました。ですからテープオーディションの時点で、身体から気力を振り絞って声を吹き込んだことを覚えています。
「出演が決まったよ」と連絡をいただいたときは、まさに、におと同じ心境というか。におを任せていただけた嬉しさとともに、いい緊張感を抱きました。自分が歴史ものの作品にしっかり関わるのは初めてですし、これから新選組の方々との運命に巻き込まれていくような気持ちにもなって。すごい作品に関わらせていただけるんだな、と身が引き締まりました。
ほかのキャストはまだ知らなかったのですが、新選組にはそうそうたる個性の隊士たちが登場するので、どんな方々が集まるのだろう、といったワクワク感も強かったです。とくに、におと同じく「3匹の狼」と呼ばれることになる隊士をどなたが演じるのか、とても楽しみでした。
小林学生時代から僕が好きなマンガを描いていた安田(剛士)先生の新しい作品ということで、オーディションでもかなり気合いが入りました。はじめ役しか受けていなかったこともあり、役が決まったときは運命めいたものを感じて。この役を全うできるように頑張ろう、と心から思えました。
アフレコもとても楽しみで。原作も読ませていただいたのでストーリーは知っていましたが、アニメでキャストが命を吹き込むと、僕のイメージとはまた違う表情を見せてくれるだろうな、と期待感がありました。
――ご自身の演じる役の第一印象や、演技で心がけていることをお聞かせください。
小林はじめは生意気な子ですが、根っこは芯が通っていて、人のいいところはきちんと認める柔軟な心も持っています。ですから、あまり「こう演じよう」と固めずに、さまざまな表情を見せてあげられるようにアフレコに臨んだ記憶があります。台本を読んだときのイメージをそのまま声にしよう、と。
はじめってこういう一面があるから、こういう強がりがあるから、と考えながら演じるというよりも、そのときに感じたインスピレーションを大事にしました。はじめ自身も意外と砕けた表情や、子どもらしい表情をしてくれるので、僕自身の心も緩やかにして、柔軟性を持って演じています。
梅田におは白髪で、きれいな顔をしていますよね。でもそれだけではない。原作の第1巻を読むだけで、におがどういう男の子なのか伝わってくるものがありました。
におは13歳の少年ですが、現代を生きている13歳とはもちろん常識も違いますし、置かれた環境も違う。まずはにおという男の子がどういう世界で生きてきたのかを考えて、何を嬉しく感じ、何を苦しく感じていたのかなどに思いを巡らせました。
家族をすごく大切にしていて、命が今よりも簡単に切り捨てられてしまう時代や、守られるべき人たちが大事にされていないことへの怒りを抱いている。それだけでなく、そんな現状をどうすることもできない自分への怒りも抱えています。表向きはとても人当たりがよくて頭の回る男の子なのですが、実際は心の中に13歳という年齢以上の葛藤や、時代背景に起因する諦めや大人びた部分がある。そうした内面を心がけて演じました。
■部活のようなアフレコ現場! 意外な兼ね役にも注目
――アフレコ現場の雰囲気はいかがですか?
小林新人の方からベテランの方まで、皆さん優しいですよね。本作は約20人の大所帯で収録していて、4本のマイクの前で入れ替わり立ち替わりセリフを言います。そんな中でも譲り合い、お互いを慮って動ける、本当にいい座組だと思いました。
梅田千晃さんがおっしゃった通りで、先輩から後輩まで幅広い座組です。それでも皆さんが同じテンションでこの作品に携わっているという実感が持てるので、安心して突き進めています。キャストだけでなく、ディレクションをくださっている音響監督の亀山(俊樹)さんなど、スタッフの皆さんも同様に熱量が高いです。共通の認識や想いを持ち、盤石の布陣で『青のミブロ』を作れているのではないかと思います。
小林全員一緒に収録ができたのもよかったですね。
梅田想いや熱量を共有できると、声や芝居の厚みがまったく変わってくると思うんです。隊士皆で「おう!」と言うシーンも、全員で録るからこその圧があります。皆さんと一緒にかけ声を言えたときは、熱量が半端なくて感動しました。
小林素振りのシーンも実際に1から30くらいまで皆で数えて。それが部活のようでもありました。
梅田あと、意外な兼ね役も多いですよね。隊士を演じているメインキャストが思いも寄らない役も演じています。(堀江)瞬さんがおばあちゃん役で出ているとか。僕はとあるシーンで犬も演じていて、聞いたところによるとキャスティングは監督さんのご希望だったそうです(笑)。
――脇役にも要注目ですね。梅田さんと小林さんが、お互いの演技を聞いたときの印象はいかがでしたか。
小林梅田君は声を聞く前から、におにぴったりだと思っていました。
梅田ありがとうございます!
小林実際のアフレコ現場でも、梅田君がエネルギッシュで。にお自身も自分の運命がどうなるかわからないけれど、とにかく今を全力で生きつつ、よりよい社会を創る一端になれるように頑張っています。梅田君自身も小手先ではない、まっすぐなお芝居をしているので、におというキャラクターにぴったりだと思いました。
梅田におにとって、はじめはとても大事な同年代の少年のひとりです。その一方で、剣術などの戦いにおいては、はじめは身近な先輩。におに多くを教えてくれる存在になっていきます。その関係性が僕と千晃さんにも近しいな、と思って。
千晃さんは年代が近い先輩で、僕よりも声優としての経験がすごく豊か。お芝居でも、はじめのように、僕が体当たりしていくところをしっかり受け止めてくれます。それだけでなく、さらに千晃さんが演技を投げかけたり、僕の演技を引き出したりしてくださった場面もありました。僕もにおのように安心して全力を出させていただけていて、掛け合いを一緒に作っている実感が持てるんです。本当に、ありがとうございます! ……なんか面と向かって言うのは恥ずかしいですね(笑)。
■壬生浪士組キャストで対決するなら?
――本作には壬生浪士組による相撲対決も登場します。もしお2人も壬生浪士組キャストと対決するとしたら、どんな種目で戦ってみたいですか?
小林大食い対決ですかね。一番食べるのが誰で、一番少食なのが誰なのか、気になります。
梅田いいですね! やってみたいです!
小林本作のプロデューサーさんが、よくご飯会を設けてくださって。それ以来、キャストでご飯の話をするようになりました。とくに(小野)賢章さんと梅田くんがラーメン好きで、よくアフレコ後に一緒に食べに行っています。
梅田座組にラーメン部が結成されつつありますね(笑)。大食い対決をしたら、チャンピオンは誰でしょう?
小林竹内(良太)さんとか、めっちゃ食べそうじゃない? でも繊細さもあるから、もしかしたらあまり食べないかもしれない。
梅田「食べられないよ~」と言いながら平らげてほしいです(笑)。もし二郎系ラーメンの大食いなら、賢章さんにアドバンテージがありそうじゃないですか?
小林賢章さんは二郎系を食べ慣れているからね。食べられる量だけを考えたら、杉田(智和)さんや乃村(健次)さんとか。男性声優ばかりの現場なので、皆よく食べそうな雰囲気はあります。
梅田打ち上げが大変なことになりそうです(笑)。量は置いておいて、楽しく食べそうなのは戸谷(菊之介)くんですかね。
小林確かに。僕は意外と量を食べられるので、4位くらいにはなれそうです。
梅田僕は意外と食べられないので(笑)、5位か6位くらいを目指したいです。
――梅田さんはどの種目で対決したいですか?
梅田負けないように頑張りたいのですが、この座組でやるなら大声選手権ですかね。誰が一番うるさい声を出せるかを競います。
小林優勝は岩崎(諒太)さんじゃない? まじで声量あるから。
梅田わかります(笑)!
――ぜひ対決を見てみたいです(笑)。最後に、アニメの放送を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
小林僕らキャストも高い熱量で、汗水を垂らして収録しています。ただ、作中では隊士たちがその100倍くらいの汗を垂らしている。ここまで泥臭くて男臭くて、でもグッとくる作品は、最近では珍しいと思います。ぜひたくさんの方に触れていただいて、この熱を感じていただけたら幸いです。
梅田新選組が元々好きな方はもちろん、今まで触れてこなかった方にも楽しんでいただける作品です。本作には、にお、はじめ、(田中)太郎という、歴史には残っていない男の子たちが登場しています。彼らが力を振り絞って、等身大で今を生きる様子が描かれているからこそ、共感していただける部分や、自分の中になかった気持ちを呼び起こさせてくれるシーンもあるはずです。
なにより、におという男の子を通して、新選組が志したものや立ち向かっていたもの、普段の生活や人との関わりを、よりリアルに感じていただける作品に仕上がっています。キャストひとりひとりの熱量、キャラクターの動きや表情をぜひ楽しんでいただいて、より本作と新選組にハマってもらえると光栄です。『青のミブロ』をよろしくお願いいたします!
13歳の少年たちがともに駆け抜ける、新選組との熱い日々。TVアニメ『青のミブロ』で、彼らの生き様をぜひ見届けてほしい。
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TVアニメ『青のミブロ』
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット
10月19日土曜夕方5時30分放送開始!(一部地域を除く)
◆キャスト
ちりぬにお 梅田修一朗
斎藤はじめ 小林千晃
田中太郎 堀江瞬
土方歳三 阿座上洋平
沖田総司 小野賢章
芹沢鴨 竹内良太
近藤勇 杉田智和
永倉新八 津田健次郎
原田左之助 岩崎諒太
山南敬助 河西健吾
藤堂平助 戸谷菊之介
井上源三郎 杉山紀彰
新見錦 梅原裕一郎
野口健司 大野智敬
平間重助 前田雄
平山五郎 乃村健次
婆ちゃん 定岡小百合
ちりぬいろは 夏吉ゆうこ
◆スタッフ
監督 羽原久美子
シリーズ構成 猪原健太
キャラクターデザイン 大場優子、西田美弥子
音響監督 亀山俊樹
音楽 林ゆうき
制作会社 MAHO FILM
◆オープニングテーマ SPYAIR「青」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
(C)安田剛士・講談社/「青のミブロ」製作委員会
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