映画「はたらく細胞」これはもう、ある種の“特撮”だ! 特撮好きライター目線で語る3つの見どころ
アニメ!アニメ! / 2024年12月21日 17時30分
講談社の月刊少年シリウスに連載され、2度のアニメ化を果たした清水茜による人気作『はたらく細胞』の実写映画が、2024年12月13日より公開中。
本作は人間の体の中に存在する細胞たちを擬人化し、生命維持のためにそれぞれが担っている役割をコミカルかつわかりやすく描いた作品だ。
アニメでは花澤香菜が声を務めた赤血球(AE3803)を永野芽郁、前野智昭が声を務めた白血球(1146番)を佐藤健が演じる。キャスティング発表時には、白血球に扮する佐藤健のインパクト抜群な白塗りが話題になった。この記事では、いよいよ公開を迎えた映画『はたらく細胞』について、特撮好きなライターの目線で感じた見どころを紹介したい。
◆細胞たちの活動を実写で再現!視覚的なインパクト
まずはなんといっても、細胞たちを映画ならではのスケール感で表現した視覚的なインパクトだ。ミニマムなところでは、佐藤健の白塗りのビジュアルの強さに始まり、片岡愛之助演じる肺炎球菌など、人体を害する細胞のいかにも(個人的には実写版『デビルマン』を思い出す)といったビジュアル面での仕上がりは、特撮好き的には見逃せないポイントだ(余談になるが、片岡愛之助の惚れ惚れするようなやられ役っぷりがこれまた見事なので、ぜひ劇場で堪能してほしい)。
その一方、作中では赤血球や白血球が往来する人体の様子を、ショッピングモール的な施設を舞台に描写している。大量のエキストラを動員して、細胞がひしめく体内の様子を視覚化したシーンの数々には、やはりマンガやアニメとは違う画としての説得力がある。
また原作やアニメにはなかった要素として、細胞たちの宿主である人間のドラマも平行して展開される。AE3803や1146番が住んでいる女子高生・漆崎日胡(演:芦田愛菜)の体内は、前述したショッピングモールのような世界観なのだが、不摂生を極める日胡の父・漆崎茂(演:阿部サダヲ)の体内は小汚い昭和チックなアンダーグラウンド空間になっていたりと、劇中で描写されるキャラクターのイメージを反映させたクスリと笑える画作りもされている。
◆佐藤健がスクリーン狭しと駆け巡る―見ごたえ満点のワイヤーアクション
特撮好き的には最大の見どころと言えるのが、佐藤健演じる白血球がスクリーンを縦横無尽に駆け抜ける、ワイヤーアクションを駆使した殺陣だ。1146番は数ある白血球のなかでも好中球と呼ばれる、体内に侵入したウイルスや細菌などの駆除を主目的とする細胞。病原体の侵入時には真っ先に対処行動を取るという特性から、非常に好戦的なキャラクターとして描写されている。
そんな白血球の戦闘シーンではダイナミックなワイヤーアクションが取り入れられ、まさに飛ぶような活躍を見せる。佐藤健とワイヤーアクションといえば、第5作目までが上映された実写映画『るろうに剣心』が思い起こされるところ。さすがに慣れたもので、本作でのアクションシーンではキャラクターに宿った殺意が目に見えるような、なにか鬼気迫るものが映像に乗っているように思えた。
◆「仮面ライダー」シリーズ、「シン・ウルトラマン」など特撮縁のキャスト陣が集結
そのほか、脇を固める豪華キャストの布陣も見逃せない。これまでにもさまざまなメディアで触れられてきたが、『仮面ライダー電王』では佐藤健と姉弟役で共演した松本若菜がマクロファージ役として出演していることや、白血球とともに大立ち回りを見せるキラーT細胞には『仮面ライダーゼロワン』や『劇場版シン・ウルトラマン』に出演した山本耕史が、NK細胞役には『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』に出演した仲里依紗、また新米赤血球役として『仮面ライダージオウ』にウール役として参加した板垣李光人など、特撮作品に縁のある面々が集っている。
特撮ならではの独特なケレン味を理解し尽くしたキャスト陣の演技は本作のキャラクター設定との相性の良さを感じさせ、それぞれが命をかけて役割を全うせんとするクライマックスシーンでは、まるで1年間TVシリーズを追ってきた番組の劇場版を見ているような気分になる。この終盤に漂う“特撮感”をぜひスクリーンで体感してほしい。
『はたらく細胞』
■公開日:12月13日(金)
■出演者:永野芽郁 佐藤健 / 芦田愛菜 山本耕史 仲里依紗 松本若菜 染谷将太 板垣李光人 加藤諒 加藤清史郎 マイカピュ
深田恭子 / 片岡愛之助 / 新納慎也 小沢真珠Fukase (SEKAI NO OWARI) / 阿部サダヲ
■原作:清水茜「はたらく細胞」(講談社「月刊少年シリウス」所載)
原田重光・初嘉屋一生・清水茜『はたらく細胞BLACK』(講談社「モーニング」所載)
■監督:武内英樹
■脚本:徳永友一
■音楽:Face 2 fAKE
■製作:映画「はたらく細胞」製作委員会
■制作プロダクション:ツインズジャパン
■主題歌:Official髭男dism「50%」(IRORI Records / PONY CANYON Inc.)
■配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)清水茜/講談社 (C)原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 (C)2024映画「はたらく細胞」製作委員会
(C)2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
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