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巨大ロボットアニメの歴史と“大きさ”を体感するイベントがついに東京へ!【「日本の巨大ロボット群像」レポ】

アニメ!アニメ! / 2024年12月23日 19時45分

ある機体はリモコンで操作し、ある機体は閉鎖型コクピットの電子的な明かりに照らされながら操縦する。


ズシン、ズシンと地響きを立てて歩くその重量感と、コクピットをわずかに揺らす振動はパイロットだけが体感できる特権。見上げるほど巨大なその「勇姿」を、人々は畏怖と憧れをもって見上げた……!


1960年に放送された実写ドラマ版に続き、1963年にはモノクロアニメとして放送された『鉄人28号』。あれから64年、ロボットアニメは時代に合わせてさまざまな活躍をし、今や『トランスフォーマー』や『パシフィック・リム』といったハリウッド大作映画にも影響を及ぼす世界的な存在になりました。


このたび池袋・サンシャインシティで開催された「日本の巨大ロボット群像」は、そんな日本のロボットアニメの歴史を辿るとともに、各ロボットの巨大さが実感できるロボ好きにもアニメ好きにもたまらないイベントです。


会場には各作品の紹介パネルだけではなく、秘蔵資料や貴重な当時品のトイ展示などもあり、巨大ロボットの魅力を余すことなく体感できる内容となっていました。
そこで本稿ではそのもようをフォトレポートとしてお届けしたいと思います。
※一部ニュースサイトでは写真が表示されない場合があります。配信元の記事もあわせてご覧ください。


(C) 創通・サンライズ (C) EDIT

◆こんなにデカかったの!? 新発見の連続に興奮が止まらない!


「日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」は2023年9月に福岡会場でスタートし、神奈川会場、香川会場、京都会場を経て、このたび東京会場での開催となりました。


おもな内容は、『鉄人28号』からはじまる日本の巨大ロボットアニメの歴史を辿れること、実物大パネルで大きさが体感できること、内部メカやアニメ制作の裏側が見られること、貴重な資料や懐かしのグッズ類が見られることなどです。


取り扱われる作品も多種多様で、『マジンガーZ』『勇者ライディーン』『超電磁ロボコン・バトラーV』といった定番どころから、『宇宙の戦士』『メガゾーン23』『ファイブスター物語』『地球防衛企業ダイ・ガード』『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』などさまざま。


パネル解説ではその時代にどのようなロボットが活躍したのか、時代によって描かれ方がどのように変化したのかが詳しく解説されているので、どの年代の人でも歩みを知る楽しさが味わえます。


映像化された歴代の鉄人28号。(C)光プロダクション/敷島重工
ロボットアニメの金字塔といえばマジンガーZ。(C)ダイナミック企画・東映アニメーション
70年代ロボットアニメの代表格のひとつ『勇者ライディーン』。70年代は多くのスーパーロボットが人類の平和を守っていました。(C) 東北新社

さらに会場では別料金(700円)で音声ガイドの利用が可能に。『機動戦士ガンダム』のギレン・ザビ役や『無敵鋼人ダイターン3』のナレーションでおなじみの銀河万丈さん、そして『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で主演を務めた水樹奈々さんが解説してくれるので、より深く知ることもできます。


リモコン操縦の鉄人からコクピット操縦タイプのマジンガーZへの進化。さらにはオモチャ販売を想定した合体・変形ギミックの搭載、リアル路線で人気を博したガンダムなど……。そのひとつひとつに想いを馳せる、濃密な展示になっていました。


ゲットマシンの合体の順番で3つのフォームに合体変形するゲッターロボ。展示もその合体プロセスがよく分かるものでした。(C) ダイナミック企画・東映アニメーション
さまざまなSFアニメに影響を与え、1997年には『スターシップ・トゥルーパーズ』のタイトルで実写映画化された小説を原作とする『宇宙の戦士』。(C)スタジオぬえ
(C)東北新社 (C) ダイナミック企画・東映アニメーション (C)東映

◆レトロな当時品のオモチャ、そして実写映画のプロップも!


ただ歴史をたどるだけではなく、各ロボットの巨大さを実感できるのも本イベントの大きな楽しみ。たとえば『メガゾーン23』に登場するガーランドはバイクからロボットに変形するのですが、バイクから変形したとは思えない巨大さに思わず息を飲みます。


またガンダムに至ってはパネルで表現できるサイズではなく、特設フロアの床全体を使って全身像を描くという驚きの表現を! 小さなブラウン管やモニターでは伝わりづらかったその大きさを肌で体感できました。


実物大のガンダム展示。奥側のらせん階段で俯瞰の写真を撮ることができます。(C) 創通・サンライズ
らせん階段から撮影した実物大ガンダム。写真だとコンパクトに見えますが、会場ではその巨大さに圧倒されます。(C) 創通・サンライズ
実物大ガンダムの随所には解説スポットも。(C) 創通・サンライズ

もちろんパネル展示だけではなく、当時のグッズや制作資料なども各作品のコーナーにあわせて展示されていました。


中でもおもしろかったのは、2005年に公開された実写映画版『鉄人28号』のプロップや、2009年に押井守監督が脚本と演出を担当した舞台版『鉄人28号』の舞台セットの雛型、『装甲騎兵ボトムズ』のスコープドッグのモックアップ(模型)などの資料類です。


ほかでは見られないような貴重な資料なので、ぜひ会場にてじっくりとお楽しみください。


80年代OVAブームで人気を博し、今なお根強く支持される『メガゾーン23』より、主役メカのガーランドが実物サイズで登場。(C)AIC (C)AICライツ
実写映画版と舞台版『鉄人28号』の貴重なプロップと立体資料。(C)光プロダクション/敷島重工
『装甲騎兵ボトムズ』のコーナーの一角に展示されていた資料類。(C)サンライズ

そのほかレトロ玩具としては、クローバー社が1979年に発売した「ガンダムDX合体セット」の当時品や、ポピーが1974年と1975年に発売した「超合金マジンガーZ」と「DX超合金 勇者ライディーン」、1980年に出版された「S-Fマガジン」の『宇宙の戦士』にまつわるページなど、個人所有のアイテムを中心とする展示も見逃せません。


クローバー社の「ガンダムDX合体セット」は、あの当時らしく番組本編には登場しない玩具用の独自ギミックが盛り込まれていましたし、「超合金マジンガーZ」「DX超合金 勇者ライディーン」のように当時ならではのプロポーションで立体化されたフィギュアは、現在のフィギュア造形技術では見ることができないチープさに味があり、復刻して欲しいと思えるほどの魅力を感じさせてくれました。


クローバーやポピーといった社名にも時代を感じます。


70年代当時の超合金。ライディーンは説明書も展示されていました。(C)永井豪/ダイナミック企画 (C)東北新社
劇中設定とは異なるギミックを盛り込んだ、クローバー社のガンダム玩具。(C) 創通・サンライズ
1980年に放送されたリメイクアニメ『太陽の使者 鉄人28号』より当時品の玩具。(C)光プロダクション/敷島重工
月刊ニュータイプなどのアニメ誌でも数々のロボットアニメが取り上げられていました。(C)AIC (C)AICライツ

人気ゲームシリーズに『スーパーロボット大戦』という作品がありますが、展示会の会場はまさにその『スパロボ』の世界! ここまで版権元の枠を超えてロボットアニメの主役たちが集う催しは珍しく、丸一日使ってじっくりと眺める価値がある内容となっていました。


東京会場の会期は2025年1月13日(月・祝)まで。年末年始を挟むとアッという間に会期が終了してしまうスケジュールなので、ぜひ後悔しないよう訪れてみてはいかがでしょうか。



◆◆◆開催概要◆◆◆


日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-


会期 :2024年12月21日(土)から2025年1月13日(月・祝) 10:00~18:00


会場 :サンシャインシティ 展示ホールB(東京都豊島区東池袋三丁目1番)    


入場料:一般2200円(前売1980円)、中高生1600円(前売1500円)、小学生800円(前売700円)


協力 :AIC、 AICライツ、 エイケン、 エディット、 KADOKAWA、 キングレコード、 クロスメディア、 KOBE鉄人PROJECT、 シグナル・エムディ、 スタジオぬえ、 創通、 ダイナミック企画、 東映、 東映アニメーション、 東北新社、 トムス・エンタテインメント、 博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、 バンダイナムコフィルムワークス、 光プロダクション、 ビックウエスト、 フライングドッグ、 Production I.G、 メディアウェイブ、 ライツ・イン


企画 :西日本新聞イベントサービス、ぴあ


監修 :山口洋三(オフィスゴンチャロフ)


企画協力:廣田恵介、タルカス(五十嵐浩司)



『ルパン三世 PART2』(1977年)の第155話「さらば愛しきルパンよ」に登場したロボット兵「ラムダ」。(C) TMS
圧倒的な作画力と壮大なるストーリーでアニメファンとロボットファンを沸かせた、90年代リリースのOVA作品『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』。(C)光プロ/ショウゲート
大御所メカニックデザイナー・宮武一貴氏(スタジオぬえ)さんによる巨大絵画。人気スーパーロボットの夢の競演です。(C)永井豪/ダイナミック企画 (C)東北新社 (C)東映

(C)AIC (C)AICライツ (C)スタジオぬえ (C)創通・サンライズ (C)永井豪/ダイナミック企画 (C)東映 (C)光プロダクション/敷島重工 (C)光プロ/ショウゲート (C)1982 BIGWEST


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