美人で毒舌、酒好きなアラフォーの"本当の幸せ"とは?「ヤング≒アダルト」

AOLニュース / 2012年2月17日 15時0分

Filed under: ムービー, 週刊 映画コラム

度合いこそあれ、こういう女って世界中どこにでもいる。美人だけどビッチな独身アラフォー。キャリアウーマン風だがイマイチ陽の目をみない。大酒飲みで犬が友達。彼氏はいないが男には困らない。正直、ちょっとイカれてる。でも、こんなキャラが映画賞にノミネートされることも珍しい。演じたシャーリーズ・セロンは本年度のゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門で主演女優賞にノミネートされた。監督はジェイソン・ライトマン、脚本はディアブロ・コディ。2007年「JUNO/ジュノ」で、アカデミー賞の話題だった旬なコンビだ。いくつかを除き共通項もあるし、そんなしがないキャラを陽のあたる場所にあげてくれて、彼らに「ありがとう」と言いたくなった。
メイビス・ゲイリー(シャーリーズ・セロン)は37歳、バツイチ。自称作家だがゴーストライター。愛犬と一緒の一人暮らしで大酒飲み。ある日、人気が落ちて間もなく終了のシリーズ最終話を執筆中していると、一通のメールが来る。高校時代の彼、バディ・スレイド(パトリック・ウィルソン)と妻からの、赤ちゃんの誕生パーティへの案内だった。都会での生活に空しさを感じた彼女は、自分はまだ魅力的だし、バディを取り戻せると確信し、故郷に戻る。その夜バーで高校の同級生だったマット(パットン・オズワルド)と偶然再会し、泥酔したメイビスはバディとヨリを戻す計画を打ち明ける。翌日、バディと再会。彼は父親になった喜びをメイビスに語るが、なぜか彼女は"バディは不幸"と思い込む。自信満々なメイビスは計画を実行するが...。

話自体もよくある。周りには恵まれていると思われる美人だが自己チューの主人公が、本当の幸せを探そうとする。それは若い頃に一番好きだった優しくマジメな元彼とヨリを戻すこと。が、彼は自分とは間逆の、地味だが母性に溢れた芯の強い女性と結婚し、子供もいる。昔から定番の、若干見飽きた三角関係だ。けれどもこの作品ならではなのが、シャーリーズ・セロンの存在。「モンスター」でアカデミー賞も受賞、超美人で演技派なのは周知の事実だが、大人になりきれない複雑な心境を吐露したり、そこまでやらなくても?と思うぐらいの"醜い"演技も盛り込んで、薄っぺらいキャラになりがちなこの役に重みを持たせている。そしてどこか愛らしい。

他にもこの作品ならではなのが、障害者でオタクという元同級生マットを絡ませてくるところ。同級生に暴行されて体が不自由なマットだけが、歯に衣着せずメイビスに真実を伝える。男に煽てられて生きてきたメイビスは、マットの率直な意見が受け入れられない。が、だんだんと彼に依存。話の展開の鍵を握る登場人物をこんなふうに噛ませるあたり、人間観察に鋭い脚本家と監督ならではだ。
   
現代社会を謳歌しているように思えて、実は悩み多きアラフォー人種。その男性キャラばかりが映画になって興行収入の上位にいたけれど、最近は女性バージョンも増えてきてうれしい限り。こんな痛いキャラをみんな笑うだろうが、ここまでわが道を突き進むメイビスはむしろ潔くて男らしい。(★★★1/2☆)

-アメリカの著名な映画情報・批評まとめサイト「ロッテン・トマト」では:82点

2月25日(土)より TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

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