横山光輝の『三国志』でもしっかり証明 バカは国も会社も滅ぼす

AOLニュース / 2014年3月18日 12時20分

横山光輝の『三国志』でもしっかり証明 バカは国も会社も滅ぼす


「横三(よこさん)」でおなじみ、横山光輝の長編マンガ『三国志』全60巻を少年時代に読んで三国志にハマった、という3、40代男性は多いはず。そんな「横三」が教えてくれるのは、徳に満ちた名将の指導術や、切れ者名軍師の天才的策略......ではありません。「どんな天才が起業した会社も、バカのせいでつぶれる」という、悲しい現実です。


「横三」は、2〜3世紀の中国を舞台に、他に類を見ないほど清廉で徳の高い劉備玄徳(りゅうびげんとく)と、その弟分である関羽と張飛の3人を主人公とした話です。玄徳は次々戦いに勝ち、人々に慕われ、ついに蜀という国を建国します。しかし、これを見てください。

劉備玄徳......45巻で死亡
関羽......42巻で死亡
張飛......43巻で死亡

「横三」は全60巻。つまり主人公が3人とも、物語の4分の3に行き着く前に次々といなくなってしまうのです! じゃあその後どうなるんだといえば、玄徳に仕えた蜀の天才軍師・諸葛亮孔明に主人公ポジションがシフトします。孔明は玄徳の息子・劉禅(りゅうぜん)を王に立てて、事実上自分が国のすべてを仕切り、他国に連戦連勝してどんどん領土を広げていくのです。

ただ不幸なことに、主人公が孔明になってからは、物語前半ほどは蜀に名将軍が登場しなくなります。しかも、人材不足に頭を抱える孔明をよそに、その時期の蜀に襲いかかる困難は、結構トホホなものばかり。組織の腐敗、軍規の乱れ、凡将軍の凡ミスによる敗北、超小物の裏切り、くだらない風評による撹乱......。国は孔明の経営手腕で大きくはなりましたが、大企業病にかかってしまうのです。

さらに最悪なのが王となった劉禅です。父と違ってこいつがとにかくバカ、キングバカ・オブ・三国志。バカのうえに酒と女におぼれていて、猜疑心が強くて臆病。救いようがありません。孔明の死後はバカに磨きがかかり、魏の侵攻に抵抗することなくあっさり降伏します。はい、もうお分かりですね。蜀は天下を取れません。二代目バカ社長のせいで、すべてが台無しになりました。

蜀の孔明と争った隣国・魏の事実上トップ・司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)は、孔明に知略では劣りましたが、国としては勝ちました。理由は、魏が蜀ほど人材不足ではなく、蜀ほどバカがいなかったからです。会社が大きくなってから大切なのは、トップが天才かどうかではなく、中の上くらいの部長クラスの人材をどれだけ多く確保しているか。そして、会社全体の足を引っ張る「すごいバカ」をどれだけ排除できるかということです。

昨今はTwitter等によって、バカが手軽に会社の足を引っ張れるようになりました。先日も、国内大手家電メーカーS社の事業部長がTwitterの匿名アカウントを使って同社の著名OBをノリノリで批判していたところ、逆に実名を晒されて返り討ちに遭い、大怪我を負っています。「横三」の世界でも、バカはたいてい嘲笑の対象となって歴史的に晒されていますので、そういう因果律は1800年間、変わっていないということですね。くわばらくわばら。

(稲田豊史)

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