ケミカル・ブラザーズのエド・シモンズ、最新プロジェクトを語る

AOL ミュージック / 2012年3月14日 16時0分

Filed under: Spinner, インタビュー, ダンス・エレクトロ

昨年のフジロックの模様を収めたケミカル・ブラザーズのコンサート・フィルム『Don't Think』。長年のビジュアル・クリエイター、アダム・スミスは20台のカメラを使い、前衛的なテクニックを駆使した。彼の目標は"バンドの最高のパフォーマンスを見た観客の感情的な高まりを、ファンの目を通して完全にとらえること"だった。

2月1日に1日限定で公開された『Don't Think』。アメリカ国内だけでも200のスクリーンでお披露目されたこの作品について、ケミカル・ブラザーズのメンバーの1人、エド・シモンズに<Spinner>が話を聞いた。

Spinner: 映画のコンセプトはどうやって生まれたんですか?
エド・シモンズ: アダムとトム(・ローランズ)はずっと、コンサート・フィルムを作りたがっていた。俺たち自身のため、そして、自分たちがやってきて、誇りに思っているステージの記録のためにね。頂点を極めていると感じたから、俺は「そうだね、やろう」って言ったんだ。実は俺はカメラが大嫌いでね。ショーを見るのにお金を払ってくれた観客との間の妨げになる気がするんだ。俺は、音楽の本当の鼓動やベースの力強さ、色やビジュアルの鮮やかさ、そして全体の雰囲気を本当につかむ方法はないと思っていた。だけどアダムは、観客の中にいるような感じでこれをつかむのに成功したってわけさ。

映画で自分のショーを見るのは、どんな感じですか?
(映画は)大勢の人と一緒に見たんだ。ただ勢いに乗って踊るって感じじゃなくて、もっと感情が込められたものだった。楽しんで見られたし、元気もわいた。昨年は80くらいのステージをこなしたのかな。本当に楽しかったよ。最後には本当に疲れ果てたオーディエンスを目にした。「ああ、とにかくお腹いっぱいだった。楽しかったけど、別世界に連れて行かれた感じだな」ってね。ステージにいては見えないことを目の当たりにした。観客の感情的な反応を実際に見たのは、かなり特別な経験だったね。

ケミカル・ブラザーズ「Swoon」

世界中でパフォーマンスするという経験は、どう変わりましたか。例えば、エレクトロニカの全盛期だった1997年以降は?
当時はかなり荒削りなステージをやっていて、もしかしたらかなり激しいものだったかもしれない。非常に情熱的だったね。ビジュアル的にもハッキリとしていて、それは観客も同じだった。アメリカでの活動初期に、オーランドで演奏したことがある。観客はかなり熱狂的で、最高のステージだったよ。アメリカでの主要なステージは、コーチェラ・フェスかな。とにかく観客が素晴らしかった。人々は皆、夢中になっていたんだ。ヨーロッパではあまりこういった形で演奏する機会がない。経済的な理由もあるんだろうけど。スペインには俺たちの音楽に合うカーニバルの雰囲気があったな。(ヨーロッパとアメリカの)違いを挙げるのは難しい。自分がステージに立つと、そこには心から楽しんでいる観客の群れが見えるんだ。それは世界共通だよ。

2011年のサスペンス・アクション『ハンナ』で音楽を担当したのは、どういった経緯からですか? 今後も映画音楽を手掛けようと思っていますか?
是非そうしたいと思っているよ。ここ何年かで、いくつかのオファーが来ていたけれど、俺たちはケミカル・ブラザーズのアルバムを作ったり、ツアーに出るのに夢中だった。(『ハンナ』の監督)ジョー・ライトは俺たちと旧知の仲なんだ。彼が俺たちに脚本を渡して、俺たちはじっくりと全体の音楽を手掛けるという、何か完全に違ったことをやるのはクールじゃないかって思ったのさ。別の目的がある音楽を作るのには、かなりの解放感があった。いろいろと実験できたし、やりがいのある取り組みだった。ジョーは友人だったから、俺たちのやることに辛抱強くいてくれたんだ。(映画音楽は)是非またやりたいと思っているよ。脚本を気に入ったのは思いがけなかったね。俺たちにとって良かったのは、主人公のハンナが前に進む人間だったってことかな。それと舞台がヨーロッパだったってこともね。暗闇があり、次に光が差し込む。俺たちが興味を持つこういった要素が、自分たちの映画音楽に含まれている。またこういった経験ができればいいなと思っているよ。サントラをやるっていうのが目的になっちゃダメなんだ。俺たちにとってしっくりくることが必要さ。

『Don't Think』が公開された今、次は何をやろうと思っていますか?
今年はDJとして活動している。アメリカに行って、大規模なレイブイベントでDJをやりたいんだ。まだ誰からもオファーはないけれどね。6月には日本にも行くよ。ロンドン五輪の音楽にも取りかかっているんだ。そしてこれらはいつか、新たなケミカルの作品になるだろうね。

『Don't Think』トレイラ―映像(YouTube)

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