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演歌の名盤BEST100(3)山本譲二が明かす「みちのくひとり旅」秘話

アサ芸プラス / 2013年1月16日 10時0分

 本誌アンケートで6位に入った「みちのくひとり旅」(以下みちのく)といえば、山本譲二の代表作にしてミリオンセラーの定番曲だ。「男の世界」を歌わせたら天下一品のジョージ兄ぃにその“秘密”を明かしてもらった。

──本誌の1000人アンケートで、「みちのくひとり旅」が6位に選ばれましたがいかがですか?

「とてもたくさんの曲がある中でこの曲が選ばれて、とてもうれしい。俺がデビューして、初めてヒットした曲ですから喜びもひとしおだね」

──振り返れば、師匠である北島三郎氏との出会いが大きかった?

「俺がオヤジに弟子入りしたのは26歳の時。24歳の時にデビューしてレコードも数枚出していたけどさっぱりだった。アポなしで新宿コマ劇場の楽屋裏まで会いに行って、10日間通ってやっと付き人にしてもらえた」

──北島氏の付き人として下積み時代が続き、2年後、正式に(北島氏の)事務所に所属するもレコードは2枚続けて不発。そして背水の陣でリリースしたのが「みちのく」(80年8月リリース)でしたね。

「オヤジに『これが売れなかったら、もう歌は辞めろ』とハッパをかけられた。もうあとはないと思った」

──どのあたりから、売れると確信しましたか?

「当初、全国をキャンペーンで回った時は、売れている手応えはなかった。けど、翌81年6月に『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)に出たあと、キャンペーン先の福岡でタクシーを降りたら、俺の周りがもうすごい人だかりで、どうしたんだろう思ったら、みんな俺を待っていた。このあたりから手応えを感じるようになったね」

──81年に「NHK紅白歌合戦」に初出場。その時にうれしいサプライズがあったとか?

「オヤジから1000万円の小遣いをいただいて、それを持って故郷に帰り、おふくろに渡したら、肩を震わせ泣いてね。『もっともっといい思いをさせるから』と言ったのを覚えている。親孝行って気持ちがいいものだって、しみじみ思ったよ」

──カラオケで歌うサラリーマンも多い「みちのく」ですが、歌い方のコツってありますか?

「『ここで一緒に死ねたらいいと~』は唯一女性の歌詞だから、優しく歌うこと。『すがる涙の~』から自分に戻り、男らしく歌うのがポイントだね」

──お勧めの演歌の曲といえば、やはり師匠の曲ですか?

「オヤジの『兄弟仁義』と『風雪ながれ旅』。俺は北島のオヤジに育てられここまで来れた。今の自分があるのは北島のオヤジのおかげだから」

──“オヤジ”と呼び、敬愛してやまない北島氏について、忘れられぬ思い出があるとか?

「ある日、『山本、靴がずいぶん汚れているな。それは捨てて俺のを履いて帰れよ』と言われ、断れずオヤジの靴を履いて帰った。そうしたら靴が小さくて駅まで行く途中から足が痛くて痛くて‥‥。靴を脱いで靴下だけで電車に乗って帰った。次の日もオヤジの靴を履いて行ったらニヤニヤしながら『それ小さいだろ』って、昨日『捨てておくぞ』と言った靴を出してくれた。そういう小さなイタズラがオヤジは好きなんだよね(笑)」

──演歌の世界が日本人の心に深く刻まれている一方で、“演歌離れ”と言われる現状についてはどう思いますか?

「俺たちは、先人から歌う場所を与えられた。しかし昨今は歌う場所も少なくなっている。本当は自分たちがもっと歌う環境をよくして次の世代に渡さなければいけないのに、それができず申し訳なく思う。でも今を懸命に生きるしかない、懸命に歌うことしかないと思っています」

 まさに、発せられる言葉の一つ一つが演歌の心そのもの。そこに人生全てを捧げた山本の心意気が感じられるのだ。

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