上原浩治「ワールドシリーズに導いたメジャー版“雑草魂”」

アサ芸プラス / 2013年11月1日 9時59分

 ア・リーグ優勝決定シリーズでMVPに輝く活躍を見せ、チームをワールドシリーズに導いた。ついにメジャーで華々しい成功を収めたレッドソックス・上原浩治(38)だが、「雑草魂」はいつまでも忘れていない。

 今季の上原は73試合に登板し、4勝1敗21S、防御率1.09、101奪三振という好成績を残した。6月半ばからは守護神に君臨し、連続打者アウト「37」、連続試合無失点「27」と記録を伸ばしていった。

 現地ジャーナリストが解説する。

「現在の上原はストレートとスプリット以外はほとんど投げていません。それだけその2つの球種に自信があるんです。イニングごとに確認して『あのバッターはこの高さだったら‥‥』という、数センチレベルで投げ分けるコントロールがそれを可能にしている。しかも、ストレートもツーシームで変化し、スプリットも動く。スピードは140~142キロ程度ですが、本人はもっと向上できると努力を続け、『年齢は関係ない。まっすぐは進化できる。まだピークじゃない』と話しています」

 たとえ打たれても「絶対、仕返したる」と、負けん気が強いという。さすがは、大学野球に身を投じる前には浪人生活まで経験した「雑草魂」の持ち主である。巨人時代から勝負に対するプロ意識は高かった。

 プロ入り1年目の99年には、ヤクルト・ペタジーニへの敬遠指令に対し、悔しさのあまりマウンドで涙を浮かべるばかりか、マウンドの土を蹴り上げた。一歩間違えれば、首脳陣批判である。

「プロ意識が高すぎるという部分で、上原は巨人で浮いていたかもしれませんね。打たれて降板すれば、日本のやり方ではそのあと、ベンチで試合を見守るのが普通でしょう。ところが、彼は『体のケアがある』と言っては、トレーナーに体を見てもらうため、ベンチに戻らなかった。チーム内の一部からは『何だ、あいつ』との声も出ていましたが、上原の“美学”は一貫していました」(元チーム関係者)

 それは「メジャー挑戦」という明確な進路目標があったからだろう。

「98年に逆指名で巨人に入団しましたが、本人はメジャーとの間でかなり揺れていたようです。実は逆指名会見が終わった直後、一部の記者に『逆指名って、撤回できるんですかね?』なんてこぼしていたほどですから。とはいえ、何年たっても、巨人ではポスティングでのメジャー挑戦が認められませんでした。上原は、『俺には“巨人愛”なんてこれっぽっちもない!』と親しい人には話していた」(球界関係者)

 08年ついに海外FA権を取得した上原は、オリオールズに入団。翌09年メジャーデビューを果たしたが、11年途中に移籍したレンジャーズではポストシーズンで3戦連続本塁打という屈辱を味わうなど、振るわなかった。

 しかし今季、レッドソックスに移籍し、みごとワールドシリーズ進出を果たした活躍ぶりは、「雑草魂」そのものと言えよう。

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