福島自治体職員が被災地のタブーを暴露(1)「風評被害で企業が県外に出ていってしまう」

アサ芸プラス / 2014年3月4日 9時56分

 東日本大震災から、まもなく丸3年。被災地の各県では、いまだに新聞・テレビが報じきれないさまざまな問題が山積しているが、中でも福島県の悩みは原発被災地でもあるだけに複雑だ。福島県下の複数の自治体職員に、住民には伝わらない「タブー実態」を“守秘義務無用”で語り尽くしてもらった。

県北部のA市職員(52)=以下、A= 除染区域とひとくくりに言うけど、汚染度が高く、国が直轄で行う「除染特別地域」と市町村が担当する「除染実施区域」の2つがある。その費用たるや、5兆円とも言われている。

県南部のB町職員(41)=以下B= 「日本最大の公共工事」と言われるゆえんだね。

県中部のC町職員(48)=以下C= それらの区域では線量を年間1ミリシーベルト以下に下げると言っているけど、せっかく土砂を取り除いても一雨来ると、積んでいる土砂からセシウムが流れ出して元のもくあみ。近くに森があったりすると、そこから多くのセシウムが流れ出るから、なおさらそうなるよね。

A あれは、汚染された土砂を取ったら近くに積んでシートをかけておくのではなく、しかるべきところに中間貯蔵施設を造ってそちらに保管すべきなんだ。そうしないから、やっても意味がないと批判される。

C いや、意味がないことはないでしょ。あれは実は、立派な「失業者対策」なんですよ。

B 実際、福島県内から有力企業がどんどん逃げ出しているもんね。

A スポーツ用品販売の大手である「ゼビオ」も本社を郡山市から県外に移す計画があるらしいね。私の聞いた話では郡山市では、あそこから40億円程度の税収があるらしい。あの会社に逃げられたら、相当痛いそうだ。

C でも、しかたないでしょ。風評被害が今も相当根強いからね。

B スポーツ用品はともかく、食べ物に関連する商品は消費者の不安に直結する。食品トレーを製造するさる企業は工場を田村市から埼玉や岡山に移転したらしい。取り引きのあるコンビニやスーパーから不安の声が出たというから。

C 田村市は市役所前の放射線量は毎時0.14マイクロシーベルトだけど、一部が警戒区域に指定されたし。

B 工場がなくなると、失業者が出る。ま、言ってみれば、彼らを「除染」という仕事が引き受けているってことか。

A しかし、いくら失業者対策といっても、中間貯蔵施設がなければ、どれだけ除染をやっても県内はきれいにならない。まさか、これでいいっていうわけでもないしね。

 ちなみに中間貯蔵施設で想定している廃棄物は、原発事故の除染作業に伴って出てきたものが対象で、原子力発電所から出てくる「核のゴミ」とは別のもの。中間貯蔵施設は放射能汚染のレベルで放射能が1キログラム当たり「8000ベクレル以下」のものと「8000ベクレル超、10万ベクレル以下」「10万ベクレル以上」の3種類がある。10万ベクレル以上のものについては基本的に土に埋めて貯蔵を行う計画だ。双葉郡の大熊、双葉、楢葉の3町に候補地があり、今年中に着工の運びだというが‥‥。

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