掛布雅之 今年も勃発した統一級問題にひと言

アサ芸プラス / 2014年5月1日 9時57分

 残念な不祥事が起きました。今季使用されている統一球の飛びやすさを示す反発係数が、アグリーメントで定める数値を超えていたことが発覚しました。つまり、開幕からルールに適合しない「飛びすぎる」違反球で試合が行われていたのです。

 ボールを製造するミズノ社が15日に謝罪会見を開きましたが、ミズノ社だけに責任を押しつけていい問題でしょうか。品質管理の厳重なチェック機能が働いていれば、事前に防げていたはずです。昨年もボールの仕様変更を隠蔽し、世間を騒がせてしまっています。これは球界全体で反省すべき問題で、NPBのトップである熊崎コミッショナーも、生活をかけて戦っている現場の選手、そしてファンにきっちり謝罪するべきでしょう。適合品が納入されるのを待たず、違反球を使い続けるというのは異常事態です。

 野球に詳しくない人からすると、何を大騒ぎしているのかわからないかもしれません。6球場から抽出したボールの平均反発係数は0.426でした。数字だけ見ると、規定の上限0.4234をわずか0.0026上回っただけなのです。ところが、そのほんのわずかな反発係数の差が、本塁打数で比較すると一目瞭然。開幕10試合を消化時点の総本塁打数は、昨季の78本から95本に増えました。飛距離だけではなく、打球も速くなるので安打も増えます。開幕直後から乱打戦が多くなったのもボールの影響でした。

 今回の統一球問題は、ある意味でプロ野球がミクロの厳しい戦いであることを証明しています。ボールの品質が少し変わっただけで、まったく違う野球になってしまうのです。

アサ芸プラス

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