田母神俊雄・元航空幕僚長が「進撃の中国」を殲滅激白!(2)“竹島問題”と同じ轍を踏むな

アサ芸プラス / 2014年6月10日 9時56分

 かつて、日本は領土問題で苦い経験がある。現在も韓国が実効支配している「竹島問題」だ。韓国は、52年に「李承晩ライン」を一方的に宣言し、竹島の領有権を主張。しかし、その後も不測の事態を恐れた日本政府は、竹島への監視を怠ったことが韓国の実効支配を許すことになった。

「竹島が韓国に実効支配されるようになったのは、不測の事態が起きることを恐れた日本政府が自衛隊に竹島に近づかないよう指示を出したからです。李承晩ラインが宣言された昭和27年から、昭和50年くらいまでは自衛隊の戦闘機は竹島周辺を日常的に飛んでいました。海自の護衛艦も毎週竹島周辺を遊弋(ゆうよく)していたのです。あれをあのまま続けていれば韓国は日本が戦う気があると思って軍事施設を造ったりはできなかったでしょう。

 尖閣問題も同様です。日本政府が今のような大人の対応、冷静な対応を続けるかぎり、中国の行動はエスカレートするだけです。中国にとっていちばん困るのは、日本政府が防衛出動を発令して自衛隊を行動させることです。自衛隊が戦っていいということになれば、現在の中国軍の実力では、尖閣諸島を奪い取ることはできません」

 実は、今回の異常接近には伏線があった。昨年11月、中国政府は今回の異常接近の海域である東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したと発表。当時、中国は「防空識別圏に入る旅客機は中国当局に飛行計画を提出せよ。不審機には防衛的な緊急措置を講じる」としていたが、それが現実のものとなったのだった。田母神氏が続ける。

「防空識別圏とは、外国戦闘機などの領空無断侵入を許さないために、領空の外側の公海上などに設定されるものです。通常、戦闘機は10分で150キロほど進むため、領空侵犯防止の際には早めの対応が必要となります。そのため領空の外側に広い範囲で設定されますが、それはあくまでも自国の空軍に向けた国内規定です。あの時、中国は防空識別圏の設定で国際社会から非難されました。当時、日本の航空会社が中国に飛行計画を提出しようとしましたが、政府の指導により提出を中止しています。当然です。防空識別圏は領空ではないので、自国の防空識別圏を通過する航空機に報告の義務など課すことはできず、行動の制約もできません」

 まさに、日本政府の曖昧な態度が、今回の急接近を引き起こしたと言えるのだ。

アサ芸プラス

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