「集団的自衛権」行使容認で日本人傭兵が“戦地の真実”を警告(1)紛争地の情勢は日ごとに変化

アサ芸プラス / 2014年7月9日 9時56分

 自衛隊員が危険な戦場で戦闘に参加する──。「戦争反対」を訴える、ごく一般的な日本人には違和感が残る憲法解釈の変更が行われようとしているのだ。そんな中、戦地を知り尽くした日本人傭兵が、隊員たちの身に待ち受ける「現実」を語った。

「日本もやっとまともな国になったということですよ。軍隊を持ちながら、交戦に必要以上の政治的縛りがあるというのがおかしいんだから」

「集団的自衛権」行使容認を目前に、こうきっぱりと言い切ったのは、元フランス外人部隊の戦闘工兵部隊に所属していた鈴木健二氏(50)=仮名=である。

 まず集団的自衛権とは、同盟国あるいは活動を共にする軍隊などが攻撃を受けた時に、自分たちが攻撃を受けていなくとも共に反撃を行う権利をいう。国連憲章にも定められ、全ての国に認められた権利だが、日本は戦争放棄を定めた憲法9条に関する内閣法制局解釈で「権利は有するが、行使はできない」という立場を堅持してきた。

「これを変えるには憲法改正か憲法解釈を変更する必要がありますが、安倍政権は武力行使に慎重な公明党に配慮しつつも手っとり早い憲法解釈変更で話を進めた。結果、7月1日にも集団的自衛権行使の限定容認が閣議決定されようとしているのです」(政治部記者)

 実際に集団的自衛権行使が容認されれば、戦地で戦闘に参加しないことが前提だったはずの自衛隊員たちの運命は大きく変わるだろう──。昨今は国連PKOなどで、自衛隊員の海外派遣も多くなってきたが、鈴木氏は海外の紛争地をはるかに経験してきた。本題に入る前に、鈴木氏の経歴に触れておきたい。

 鈴木氏は今から四半世紀前に渡仏し、フランス外人部隊に入隊。基礎教育訓練後に戦闘工兵部隊所属となり、不発弾処理などの任務のため、湾岸戦争直後のサウジアラビア、クウェート、イラク、さらにアフリカのジブチ、ソマリアなどの危険地帯に派遣された傭兵だったのである(フランス外人部隊の兵士は国籍が違ってもフランスの法律上、フランス正規部隊のため、厳密には「傭兵」ではない)。

 対照的なこれまでの自衛隊の活動について、軍事ジャーナリストが解説する。

「国連PKOなどの国際軍事活動では、同じように派遣されてきた他国の軍隊と連携して活動することが求められます。が、自衛隊は、集団的自衛権が行使できないため、派遣国で共同活動中の他国軍が突如攻撃を受けても一緒に相手を撃退することができなかった」

 このため派遣に際しても「非戦闘地域」という比較的安定的な地域での活動にこだわり続けてきたのだ。

 そんな中途半端な状況に鈴木氏は声を上げ、こう糾弾するのだ。

「そもそも紛争地は情勢が日ごとに変化する。ひどい場合には1時間単位で様相が一変することもある。その意味で、これまでの自衛隊派遣の考え方はナンセンスだった」

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