南相馬市長 桜井勝延が「原発事故1年」を全激白(4)命と生活を支えた物瓦礫じゃないんだ!

アサ芸プラス / 2012年3月16日 10時58分

 震災以降、南相馬を訪れた政治家は多い。被災地のために尽くしてくれた人物、予想外の反応をした者─。
 政治にはメッセージ力が必要なんだよ。今の民主党にそれがありますか? 復興も進んでないのに増税、TPP、あげくに八ッ場ダムだよ。こんなことが続くと、被災地は自分たちだけが置いていかれてるっていう感情しかなくなるよ。たぶん、「民主党ではダメだな」って判断することにもなる。東北を元気づけられれば政権だって長続きする。そういうシナリオを書ける政治家がいないのかね。
 桜井市長は独自に南相馬復興の構想を練る。最大の課題は、除染だ。
 放射線をできるだけ身近なところで可視化できるようにするってことが必要なんだ。もう少し日常が戻ってきた時に、感覚として、この程度ならって思える時が来れば、あらためてこの街にちゃんと住んでみようって気持ちも出てくるんじゃないかな。今はまだ過剰に怖がる人が多いね。年間1ミリシーベルト以下に下げることが目標だって言っても、 「何言ってんの、そんな危険なところに帰れるか!」って、どなり散らす人もいるし、「除染なんかいいから代わりに金くれ」って言う人もいるんだよ。先祖代々受け継がれてきたふるさととか、歴史、文化を失うってことがどういうことか考えないと。今の自分たちの悲劇のことだけしか考えられなくなってるのもよくわかる。でも、あと10年、15年たった時に後悔すると思うな。
 今の浜通り側は、かなり線量も落ち着いてきてる。20キロ圏とかの同心円で十把ひとからげにされてるけど、区域外の山側に入った高倉あたりは2・5マイクロシーベルトぐらいでも、区域内の海側の小高区なんかは0・25程度。原発からの距離でいまだに線引きされてるのって、意味があるのかなあ。
 線量に関しては、先日もある市民団体が市内で108万ベクレルの汚染土壌を見つけたと主張するなど、市の思惑と合わない面もある。そのためか、市長の主張を快く思わないグループがデマを流すことがある。
“桜井は東京電力から賠償で3億もらって、借金返して北海道に土地買って、1億円の豪邸建てて若い女をはべらせてるんだ”ってさ(苦笑)。何で俺が逃げるんだ。検証すれば簡単にわかる話。まともに取り合うつもりはないけどね。
 目下、目指すのは、街の復興と、犠牲となった人々の鎮魂だ。
 南相馬の受けた悲劇をしっかりと受け継いでいくことなんだよ。犠牲になった人たちの命を、彼らの死が決してムダじゃなかったんだってことを後世に伝えていかなきゃならないんだ。
 それで考えているのが、防潮林の建設なんだよ。彼らが住んでた家とか彼らが暮らしていたものとかを資材にしてさ。環境省にも言ってるんだけど「瓦礫」って言うのは嫌なんだよ。3月11日の3時頃までは、そこに家としてあって、生活を支える家財として存在してて、そこには命があって、命が宿ってて、それがたまたま自然災害でやられたってことなんだから。
 命を失った人たちだって、残された家族や地域をこれからも守っていきたいって気持ちは絶対ある。そういう思いを、命を失わずに済んだ我々がしっかりと受け止めることが大切だよ。その防潮林によって、この街の命はつながっていく。霞が関の人間に見せつけたいんだ。南相馬を動かしていくのは、こういう生きざまなんだぜってことを。

アサ芸プラス

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