東電本店「150時間映像」が語る重大新事実!TV・新聞が伝えない3・11緊迫事態の全貌 後編(1)

アサ芸プラス / 2012年9月11日 10時59分

 国家の存亡を左右する人類史上最大級の原子力災害となった東電福島第一原発事故。公開された150時間余りの東電テレビ会議の内容は、薄氷を踏むような事故対応を含め、東電首脳陣の役人体質、官邸や保安院の右往左往ぶりまでをみごとにさらけ出した。原発事故初動の緊迫の状況をえぐる!

政府は3号機の異常を隠蔽した

 東電が公開した福島第一原発事故時のテレビ会議システムの映像。その中でのやり取りについて前回は3号機の状態が悪化し、作業員が一時退避する様子までを伝えた。

 3月14日、同原発3号機の格納容器の圧力が午前6時の400キロパスカルから同55分には530キロパスカルまで、わずか1時間で急上昇した。実は3号機格納容器の最高使用圧力は425キロパスカルで、本来、原子炉にとってあってはならない事態となっていたのだ。この結果、東電は現場から作業員を一時退避させた。東電側は格納容器圧力異常上昇を原子力災害対策特別措置法第15条にある緊急事態判断基準に該当するとして国、地方自治体へ報告し、これを記者発表しようとする。しかし、ここで待ったがかかるのだ。テレビ会議映像には次のようなやり取りがなされる。

福島第一原発(以下1F)広報班 今、あの、3号の原子炉格納容器圧力異常上昇ということで、15条のプレス文を用意しておりますが、国からあの、マスコミを止めているということでプレス発表を行わずに待っている状態でございます。えっと、一方で福島県のほうから9時から関係部長会議をマスコミオープンで行いたいと、それなので、9時までにこのプレスを行うように依頼をされております。調整をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。

 格納容器圧力異常上昇について、国側が発表を拒み、福島県側は発表を促し、東電がその板挟みになっているという状況だ。東電側は調整に走るものの最終的には原子力安全・保安院(NISA)に発表を思いとどまるよう押し切られる。

本店 すいません。先ほどのプレスに関する情報です。今、窓口のほうで保安院NISAの方に確認していただきましたら、絶対にダメだというのがNISAの見解で、このプレスは行うなという強い要請、指示だそうです。

 こともあろうに、国民の生命と安全を左右する異常事態が起きていることを、国側が隠蔽するというあってはならないことが、この時、進行していたことになる。

 しかし、この事実は14日の午前9時前後にNHKがスクープする。東電側は午前10時頃にようやくプレスリリースを用意する。

 そしてこの約1時間後、3号機は水素爆発に至る。

1F・吉田昌郎所長 本店、本店、大変、大変です。3号機、たぶん水蒸気だと思う、爆発が今起こりました。11時1分です。

 ついに懸念されていた重大事態の発生で、東電側は再びプレスリリース作成に追われる。その時の本店でのやり取りも記録されている

本店・高橋明男フェロー 要はさ、1号機を3号機に変えただけだってんでしょ?

 それで、水素爆発かどうかわかんないけど保安院が水素爆発と言っているから、もういいんじゃないの、この水素爆発で。

 高橋フェローが冒頭で言ったのは、すでに水素爆発を起こした1号機の発表時の内容を3号機に置き換えればいいという意味だ。しかも、事態の正確な伝達は問わないとでも言わんばかりの口調だ。清水社長もこれを追認する。

清水社長 はい。いいです。これでいいから。スピード勝負。

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