緊急大特集 日中「尖閣全面戦争」完全シミュレーション(4) 「海戦では圧勝するが、沖縄が日本から分離していく」「中国の日本2分割統治計画を絶対阻止せよ!」

アサ芸プラス / 2012年10月5日 10時58分

佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

「海戦では圧勝するが、沖縄が日本から分離していく」

 本誌連載「ニッポン有事!」でおなじみの佐藤優氏は、「尖閣を巡る最悪シナリオ」について、特別手記を寄せてくれた。

 尖閣諸島をめぐる日中間の最悪シナリオは、武力衝突後における日本の国際的孤立と沖縄の分離傾向の加速化だ。

 尖閣諸島周辺の日本領海に中国の漁業監視船などの政府船舶が侵入を繰り返すと、いずれ激しい衝突が起き、軍艦が出動してくることになる。尖閣沖海戦が起きれば、装備も古く乗員の訓練も高くない中国のおんぼろ艦隊に対して、わが海上自衛隊は圧勝する。中国の地上部隊が魚釣島を強襲した場合、本格的な局地戦争になるが、最終的にはわが自衛隊が中国軍を放逐できると思う。

 尖閣で敗北した中国軍が、報復で沖縄の嘉手納基地や東京・市ヶ谷の防衛省をミサイル攻撃し、日中全面戦争に発展する可能性はない。日中全面戦争になれば、日米安保条約が発動し、米中戦争に発展するからだ。そうなれば壊滅的打撃を受けることを中国指導部は認識している。

 尖閣沖海戦で勝利した後、心配しなくてはならないのは、国際的な対日警戒感が急速に強まることだ。日本国憲法9条は、軍隊の不保持と交戦権に否認を明示している。もっとも自衛権は、国家の自然権である。尖閣諸島は日本が実効支配している日本の領土だ。尖閣諸島が攻撃されれば、日本が自衛権を行使して反撃するのは当然のことである。しかし国際社会は、日本が係争問題を憲法を無視して武力で解決したと見る。そしてアジア諸国は「平和国家の仮面の下で、日本は牙を磨き、爪を研いでいた。そして、自国の利益を軍事力で解決するという新たな選択をした」と警戒感を強める。

 また、日本の自衛隊が実際に行うことを想定して、戦時国際法を研究しているとは思えない。尖閣沖海戦では、必ず戦時国際法違反の疑いがある事案が生じる。それを中国は最大限に活用し、国際的に反日キャンペーンを展開するであろう。日本は戦闘に勝利しても、その後の国際世論争奪戦で守勢に立たされると筆者は見ている。

 国内的には、一部に反戦、平和の声が上がるだろうが、尖閣沖海戦に勝利すれば「よくやった自衛隊」という喝采が圧倒的に強くなる。それと同時に、「尖閣戦争で米軍は日本の側に立って戦わなかった。日米安保は役に立たない」という認識が強まり、自主国防論、核武装論が論壇で無視できない影響力を持つようになる。その結果、国際社会の一部に「日本封じ込め」論が台頭する。

 このような状況で沖縄の日本政府に対する不信感が極点に達する。そもそも尖閣諸島は沖縄県に属するにもかかわらず、尖閣諸島の購入をめぐり東京都と国の諍いが沖縄を戦争に巻き込んだからだ。在沖米軍が中国に対する抑止力になっているならば、そもそも中国は尖閣諸島周辺で手出しできないはずだ。

 しかし、米国は中国に対して「金持ち喧嘩せず」の姿勢で望んでいる。日本政府の姿勢は沖縄に米軍基地の過重負担のみならず戦争を押しつけることに他ならない。平和を維持するために日本からの分離を考える沖縄の政治エリートが出てくる。

 

黄文雄(評論家)

「中国の日本2分割統治計画を絶対阻止せよ!」

「2050年極東マップ」という地図をご存じでしょうか。10年ほど前に中国外務省から流出したと言われるこの地図を見ると、朝鮮半島は「朝鮮省」、日本は名古屋辺りを境に分断され「東海省」と「日本自治区」になっています。

 日本は出生率の低下で人口がどんどん減っていく。少数民族となった日本人を東日本に強制移住させ日本自治区に、中国人を西日本に移住させ東海省にする計画のようです。

 外交の専門家や中国研究者の間では真偽が問われている代物ですし、現実的に日本や韓国がこの地図どおりに「解放」されるとも思えません。

 しかしながら「勝てば全て自分のもの」というのが中国の基本的な発想。何しろ「アメリカ大陸は2万年前に中国人が発見したから、いずれは中国が回収する。回収後は中国人を大量に移民させて第2の中国を作る」という発言が指導部の中から出てくる国なのです。

 日本に関して、今は不当に占領されているから、いずれ解放するともくろんでも何の不思議もありません。

 ただ、矛盾するようですが、中国政府が今すぐ日本と戦争したがっているかといえば、明らかに「ノー」です。

 確かに、軍事予算は2桁増加が続いています。しかし、大部分は核開発とミサイルに費やされ、日本との戦いで重要となる海軍にはあまりカネが回っていません。アメリカ国防省筋も日本優位と見ています。さらに中国には、GDPの鈍化というもう一つの弱点がある。経済成長は2017年がピークと予想されており、そうなれば、これまでのような軍拡路線も難しくなってくる。このことは中国政府自身がいちばんわかっています。

 武力衝突を避けたいはずの中国が、日本に対して強硬な態度を取り続けられる理由は、日本の外交的無策に尽きます。

 長期的には憲法改正や核武装をするべきというのが私の持論ですが、今すぐ可能な外交努力はいくらでもあります。

 例えば、現在の日本の大学はアジアのリーダーを育てる役割を果たせていない。アメリカのハーバード大学のように、将来のアジアのリーダーを日本の大学が育てていけば、自国の軍事力強化と同じような意味を持ちます。

 しっかりした諜報機関を作ることも重要です。中国に関する情報収集だけでなく、アメリカが究極的に日中関係をどう考えているのかを把握したうえで外交のテーブルに着かなければ、中国に一方的にやられるだけです。

「2050年極東マップ」が、中国の武力によって実現することは、ないと言っていいでしょう。しかし、日本が今のまま危機感を持たずにいれば、外交によって占領される可能性は否定できないのです。

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