秋津壽男“どっち?”の健康学「悪い食べ合わせで体が不調になることも。体が一番よく働く食べ合わせとは?」

アサ芸プラス / 2017年8月28日 5時55分

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 読者の皆さんは夏バテしていないでしょうか。今は大丈夫でも、お盆を過ぎると蓄積した疲労が出てくる時期でもあります。冷たい飲み物の飲みすぎや冷房の効きすぎなどに注意して、日々、体に優しい生活をしたいところです。

 今の時期に注意したいのが「食べ合わせ」です。「すいかと天ぷら」「うなぎと梅干し」など、昔から「相性の悪い食べ合わせに注意しなさい」と言われてきましたが、この両者、どちらが悪い食べ合わせでしょうか。

 食べ合わせは、一緒に食べることで健康を害したり、食材それぞれのうまみや栄養素を打ち消したりしてしまうなどの特徴があり、「よくない食べ合わせ」の代表例が「すいかと天ぷら」です。

 胃に入った食べ物は「酵素」によって消化されますが、消化酵素が活性化するのは36度から37度だと言われています。つまり、体内の油を分解させる適温は36~37度=体温となるのです。

 一方、細菌の消化酵素も同じ36~37度で働きます。例えば肉類を夏の室内で放っておくと、あっという間に腐ります。5度の冷蔵庫で保管すると1週間、マイナス5度の冷凍庫だと1カ月傷まないのは、細菌がついていても酵素が活性化せず、細菌を活動させないからです。

 また、油がついた食器を洗う際、お湯で洗うと水より何倍もよく落ちますが、これも同じ理屈です。

 こうした原則を踏まえれば、油ものをとったあとに冷たいものを飲むと、胃の内部の温度が下がることで脂質は消化しにくくなり、胃もたれや胃痛を引き起こします。

 したがって、油ものと冷たいものの食べ合わせは相性が悪いのです。

「すいかと天ぷら」のみならず、揚げ物+アイスクリームなどの氷菓子なども「悪い食べ合わせ」です。天ぷらを食べる時はビールではなく、熱燗が体に優しい組み合わせなのです。

 一方の「うなぎと梅干し」は、医学的には悪い食べ合わせではありません。塩分とカリウムを含む梅干しは夏バテ防止に最適です。うなぎの脂っこさを梅干しのさわやかさが消してくれる効果すらあり、食欲増進につながります。

 昔から「うなぎと梅干し」が悪い食べ合わせと言われるのは、食欲が増して食べすぎてしまうためかもしれません。また、ともに「う」で始まるなどゴロ合わせから言われている説もあります。

「油もの+冷たいもの」の他に相性の悪い食べ合わせが「トマトやレモン、いちごなどビタミンCの多い野菜・果物」と「きゅうり」です。きゅうりにはビタミンCを破壊する「アスコルビナーゼ」という酵素があるため、野菜サラダにはきゅうりを入れないほうがいいのです。しかし酢を加えるとアスコルビナーゼの働きを抑えるので、きゅうりの入った野菜サラダが出てきたら酢入りのドレッシングをかけるとよいでしょう。

 このほか、よくない食べ合わせが「ドリアンとビール」です。東南アジア産で強い甘みとビタミンB1などの栄養が豊富なドリアンにビールが加わると、ドリアンの発酵成分とビールの酵母が合わさり、胃の中で発酵し、ガスが発生しやすくなります。「胃が破裂して死ぬ」というのは都市伝説ですが、体調不良を起こす可能性は十分にあります。また、ビールやコーラのような炭酸飲料は、無理をせず間隔を開けてゲップをしながら飲むのが正しく、調子に乗っての一気飲みは胃を張らせるので、医学的にはNGです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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