流行再来「昭和歌謡」の火付け役は江木俊夫

アサ芸プラス / 2012年10月23日 10時54分

 テレビをつければ、昭和歌謡の特番が頻繁に放送されている昨今。この需要、ムーブメントの発信元は各地のコンサートやライブ会場などの「生の現場」が中心となっている。その「仕掛け人」たちが、ブームの内幕を激白する。

「大物17人が集結し往年のヒット曲を歌います」

 ここ数年、「同窓会コンサート」なるものが日本全国で開かれている。チェリッシュや麻丘めぐみら昭和時代のポップスや歌謡曲のスター17人が出演し、往年のヒット曲で盛り上がるのだ。同コンサートを制作する三貴エージェンシー・小川茂雄代表が語る。

「江木俊夫さん(フォーリーブス)がナビゲーターを務める今の形になったのは、09年からですね。その前は、故・玉置宏さんに司会に入っていただいた『歌のアルバム 同窓会コンサート』というのがありました。同窓会コンサートという名前は、そこから引き継いでいます」

 1000~2000席の会場を使い、昨年は40カ所で開催。09年からは延べ15万人以上を動員するコンサートになった。

「お客様は50代、60代が中心ですが、70 代の方もいらっしゃるし、最近は若い方も見かけます。お母さんがお子さんを連れてきたり、お子さんがお母さんにチケットをプレゼントしたりも。それで、お母さんたちが会場で一緒に歌っているのを見て、子供がびっくりするんですね。ステージと客席が一体となって、本当に同窓会という感じですから」(前出・小川氏)

 同窓会コンサートからは「S4(エスフォー)」なる新ユニットも誕生した。メンバーは江木、あいざき進也、晃(フィンガー5)、高道(狩人)で、昨年6月にはシングル「夢のつづき」(作詞・児島隆、作曲・井上大輔)をリリースした。小川氏が続ける。

「僕の知り合いがたまたま故・井上大輔さんのデモテープを持っていたんです。それがまるでS4のために作ってくれていたんではないかと思えるようないい曲でしたね。我々はずっと、コンサートのエンディングテーマとしてオリジナル曲を作りたかったんですが、それが『夢のつづき』になりました」

 この「同窓会コンサート」はやがて各方面に拡散し、同様の歌謡コンサートが派生。その一つが「夢コンサート」なるものだ。

「こちらは演歌色が強く、もう一世代上の島倉千代子さんや小林旭さんも出ておられます。同窓会コンサートとはお互いに協力し合っています」(前出・小川氏)

 昨年14公演、今年は43公演と、こちらも拡大中だ。この10月、11月の公演では他に黛ジュン、松方弘樹、山本リンダ、伊藤咲子、平浩二、三善英史、狩人、フォーリーブス、桑江知子、タケカワユキヒデら豪華な顔ぶれがそろう。

 一方、町なかには昭和歌謡を楽しむライブスポットが点在する。その一つ、「ハチのムサシ」(埼玉県川口市)は、70年代初頭の大ヒット曲「悪魔がにくい」「ハチのムサシは死んだのさ」で知られる「平田隆夫とセルスターズ」が立ち上げた店である。リーダーの平田が昨年死去し、現在は菊谷英紀氏(ギター、ボーカル)が代表となり、「ハウスバンド」として昭和歌謡を「布教」しているのだ。

「ゲストに加橋かつみ(元ザ・タイガース)や(和製ポップスの元祖である)エミー・ジャクソンを招いたりしています」(菊谷氏)

 平日の昼はカラオケの店として、熟年客が昭和歌謡を歌いまくる。夜は酒を飲みつつ、ステージではリクエスト曲も演奏される。

「9月、セルスターズの後継バンド『Bee Dolls』が誕生しました。腕の立つ、かつベッピンの、平均年齢23歳の4人の女の子と私で構成しています。はやくも外部からオファーが入って演奏に出向いたりしていますよ」(菊谷氏)

 ブームの波は、酒場にも浸透していく。全国にある「昭和歌謡酒場」だ。3年前にオープンした昭和歌謡リクエストバー「あの頃のスーパースター」(東京・新橋)は盛況につき、今年1月に店を増改築したほどだ。壁一面にポスターや当時の雑誌の切り抜きが貼られ、店内は懐かしさでいっぱい。

「お客さんのメインゾーンは30代後半のサラリーマン。リクエストは松田聖子、尾崎豊、プリンセスプリンセス、BOØWY、南野陽子が多いですね。やっぱり今のJポップより、70~80年代の歌謡曲のほうが楽しいし、みんなで歌える。それが魅力だと思います」(狩野葉蔵店長)

 あちこちから昭和歌謡のメロディが聴こえてくるのだ。

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