電撃解任、権藤 博が高木守道とのバトル全激白!

アサ芸プラス / 2012年11月20日 9時59分

 クライマックスシリーズで巨人に3連勝する見せ場を演出しながら、急失速で今季を終えた中日ドラゴンズ。監督と投手コーチがともに70代という球界最高齢コンビが、試合中のベンチで繰り広げるバトルは「中日名物」と言われ、大いに話題を呼んだ。わずか1年で電撃解任されたバトルの主が、その内幕を明かしつつ、戦いぶりを振り返る。

 10月24日に記者会見を開いた権藤博氏(73)は淡々と「覚悟はしていた」と語った。投手コーチ就任1年での電撃解任だった。投手起用を巡って高木守道監督(71)とたびたび意見が対立したが、本人を直撃すると、「別に言いにくいことはありませんよ」と、舞台裏を語ってくれた。

─退団に際して高木監督からは何と?

「電話はありましたよ。『お疲れさまでした』『いえ、こちらこそありがとうございました』というやり取りだけ。一つ言えるのは、やることをやったので、まったく悔いはない、ということです」

─監督とのベンチでの口論がテレビ中継にバッチリ映ったりして、「70代バトル」と呼ばれましたね。

「監督と意見が食い違うことがなければ、最初からコーチはいらないわけですよ。イエスマンはいらない。監督とコーチの立場は重々わかっています。でも勝とう、いい戦いをしようと思ったら熱くなる。監督の言うとおりにしていたらこの選手のためにならない、となれば意見は言いますよ。でも最後は監督が決めるわけで、『こんな意見が通らないのか』となれば、僕もムッとすることはありますが」

─一説には、現役時代、2人はほとんど口をきかない間柄だった、とか。だからなぜ権藤さんがコーチ就任オファーを受けたんだろう、という声もありまして。

「いや、昔は高木さんは無口というか、ものを言うのを聞いたことがなかっただけですよ。近藤(貞夫)さんが監督の時に僕が投手コーチで、高木内野守備走塁コーチでやってますからね」

─例えば、6月30日の巨人戦。2人のバトルが大きく報じられました。

「先発の小笠原を(監督が)1回で交代させようとした件でしょう。連打とタイムリーエラーが絡んで、たちまち4失点。エラーは投手の責任ではないのに、監督が『いかん!代えろ!』と熱くなった。僕は『もうちょっとこらえてください』と。こっちも引き下がるわけにはいかなかったんです。こんなところで投手を代えていたら、(そのあとに)投げるのが足りなくなる。だから『ここだけはダメですよ』と言ったんです。コーチは選手を守るんです。1回で交代させることに、小笠原はかえってホッとしたかもしれない。これ以上恥をかかずに済んだ、と。でもトータルすると、彼のようないい投手はムチャクチャにやられることはそうそうない。だから『お前は5日も6日も休んでおいて、何をやってるんだ。この試合はお前が5、6回まで引っ張って試合を作れ』と小笠原に言いました。でもまぁ、監督がイライラするのはわかりますよ。実はその翌日も、先発した山内を2回で交代させる際にも僕は反対したんです」─原因の一端は先発投手ローテーションにあったようですが。巨人は中日戦に照準を合わせて組み、中日は従来のローテどおり、エース吉見を次のヤクルト戦に回した。結果、3連敗で巨人に首位を明け渡しました。「でも、吉見らをその前の阪神戦に使って3連勝したから(巨人戦で)3つ負けてもチャラでしょ、ぐらいの気持ちでいました。従来どおりのローテで監督からOKが出て、(阪神戦を)勝った。勝てるところから勝っておけば、そのあとのローテはうまく回るもんです」

─9月18日の巨人戦も話題になりました。同点の7回、2イニング目に入った3番手ソーサが4連打を浴び、結局4失点。監督が「ソーサを続投させたのが負け」と怒っていました。それに「もう(巨人)打線が勢いづいていたし、あそこからは誰がいっても一緒」と応戦したそうですが。

「何を言い合ったか、はっきり覚えていませんねぇ。ソーサはそれだけの力を持っているから、もう止めてくれると思ったわけです。でも、いよいよストライクが入らなくなって。だけどね、予知能力があったらコーチなんてやってませんよ。1失点だったら、次の回を抑えてから代えてあげたいと思います。たくさん失点して、さらし者になって途中で代えられるより気分がいいでしょう。それを狙ったら打たれちゃった。そりゃ、スイマセンと言うしかない」

釣りが好きだから気が短い

─CSはどうでした?

「ヤクルト戦(第3戦)で(ブランコの)逆転満塁弾が出たりして、その勢いのまま巨人戦に突入したわけですが、巨人はその間、休んでいる。こっちは中1日のヘロヘロ状態で、投手陣も使い果たしていたから先発が足りない。だから若手(大野、伊藤)でいっちゃったら勝てたんです(笑)」

─第5戦、9回に岩瀬を投入してサヨナラ負け。高木監督が激怒して、これが投手コーチ解任の原因だと言われていますが。「岩瀬は前々日(の第3戦)、3人でピタッと抑えてますからね。岩瀬、山井、浅尾、この3人を突っ込まないといけないとなった時、誰からいくか。僕は浅尾、山井を最後にと思って、岩瀬からいった。で、監督に岩瀬を進言したらOKだったからいったわけです。ところが(連打と犠打で)ランナー二、三塁になって、監督が『三振取れる投手を出さんといかんやろ!』と。そこでブルペンで投げてるのが山井しかいなかったもので、山井を出した。監督は浅尾をいかせたかったんでしょうけど」

─やはり「瞬間湯沸かし器」と言われるだけに‥‥。「高木監督は釣りが好きでしょ。僕はやらないのでよくわかりませんが、同じところでじっとしているなんて気が長いんだなと思ったら、場所を変えたり餌を変えたりするから、気が短い人がやるそうだ、と(笑)」

─双方ともに感性派だそうですが、コーチ就任が決まった時、「経験上、感性派同士はぶつかる」と主張しておられましたね。

「向いている方向は一緒ですが、同じ感性派でも投手族と野手族としてのニュアンスの違いがあるんです。野球は出たとこ勝負。投手族はそれを探るために朝から晩までずっと投手陣を見ている。でも、練習での投げっぷりにホレてもしょうがない。試合でストライクが入らないと、どうしようもないわけだから。一方、打撃陣は練習で調子がいいからと起用して3 −0でもその日はしょうがない、となる。あるいは4打席目で打てば、どんなヒットでも2割5分で合格点が出るんです。でも、投手は8割抑えても、大事な場面で打たれると批判される。岩瀬も(CS第5戦の)たったあの1点だけじゃないですか、と言ってやりたくなるんですよ」

─(横浜で)監督経験のある権藤さんにとって、高木采配はどうでした?

「僕じゃとてもやらんことをよくやった。1球目ボールで、即2球目にエンドラン。その2球目にボール球が来て、凡打するかもしれないのに。ところがね、それがよく当たったんですよ。実績に裏付けられた直感というやつですよ。『これは絶対にストライクを投げてくる』とわかるんでしょうね。運は強かったですよ」

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