2020年はゲーミングイヤーだった? 秋葉原のソフマップで鉄板ガジェットを聞いてきた!
ASCII.jp / 2020年12月19日 13時0分
さてさて、今年もASCII BESTBUY AWARD 2020が発表されましたね。もうチェックされましたか? 今年からは選出方法を変更し、編集部と読者投票に加え、家電量販店も加わった三者が選ぶことになりました。メディア・ユーザー・流通と、それぞれで視点のことなる評価を楽しんでもらえればと思います。
して、実際に今回のASCII BESTBUY AWARD 2020にノミネートされた製品は、販売するお店からはどう見えていたのか。「なるほど、妥当なチョイスだ」なのか「コレが選ばれるのは意外だなぁ」なのか。そのへん売り手側の本音、気になりません?
今回は量販店の意見を聞くべく「ソフマップAKIBA2号店 パソコン総合館」で、ASCII BESTBUY AWARD 2020に選ばれた製品についてお話を伺ってきました。
「ソフマップAKIBA2号店 パソコン総合館」は、ゲーミングPCやアクセサリーに関する製品が豊富。近年は『フォートナイト』や『Apex Legends』などのバトロワ系ゲームや、eスポーツの影響などもあってか、PCゲームをディープに楽しむ需要も増えています。特に今年は新型コロナウイルスの影響もあり、対面ではなくオンラインでのコミュニケーションを重視する流れ、すなわちPCや周辺機器にコストをかける風潮も強まっているように感じます。
そのあたりの流れも踏まえつつ、清水さんにお話を伺ってみましょう!
良いモノが選ばれるようになった、2020年のゲーマー事情
─お店を見渡してみると、ASCII BESTBUY AWARD 2020に選ばれたPCがいくか散見されますね。特に「コレがオススメ」という製品はありますか?
清水さん「そもそもの流れとして、ゲームユーザーがゲームをプレイするプラットフォームとしてPCを選ぶ機会が、この頃はとても増えてきました。PS4やNintendo Switchなどの据え置きハードがあるなかで、あえてPCを選ぶんですよね。」
─お店としてもそのあたりの流れは感じているのですね。
清水さん「理由としては、ネットを使って良質な情報を得やすくなったことも大きいと思います。お客さん自身も商品の知識について詳しくなってきていると感じますし、今回のASCII BESTBUY AWARD 2020のラインナップを見ても、玄人好みな製品が選ばれているなぁと感じました。」
■Ryzen搭載の高性能デスクトップPC
─こちらのデスクトップPC「ASUS ROG Strix G15 (G15DH)」は、ASCII BESTBUY AWARD 2020に選ばれていますね。
清水さん「これはオススメですね。「Ryzen」という、定番のIntelとはまた違う新しいCPUを搭載しているPCで、お客さんもそうした違いを知った上でチョイスしています。普通はIntelが選ばれると思うんですけど、そこも時代を感じますね。」
─確かに。IntelとRyzenのCPU性能の違いを踏まえた上で、選んでいるのですね。
清水さん「昔だと、PCの場合は「安くても動けば良い」という考えも少なからずあったところが、「良い体験ができるなら高くても良い」という考えにシフトしてきているように感じました。特に、PCゲームをプレイする方はグラフィックや性能の良さを追求しますから。」
─せっかくゲームをプレイするプラットフォームとしてPCを選んだのだから、スペックに妥協するのはもったいないですもんね。
清水さん「そうですね。情報も調べやすい時代になりましたし、YouTubeなどの動画で紹介している人もいますから。お客さん自身が製品の情報を調べて、良いと感じた製品に票が集まり、それが今回のASCII BESTBUY AWARD 2020に反映されていることには、僕自身も驚いています。」
■感触の違いにこだわる! 高価でも操作性抜群のキーボード
清水さん「次は、Logicool 「G913 テンキーレスワイヤレスRGBゲーミングキーボード」を紹介します。」
─3万円のキーボード、だと…!?
清水さん「確かに高価ですよね(笑)。でも、ゲーミングのキーボードを選ぶ時って、これくらの価格のキーボードを選ぶことがわりと当たり前になってきてるんですよ。」
─もはや高級キーボードの価格帯ですよね。それこそREALFORCEやHHKBとも渡り合える価格帯ですし。
清水さん「昔のキーボード市場と比較すると、超最上位機種になりますからね。でも、これくらいの値段のものが今では普通に選ばれているんですよ。しかもこの製品自体もマニアックで、キーの種類が3つあるんですけど、押した時の感触や反発の強さが異なるんです。本来ならこだわり派の人が選ぶような製品なんですけど、一般の方がその違いや特徴に注目して、キーの強さを確かめに来たりするんですよ。」
─茶軸や青軸、などですよね。その部分の違いって、相当なキーボードマニアじゃないとこだわらない領域だと思ってました。実際に「G913 テンキーレスワイヤレスRGBゲーミングキーボード」を触らせてもらいましたが、確かに感触が違う。これが、操作性や好みに繋がるのですね…!
─キーボードなんて1,000円台で充分使えるものもあるというのに、3万円近い金額を出すだなんて、PC市場も変わってきたなぁと素直に驚いています。
清水さん「本来は量販店の販売員が説明するような情報を、お客さん自身が知っている上で選びに来ていますからね。興味深い変化だと思います。」
─PCは価格が性能に比例するので、高いお金をかけるのもまだわかるのですが、キーボードだと感触の違いは好みにもなってくるし、玄人好みですよね…。
清水さん「今回のASCII BESTBUY AWARD 2020には、さきほど名前が挙がった高級キーボード「REALFORCE R2-JPV」も入っていますし、高くとも良いものが選ばれているんだなぁと、量販店から見ても感じますね。」
■最高クラスの表示性能をもつ、勝つためのディスプレイ
─では、3つ目のオススメ製品は?
清水さん「店頭になくて申し訳ないのですが、「ASUS ROG Swift 360Hz PG259QN」というディスプレイを紹介させて下さい。」
─名前を見るかぎり、360Hzのリフレッシュレートを実現したつよつよディスプレイでしょうか?
清水さん「その通りです(笑)。実際にお客さんから、1秒間に何枚の画像を表示できるか、つまりリフレッシュレートを確認されることもあります。最近ですとPS5が120Hzを実現したこともあって、リフレッシュレートを気にされる人も増えたように感じます。」
─据え置きハードだとリフレッシュレートはほとんど気にしないというか、そもそも設定できないことも多いですし、PS5やXbox Series Xの120Hz表示は最新ハードの魅力のひとつですよね。」
清水さん「もちろんそれ以前からもFPSをプレイしている人はリフレッシュレートの高いディスプレイを購入されていました。お店としても高リフレッシュレートディスプレイコーナーを作ったこともありましたね。でも、一昔前だとなかなか考えられなかったことですね。」
─それに、360Hzは現状のディスプレイの最高峰クラスだったように思えます。
清水さん「仰るとおりです。なので、最高峰の表示性能をもつディスプレイが選ばれている現状は、これまで紹介した製品と同様に、高くても良いものが選ばれているという流れにあると思います。」
─360Hzを選ぶ人は、もう本気で勝ちに来ている人ですよね。すごい。
清水さん「ゲームにおいての勝利への意識が高いというか、「その製品を使えば勝率が上がる」という考えですよね。自分に足りないのはアイテム=ゲーム環境という考えが、投資額として表れているようにも感じます。やっぱりゲームというジャンルは、こだわる人はこだわりますから…。
─ある意味で課金ですものね…。
清水さん「その面もありますね(笑)。この流れもスポーツの世界にも似てきているというか、陸上界で多くのランナーがナイキのピンクのシューズ(ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%)を履いて高タイムを出したように、自分のスキルも鍛えるし、自分が使うアイテムもこだわりたい、という姿勢を感じます。」
─思えばディスプレイのスペックといえば、インチ数や解像度を主に語ってきましたけど、リフレッシュレートもそこに加わるようになったのですね。
清水さん「玄人好みではあるものの、ひとつの評価基準になってきたと思います。」
■小学生が、1万円オーバーのマウスを買いにくる時代
─ASCII BESTBUY AWARD 2020にノミネートされた製品を3つ紹介していただきましたが、最後に清水さんの個人的なイチオシ製品などはありますか?
清水さん「そうですね…。このマウスなんかは、かなり特徴的で面白いと思いますよ。」
─これはまた、不思議な形のマウスですね。軽量さに特化したのかな?
清水さん「「Finalmouse Ultralight 2 - CAPE TOWN」という有線マウスです。ネットではある程度有名だと思うんですけど、一般的な知名度はほとんどないニッチな製品だと思います。でも、このマウスを、小学生が買いに来るんですよ…!」
─小学生が、1万4000円のマウスを買いに来る、だと…!?
清水さん 「ビックリしますよね。お年玉のポチ袋を握りしめて「ファイナルマウス下さい」ってお店に来る小学生が、実際にいるんですよ。ネットの動画で見たのか、あるいは自分の好きなプロゲーマーがオススメしていたのか、おそらくそのあたりでこのマウスのことを知ったのだと思います。」
─むしろそれ以外だとどんな経路で知ったんだという気持ちにもなりますね。僕はこのマウス、今日初めて知りました。
清水さん「言ってしまえばLogicoolやRazerのような、定番メーカーではありませんからね。デザインも特徴的ですし、実際に触ると軽量さを感じられます。」
─肉抜き加工がとても効いてますね。長時間プレイする人には、軽量なマウスは使いやすい気がします。あとは手汗が気になる人とか。
清水さん「僕としては「小学生がこんなニッチな製品を知れるほどに情報が受け取りやすくなってるんだな」と驚いた製品でもあります。」
─シンプルに、小学生のうちからマウスに1万円を出すって、スゴイ気がします。
清水さん 「やはり、何かしら知るきっかけがあったんでしょうね。小学生にまで情報を届けるほどですから、発信側の影響というのは、これからさらに強くなるんじゃないでしょうか。」
─思ったんですけど、名前も良いですよね。ファイナルマウス。小学生的には刺さる気がします。
清水さん「それも有り得そうですね(笑)。」
情報の届け方と受け取り方の変化を強く感じたラインナップ
最後の「Finalmouse Ultralight 2 - CAPE TOWN」のお話は、とても興味深く感じました。ある意味で近年の情報化社会を象徴付ける内容というか、発信側の影響力や、受け取る側の多様性を強く感じさせられました。小学生で自分でマウスを選ぶって時点でつよい…。
この他のラインナップである、「ASUS ROG Strix G15 (G15DH)」「G913 テンキーレスワイヤレスRGBゲーミングキーボード」「ASUS ROG Swift 360Hz PG259QN」についても、お客さん自身が情報に詳しくなったからこそ選ばれるようになったという点で共通し、その根底には「PCゲームの体験を向上させたい」という気持ちが一貫しています。勝つために詳しくなり、詳しくなったからこそ良いものが選ばれている。
そう思うと、今回のASCII BESTBUY AWARD 2020 受賞ラインナップの一部は、ゲーミングデバイスを中心としたユーザー心理の変化を反映しているとも言えますね。そこにはPS5やNintendo Switch、スマホゲームなどを含む、ゲームカルチャーと僕たちの生活の関わり方の変化も影響していますし、『フォートナイト』のようなコミュニケーションとしてのゲームの存在も重要になっている。PCゲームの場合は、とくにそちらの影響が強いでしょう。
僕個人として感慨深く思ったのは、配信文化の浸透と変化です。ゲーム配信、ゲーム実況が珍しくないものになるにつれて、「人のゲームプレイを見る」は、「ゲームが上手い人に影響される」に繋がっています。プロゲーマーや有名配信者、VTuberなど、配信のカルチャーも色んなところで盛り上がってるし、その界隈でトレンドになるアイテムなどもあるんでしょうね。
というわけで、ソフマップAKIBA2号店 パソコン総合館から見たASCII BESTBUY AWARD 2020の所感をお届けしました。そうかぁ、3万円のキーボード買うのも珍しくない時代なのかぁ…。とうとう自分も、REALFORCEデビューしちゃうか…!?
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