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ライカのスマホ「LEITZ PHONE 1」はモノとしての魅力が満載のスマホ機能付きカメラだ!

ASCII.jp / 2021年9月1日 12時0分

 今回レビューするのは、ライカの「LEITZ PHONE 1」。カメラメーカーである同社がシャープを開発パートナーに迎えて開発した、ライカブランド初のスマートフォンです。カメラのみならず本体デザインやUIまでライカが監修しているのが特徴です。

 販売は日本国内のみでソフトバンク独占、7月16日から販売しています。カラーは「Leica silver」の1種。価格は18万7920円(税込)です。

スマホにはめずらしいレンズキャップが付属

 まずは外観から見ていきましょう。本体を囲むシルバーのフレームが目を引きます。左右は凹凸があって指がしっかりと掛かります。背面はマットな質感が特徴。手触りも非常に良いのですが、背面は爪や鍵などのひっかき傷がつきやすいように思います。ポケットやかばんに入れるときは気をつけたいところです。

サイズは約74×162×9.5mm、重量は約212g

 随所にライカらしさを感じるデザインですが、最も象徴的なの背面カメラを覆うレンズキャップ。表面に「Leica」の刻印があり、ライカカメラのファンなら思わずグッとくるでしょう。マグネット式のためピタっとはまり、簡単に外れることはありません。モノとしての魅力が高まるだけでなく、レンズに傷がつかないメリットもあります。

付属のレンズキャップがライカファンの心をくすぐる

 そのほか、本体右側にはGoogleアシスタントを起動するアシスタントキーを搭載。また、イヤホンジャックも搭載しています。

本体右側に音量ボタン、アシスタントキー、電源ボタン
上部にSIMカードスロット
下部にイヤホンジャックとUSB Type-Cポート

 また、専用ケースが付属します。装着するとサイズがひと回り大きく感じられますが、シリコン製のため手が滑りにくく、しっかり握ることができます。ケースを付けた状態でもレンズキャップの着脱は可能です。

付属の専用ケース

ライカならではの 2つの独自機能に注目

 LEITZ PHONE 1の最大の特徴は、やはり背面のカメラ。約2020万画素の1インチ大型センサーと、それを活かす7枚構成のズミクロンレンズ(広角19mm、F値1.9)を搭載します。

1つのセンサーとレンズを採用した

 LEITZ PHONE 1には他機種と大きく違う点が2つあります。1つが「ブライトフレーム」というズーム方式。画面に白枠が表示され、倍率によってその内側/外側の範囲を撮影します。通常のスマホでは倍率に合わせて表示範囲が変わり、表示範囲=撮影できる範囲となりますが、本機は撮影する範囲の周囲を同時に確認できます。

 このブライトフレームにより、自然と“画角の外”にも意識が向きます。「どこを切り取るのか」「どれだけ余白を残すか」といった点で工夫がしやすいと感じました。

「1.0×」で撮影されるのは白枠の範囲。ディスプレーには「0.7×」倍率で映っており、「0.7×」に切り替えても表示範囲を変えずに撮影できる(白枠は消える)

 撮影時は「AI」機能をオンにするとシーンを自動で認識。風景や食事などに合わせて、自然な風合いに撮ることができます。明るさや周囲のぼけも自動で調節してくれるので、とても撮りやすいのが印象的でした。またシャッター音にもこだわっており、いわゆるスマホカメラの電子的な音ではなく、フィルムカメラのシャッターを切ったような音なんです。こうした細かいところにもライカのこだわりを感じますね。

0.7×で撮影
食事と認識された
「ナイト」モードで撮影

 LEITZ PHONE 1のもう1つの特徴が「LEITZ LOOKS」。ライカの代名詞であるモノクローム写真を、スマホカメラの手軽さで撮れる機能です。素人なりにさまざまなシーンで試してみました。以下の作例をご覧ください。

 モノクロ写真は色彩の鮮やかさを見せられず、コントラストや光が重要になります(撮っていて気づきました)。LEITZ PHONE 1は、明暗差の大きいシーンでも被写体の影やそこに差す光をきれいに表現できているように思います。写真全体に優しくやわらかな雰囲気を感じます。撮っていて非常に楽しかったです。

 ただしカメラ機能で気になるのが、シャッターを押してから撮影するまでにややタイムラグがあること。ふとしたシャッターチャンスを逃さないようにするには、慣れが必要かもしれません。また、連写も難しいので一気に何枚も撮ってベストな1枚を選ぶ、というやりかたには向いていないと感じました。

 インカメラにも触れておきましょう。約1260万画素で、「小顔」「美肌」など補整効果を調節できます。

補整効果を調節可能

ディスプレーやCPUも高性能 5000mAhのスタミナもうれしい

 OSはAndroid 11、CPUはクアルコムのSnapdragon 888 5Gを搭載。メモリーは12GB、ストレージは256GBとなっています(microSDXCカードにより最大1TBまで)。バッテリー容量は5000mAhと大容量。カメラを長時間起動していると本体がやや熱くなりますが、動作は快適。スタミナ切れの不安もなく使えました。

「Geekbench 5」でパフォーマンスを計測すると、Snapdragon 888相当のスコアが出た

 ディスプレーは約6.6型、解像度2730×1620ドットのPro IGZO OLEDを搭載。左右のエッジ部分はフレームに向かって湾曲しており画面占有率は高め。サウンド面では音の左右差は感じないものの、少しこもる感じがしたのは気になりました。

インカメラは上部中央に搭載

 LEITZ PHONE 1独自のものとしては、ライカの審査制ギャラリー「LFIギャラリー」というウィジェットが配置されており、ライカカメラで撮られた写真を楽しめます。また、「スクロールオート」「Clip Now」など、AQUOSを感じる便利機能を搭載します。

世界中で撮られた写真を楽しめる「LFIギャラリー」(左)。壁紙に使えるモノクロ写真もはじめから用意されている(右)
AQUOSスマホではおなじみの便利機能を搭載している

 そのほか、生体認証は指紋と顔に対応。ディスプレー中央やや下にセンサーを搭載します。IPX5/IPX8の防水性能、IP6Xの防塵性能を備え、おサイフケータイにも対応します。

【まとめ】“ライカのスマホ”という価値 手に取ってその魅力に心をくすぐられてほしい

 LEITZ PHONE 1はまず端的に言って、高性能なハイエンドスマホです。1インチセンサー搭載のカメラは万能ですし、ディスプレー性能や動作の快適さといった点でも欠点はありません。

 しかし一番の魅力はなんと言っても、“ライカのスマホ”であることでしょう。カメラの「ブライトフレーム」や「LEITZ LOOKS」は写真にこだわりたい人にうってつけで、スマホカメラの域を超えた撮影体験ができるはずです(それもスマホカメラの手軽さで)。また、本体デザインやUIには随所にライカらしさを感じますし、スマホとしてはめずらしいレンズキャップもモノとしての価値と魅力を高めています。

 スマホ機能を備えたライカカメラと考えれば、18万という価格も手ごろに感じられるでしょうか。ライカカメラのファンはもちろんのこと、そうでない人も一度手に取ってもらいたい1台です。

 

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