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ASUS「ROG Strix SCAR 15/17」レビュー、これは2022年の最強CPU&GPU搭載ノートだ!

ASCII.jp / 2022年2月24日 11時0分

 「ROG Strix」シリーズのキャッチフレーズは「圧倒的な強さで、戦いに挑む」である。ターゲットはeスポーツゲームを競技シーンでプレイするユーザー、究極の生産性を求めているクリエイターが想定されている。

 2月17日に発表された同シリーズの2022年モデルでは、究極のパフォーマンスを追求するために「Core i9-12900H」と「NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Laptop GPU」という最強タッグで、15.6型の「ROG Strix SCAR 15」、17.3型の「ROG Strix SCAR 17」が投入された。

 今回はROG Strix SCAR 15を中心にレビューし、SCAR 17についても違いに触れていこう。

ASUS「ROG Strix SCAR 15」(直販価格38万9800円)
左が今回レビューする15.6型「ROG Strix SCAR 15」、右が17.3型「ROG Strix SCAR 17」。外観で目立つ違いは、ボディーと画面のサイズ、キーボード構成だ

基本スペックにおける大きな違いは 画面とボディーサイズ、キー配列と重量

 ROG Strix SCAR 15 / 17は各1モデルである。 ・「G533ZX-I9R3080T」(直販価格38万9800円)  15.6型 / Core i9-12900H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB ・「G733ZX-I9R3080T」(直販価格39万9800円)  17.3型 / Core i9-12900H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB

 基本スペックにおける大きな違いは、画面サイズ(合わせてボディーサイズ・キー配列と重量)だけで、それ以外のスペックは基本的に同じだ。

 OSは「Windows 11 Home 64bit」、CPUは第12世代(Alder Lake)の「Core i9-12900H」(Pコア×6+Eコア×8、20スレッド、最大5GHz)、ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Laptop GPU」(16GB)を採用。メモリーは32GB(DDR5-4800)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続)を搭載している。

 ディスプレーは前述のとおり、ROG Strix SCAR 15が15.6型、ROG Strix SCAR 17が17.3型で、1920×1080ドット、ノングレア、応答速度3msというスペックは同一。ただし、リフレッシュレートは15が300Hz、17が360Hzと差別化されている。

 インターフェースは、Thunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort、USB Power Delivery対応)×1、HDMI×1、有線LAN(2.5GBASE-T)×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1、「ROG Keystone II」スロット×1を装備。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポートする。

 本体サイズ/重量は、15が354.9×259.9×22.69~27.2mm/約2.4kg、17が395×282.1×23.4~28.3mm/約2.9kg。バッテリーは両機種ともに90Whと大容量を搭載しており、バッテリー駆動時間/充電時間は、15が約9.1時間/約1.8時間、17が約7.6時間/約1.8時間と謳われている。

 携帯性やバッテリー駆動時間を優先するならStrix SCAR 15、画面の見やすさや滑らかさを重視するならStrix SCAR 17と、シンプルに最適な1台を選べるわけだ。

本体サイズは354.9×259.9×22.69~27.2mm
本体底面からは内部がうっすらと透けて見える。0.1mmのブレードによる極薄ファン、広範囲をカバーする6本のヒートパイプ、自動で埃を排出する「インワードセルフクリーニング2.0」、0.1mmの薄さのヒートシンクフィンにより、冷却効率を向上させている
ディスプレーは15.6型フルHD液晶(1920×1080ドット、ノングレア、リフレッシュレート300Hz、応答速度3ms)を採用。17.3型のリフレッシュレートは360Hz
キーボードは92キーの日本語配列
本体背面(下)にはThunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort、USB Power Delivery対応)×1、HDMI×1、有線LAN(2.5GBASE-T)×1、電源端子×1を用意
右側面(上)には「ROG Keystone II」スロット×1、左側面(下)にはUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、3.5mmコンボジャック×1を配置
パッケージには、本体、Armorキャップ×2、ROG Keystone II、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類(マニュアル、Warranty Card、Keystone II Setup Guide、必ず初めにお読みください、MyASUSのちらし、i-フィルターのちらし)が同梱
ACアダプターのコード長は実測117cm、電源ケーブルの長さは実測176cm
ACアダプターの型番は「ADP-280BB B」。仕様は入力100-240V~3.2A、出力20V 14A、容量280W
ROG Keystone IIはホルダーに装着されている。半透明の赤い部分がキーストーンで、ノートPC本体の右側面スロットに装着する
取り付け済みを含めて、Armorキャップは3個付属する
本体の実測重量は2335g
ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測1004g

キーストロークは深めで打鍵感は良好 ただしキー配置はやや変則的

 ROG Strix SCAR 15には92キーの日本語配列キーボードが採用されている。キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.6~1.7mmが確保されている。タッチパッドも130×77mmと広めで、クリック感も良好だ。操作感という点では文句ない。特にゲーム用途であれば、ゲーミングマウスさえ用意すれば快適にプレイできる。

 ただ、日本語入力のためのキーボードとしては、ENTERキーの右に「DELETE」「再生」「停止」「早送り」「早戻し」「PRT SC」キーが並んでいる点が少々気になる。とはいえ、実測7mmほど間隔を広げて配置されており、ENTERキーも大きめなのですぐに慣れる。

 ROG Strix SCAR 17のキーボードにはテンキーがあるが、15には搭載されていない。その代わりに15にはASUSのノートPCではおなじみ、タッチパッドをテンキーとして利用する「NumberPadタッチパッド」機能が採用されている。物理ボタンではないので見ながら操作することになるが、数字をたくさん入力する作業で重宝するはずだ。

 いつもなら最後にディスプレーの色域を計測するところだが、記事執筆時点でカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」が起動しなかった。とは言えROG Strix SCAR 15/17のディスプレーはDolby Visionに対応しており、実際に表示される画像、映像も非常に鮮やかだった。色調整用途としてはともかく、ゲーム用、コンテンツビューワー用としては十分なクオリティーを備えていることは間違いない。

キーピッチは実測19mm前後
キーストロークは実測1.6~1.7mm
バックライトはオールキーRGBイルミネート仕様。多彩なエフェクトが用意され、個別に色を設定できる
ROG Strix SCAR 15にはテンキーは装備されていないが、タッチパッドの「NUM LK」を押すことで、テンキー機能をオンオフできる
ウェブカメラが搭載されていないぶん画面占有率は85%を実現している

ベンチマークテストの結果はROG Strix SCARの前モデルから大幅アップ

 最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は19696pts、「同R20」のCPU(Multi Core)は7615pts、「同R15」のCPU(Multi Core)は3051cbという値が出た。

 「AMD Ryzen 9 5900HX」と「NVIDIA GeForce RTX 3080」を搭載する前モデル(2021年)のROG Strix SCAR 17が13502pts、5260pts、2261cbだったので、新モデルはその約1.46倍、約1.45倍、約1.35倍のパフォーマンスを発揮したことになる。さすがインテル第12世代Coreシリーズの威力だ。

ベンチマークは、「Armoury Crate」の動作モードを「Turbo」、「MUXスイッチ」を「ディスクリートGPU」で実施している。ただしバッテリー時間の計測時は「MUXスイッチ」を「MSHybrid」に設定した
「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は19696pts、「同R20」のCPU(Multi Core)は7615pts、「同R15」のCPU(Multi Core)は3051cb

 3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyで12804、Fire Strikeで28355、Port Royalで8002、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」で16822という値を記録した。

 前モデルが11159、24910、7036、13508だったので、2022年版はその約1.15倍、約1.14倍、約1.14倍、約1.25倍のパフォーマンスを発揮したことになる。前モデルには最大130Wで動作するGeForce RTX 3080が、新モデルには最大150Wで動作するGeForce RTX 3080 Ti Laptop GPUが搭載されているうえ、ディスクリートGPUを直接ディスプレーにルーティングする「MUXスイッチ」が搭載されており、3Dグラフィックス性能も着実に進化している。

「3DMark」のTime Spyは12804、Fire Strikeは28355、Port Royalは8002、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは16822(非常に快適)

 ストレージ速度は、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で6558MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で4990MB/sを記録した。PCIe Gen4 x4接続SSDならではのアクセススピードを発揮している。

試用機のストレージにはPCIe Gen4 x4接続SSD「Micron 3400 MTFDKBA1T0TFH」が搭載されていた
「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6558MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4990MB/s

 バッテリー駆動時間は、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ8時間を記録した。90Whの大容量バッテリーを搭載しているだけに、よほど高負荷でないかぎりはモバイル用途にも活用できるバッテリー駆動時間を備えている。

ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行した際のバッテリー駆動時間は8時間

勝利を欲する貴君が悩むべきは 15と17のどちらを買うかの一点のみ

 「Core i9-12900H」と「NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Laptop GPU」という最強タッグで組み上げたROG Strix SCAR 15は、現時点のゲーミングノートPCとして最高クラスのパフォーマンスを発揮する。

 ディスプレーのリフレッシュレートが300Hzまたは360Hzということで、ゲーム画面の滑らかさもこれまた最高クラス。勝利を得るためのマシンを探している方が悩むべきは、「15」と「17」のどちらを買うかという一点のみだ。

 

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