【先行レビュー】タフなApple Watch Ultra、公称スペック36時間バッテリーに偽りなし
ASCII.jp / 2022年9月21日 22時0分
ワイルドなサイズと武骨な魅力、そして高い性能が魅力のApple Watch Ultraを先行レビューすることができた。発売は9月23日の予定。すでに予約している方も多いと思うが、まだ迷っている方も多いと思うので、ファーストタッチのインプレッションをお届けしよう。
どのバンドが一番お勧め?
これまでの7年間、Apple Watch(の大きい方)を使い続けてきた筆者にとっては、久し振りの「武骨」な「重い」時計だったが、「大き過ぎて邪魔なのでは?」という心配は半日もして杞憂だったと思えた。
もちろん、このあたりの感覚は人によって違うとは思うが、61.3gの重量はダイバーズウォッチや機械式の時計よりは、はるかに軽い。チタンという素材のおかげもあって、大きさの割に軽いのだ。
ただし、睡眠の記録をつけるために装着し続けるには、たしかに少々邪魔な気がする。さすがに睡眠時に使うにはApple Watch Ultraは少々大きくて、武骨過ぎるのではないだろうか?
睡眠の記録はスタンダードモデルの方が良いように思う。そう思う方は、旧型のスタンダードモデルを併用するのもひとつの手段だ。Apple Watchは複数を使い分けても、装着している方を優先してアクティブにする「自動切替」機能があるから、複数台を併用するのも容易なのだ(ただし、SuicaやPASMOはそれぞれに個別のカードが必要)。
同梱されているベルトも、それぞれApple Watch Ultraにフィットするように工夫されている。筆者が借りたApple Watch Ultraはオレンジアルパインループ装着モデルで、イエローオーシャンバンドが試用のために同梱されていたのだが、どちらもなかなか良い装着感だった。
オレンジアルパインループは金具がチタン製なのが魅力的。フックをかけて固定するので、一度位置を決めると過剰に締めつける感じがしないため、使いやすい。ただし、アウトドアギアとはいえ、12万4800円の時計にしては少々チープな気もする。使っているうちに汚れてくるだろうとも思う。
3種類のバンドの中では、一番価格相応の質感があると感じるのはオーシャンバンドだ。チタンの金具の操作性もよく、一番フィット感もある。装着感も非常にいい。ただし、暑い日には汗ばむ感じがした。夏はほかのバンドに換えるというのも良いかもしれない。
ちなみに、今回トレイルループは試していないが、3種類の中では一番フィット感がある代わりに見た目はカジュアル。ただし、ランニングなどに使うのであれば、トレイルループがベストだろう。Steve Jobs Theaterで試した時、若干伸びるような装着感がランニングなどには最適だと感じた。
明るい大画面がもたらす便利さ
日常的に使い始めてみて、一番魅力を感じたのはディスプレイの大きさだ。ディスプレイ周りにはApple Watch Series 8などでは最小限にされている黒縁があり、さらにステンレスの縁があるが、それでも表示面積は十分に広い。
地図やテキストを表示した時には、多くの情報を一覧できるメリットを感じる。また、watchOS 9から採用された、日本語フリックキーボードを利用する際にも、ディスプレイの残りの部分に表示される情報量が多いので、非常に扱いやすい。基本的には音声入力を中心に、キーボードで修正するような使い方になるとは思うが、Apple Watchの歴史の中で、初めて日本語入力が実用的になったモデルと言えるかもしれない。
サードパーティアプリでも、この表示情報量の多さを活かしたものが増えてくるとは思うが、現時点ではディスプレイが大き過ぎて、シンプルなデザインのアプリだと間延びして見えるものさえある。旧型への対応も含め、アプリ開発者にとっては悩ましいポイントだろう。
ウォッチフェイスにおいても、Apple Watch Ultra専用のウェイファインダーや、watchOS 9で新登場したルナーなどの複雑なデザインのものをしっかりと表示できる。また、インフォグラフやソーラーダイヤル、モジュラー、ワールドタイム、クロノグラフプロなどの従来複雑に思えていたデザインも、ウォッチフェイスを大きく表示できるので、見やすい。
実のところ筆者は老眼が始まっているので、Apple Watch Series 8の45mmではこれらの文字盤が見にくかったのだが、Apple Watch Ultraならしっかりと見える。老眼が始まった人にもお勧めだといえるだろう(笑)
従来のApple Watchの2倍、2000ニトとなったディスプレイの明るさも素晴らしい。ディスプレイが平面になり写り込みが少なくなったこともあり、晴天時の屋外で非常に見やすくなった。
スピーカーの音量も大きくなっており、操作音や警告音も聞こえやすい。マイクも3アレイになっており、ビームフォーミング機能により、風切り音や周囲の雑音を取り除く能力が強化されており、通話時に聞き取りやすくなっている(日本ではApple Watchで通話する人は多くはないと思うが)。
また、緊急時に大きな音で周囲に知らせるための、86デシベルのサイレン機能も備える。広い場所で試してみたが、音は徐々に大きくなる。緊急時にちゃんと使いこなせるように、一度経験しておいた方がいいだろう。
従来の2倍のバッテリーライフは本当!
バッテリー持続時間の長さも大きな魅力だ。
公称スペックの36時間に偽りはなく、実際に通常のApple Watchの2倍は持ちそうだ。事実、現在満充電にしてから3日目になるが、まだ18%残量が残っている。記事のテストのために頻繁にさまざまな操作をしていることを考えると、バッテリーライフは大きく向上していると言っていいだろう。
これなら、1泊2日の出張にApple Watchの充電器を持って行く必要はないし、仮に1泊のテント泊を含む週末の山行だったとしても電池切れの心配をする必要はなさそうだ。仮にバッテリー残量が心もとなくなったとしても、低電力モードにすればさらにバッテリーライフを伸ばすことができる。
ランニング時にアクションボタンが便利!
残念ながら、テスト期間に台風14号が襲来してしまったため、アウトドアでのテストはほとんどできなかったが、日課であるジョギングではおおいに役に立った。
実際にいつもワークアウトアプリの操作、特にストップする時にタッチパネルが汗で操作しにくかったのだが、アクションボタンとサイドボタンの同時押しでワークアウトの一時停止が可能になった。思ったタイミングで操作できるという点において、アクションボタンの存在は非常にありがたい。
登山やダイビングにおいても、グローブをしたまま操作できるという点において、アクションボタンの有効性は大きい。むしろ、普通のApple Watchに設けて欲しいほどだ。
また、ワークアウトを使ってランニング中に表示できるデータも最大6行分になった。走っている間に、ひと目で見られるデータが増えたというのは大変助かる。
筆者はダイビングはしないので、ダイビングアプリのレビューはできそうにないが、ちょっとした山登りはするので、また機会があったら高山で本機をレビューしたい。
日常生活の健康を守るアプリから、よりヘビーデューティなアウトドア活動で使えるデバイスへと一歩進歩したApple Watch Ultra。これから、専門的なサードパーティアプリなども増えていくだろうから、今後の発展が非常に楽しみだ。
筆者紹介――村上タクタ 趣味の雑誌を30年間約600冊ほど作ってきた編集者・ライター。バイク雑誌「ライダースクラブ」で仕事を始め、ラジコン飛行機雑誌「RCエアワールド」、海水魚とサンゴ飼育の雑誌「コーラルフィッシュ」、デジタルガジェットの本「flick!」の編集長を約10年務めた後退職。現在フリーランスの編集者・ライターであり、ウェブメディアThunderVoltの編集長。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー、mmhmmヒーロー。iPhone、iPadなどのデジタルガジェットや、バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。
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