ペンタブレット<LAVIE Tab T12>をチェック、メモやホワイトボード、イラスト作成が快適すぎる!
ASCII.jp / 2022年9月28日 11時0分
NECパーソナルコンピュータの<LAVIE Tab T12>は、12.6型有機ELディスプレーに「Qualcomm Snapdragon 870」を搭載するハイエンド志向のAndroidタブレットだ。学習やビジネス、ゲーム、動画鑑賞など様々な用途を高いレベルで遂行できる性能を持つ。
そんな<LAVIE Tab T12>には、オプションで専用のスタイラスペンが用意されている。このようなハイエンドAndroidタブレットとスタイラスペンの組み合わせは、イラスト作成などクリエイター向けとしても訴求力の高いセットと言えるだろう。また昨今はオンライン会議で用いるホワイトボード機能の入力機器としても、ペンタブレットは注目の存在だ。
そういうわけで、今回は<LAVIE Tab T12>のペンタブレットとしての使い勝手に注目し、「メモ書き」「ホワイトボード」「イラスト作成」という3つのシチュエーションでの使用感レビューをお届けしたい。
様々な用途を軽々こなせる大画面ハイエンドAndroidタブレット
まず最初に<LAVIE Tab T12>のスペックを簡単に紹介しておこう。<LAVIE Tab T12>はOSに「Android 11」を搭載したAndroidタブレット。SoCにSnapdragon 870を搭載し、メインメモリーは8GB、ストレージは256GBを搭載する。ハイエンド志向のスペックで、クリエイティブ用途や最新ゲーム用途でも満足する結果が得られるだろう。
ディスプレーは12.6型有機ELパネルで解像度は2560×1600ドット、縦解像度が少し大きめでクリエイティブ用途やビジネス用途に便利なWQXGA解像度を採用している。有機ELならではの発色の良さと黒の沈み込みはさすがの一言で、HDR 10やDolby Visionにも対応する。12.6型の大サイズもあって、映りに惚れ惚れしてしまうこと請け合いだ。
画面のリフレッシュレートは最大120Hz対応。残像の少ない有機ELパネルの特性を活かしたスムーズな動きを実感できる。
そのほか、指紋認証&顔認証を搭載していてセキュリティーも万全。また、音響には定評のあるJBL製ステレオ4スピーカーも搭載し、こちらはDolby Atmosに対応している。
筐体サイズは約285.6(W)×184.5(D)×5.6(H)mmで質量は約565g。フットプリントはA4サイズをふた回りほど小さくしたサイズになるだろうか。アルミニウム合金の板を削り出して形成した薄型ボディーは、高い強度を保ちつつシャープなデザインでハイエンド機らしいものに仕上がっている。
<LAVIE Tab T12>をペンタブレットに変貌させるデジタルペン2
<LAVIE Tab T12>をペンタブレットとして使用するには、オプションで販売されている専用スタイラスペン「デジタルペン2」(PC-AC-AD028C)が必要となる。
デジタルペン2は4096段階の筆圧感知と傾き検知を搭載した高機能スタイラスペンで、対応アプリであれば筆圧による繊細な線の強弱や入り抜きを表現したり、デジタルペン2を寝かせて使うことで異なるペン表現が得られるようになっている。ペンのサイド側には独立したペンボタンが備わっており、アプリ起動などいろいろな機能を割り当てることができる。
デジタルペン2の動作方式には電磁誘導方式が採用されており、駆動電力はバッテリー充電式だ。デジタルペン2の収納は本体背面のペンホルダー位置にマグネットで吸着させるようになっていて、マグネットで吸着すると同時にデジタルペン2への充電も自動で開始される。この方式であれば、いざという時にデジタルペン2のバッテリーが切れてしまうこともないだろう。
また、デジタルペン2で用いている電磁誘導方式は読み取り精度の高さが長所とされる方式だが、ほかにペン先が空中に浮いた状態でもペン先位置を読み取れるという特徴も持つ。この特徴を活かして、<LAVIE Tab T12>ではディスプレー表面より約5mmほどの位置までペン先が接近すると、現在位置のポインターを画面に表示できるようになっている。どこにペン先を下ろすのか測れる、便利な目印となるだろう。
素早くメモを取れる迅速さが武器
何かのメモを取りたいというタイミングは、突発的に訪れることがある。そんな状況に対応すべく、メモ機能へ素早くアクセスする方法がいくつか備わっているのが<LAVIE Tab T12>の特徴だ。
まず、画面上に表示されるメモ機能のフローティングアイコンからノートを新規作成する方法が、通常のメモ機能へのアクセスになる。本体背面のペンホルダー位置からデジタルペン2を外すと画面上にペンツールのフローティングアイコンが表示されるようになるので、そこからメモメニューを開いて新規ノートを作成したり過去のノートへアクセスしたりできる。
迅速に新規ノートを作成する方法として、デジタルペン2のペンボタンを長押ししたまま画面をタップするといった手段が用意されている。これは、画面オフの状態から画面ロック解除をしなくてもメモ機能を呼び出せるようにもなっており、咄嗟にメモを取りたい時に重宝するだろう。
そのほか、本体背面ペンホルダー位置からデジタルペン2を外した瞬間に新規ノートを開くよう設定することも可能だが、さすがにそこまですると普段使いに支障がありそうなので、ペンボタン&タップによる起動だけ設定しておけば良さそうだ。これらのデジタルペン2関連の機能は設定画面からオンオフ指定できるので、自分の使いやすいようにカスタマイズできる。
では、<LAVIE Tab T12>標準メモ機能の使い勝手を見ていこう。メモ機能は、自由に動かせる「ウィンドウモード」と、大きくメモを書ける「全画面モード」の2つの表示モードで動作する。ウィンドウモードはブラウザーなど他画面を参照しながらメモを取るのに便利だ。
メモ書きに用いるペンツールには、筆圧対応ペンと幅広い線が引ける蛍光ペンが用意されている。筆圧対応ペンといってもあまり太いペンは用意されていないので、筆圧で大げさに線の強弱を付けるといった書き方は向いていない。あくまで自然な入り抜きを表現できるものと考えると良いだろう。
肝心の書き心地については、最大リフレッシュレート120Hzの恩恵なのか、ペン先に線が軽快に追従し、書いていてストレスを感じることは一切なかった。また、ペンタブレットを使ううえで重要な機能のひとつ“パームリジェクション”にももちろん対応している。
パームリジェクションとは、スタイラスペン使用中にペンを握る小指などが画面に触れても反応しないようにする機能だ。この機能のおかげで普通の紙に書くような自然な姿勢でメモ書きができる。ただ、このメモ機能でパームリジェクションが正常に働くのはペン先が画面へ近付いている間だけで、ペン先が画面から離れると指タッチでの描画が反応するようになってしまうので注意。このあたりの使用時の塩梅は慣れていく必要があるだろう。
画面とペン先との抵抗感や書き味については説明が難しいが、いわゆる“ツルツル系”であることは間違いない。ただ完全にツルッと滑る感覚ではなく、ほんの少し力を加えていくと抵抗感がちょっと増すような感じになるので、ペン先のコントロールは容易だ。個人的にはとても好みの書き味だった。
そのほか、メモ機能には写真取り込みや画像取り込みの機能もあり、写真を撮影して直接メモを追記することもできる。いろいろと活用の幅が広がる機能と言えるだろう。
オンライン会議のお供として注目のホワイトボード プロダクティビティモードとの相性は抜群だ!
さて次は、オンライン会議において意思疎通をスムーズにするツールとして重宝されるホワイトボードの使い勝手に迫ってみよう。今回は無料で使用可能なホワイトボード「Microsoft Whiteboard」での使用感を試してみた。
Microsoft Whiteboardは、ホワイトボードに求められる機能へ一通り対応しており、手書きペンツールは筆圧感知にも対応している。丸や四角形といった、手書きの図形を綺麗な形に自動修正してくれるという面白い機能も備わっており、様々な用途に活用できそうなホワイトボードと言えるだろう。
使い心地としては<LAVIE Tab T12>のスペックも手伝って描画はスムーズで、手書き入力にも遅延は感じられない。パームリジェクションへの対応も万全で、デジタルペン2でペンツールを選択した以後は指タッチによる描画が無効化され、指のタッチは拡大縮小スクロールのみに割り当てられる。
ペンツールを指タッチで選択すると指タッチによる描画が再び有効化されるという設計になっていて、<LAVIE Tab T12>のようなペンタブレットでの利用をかなり意識したホワイトボードだと感じられた。
また<LAVIE Tab T12>には「プロダクティビティモード」と呼ばれるモードがあり、各アプリをウィンドウ化してWindowsやMacのように実行可能だ。
このプロダクティビティモードを使えば、ブラウザーなどのウィンドウを参照しながらホワイトボードを使用できるほか、ホワイトボードはほかのオンライン会議ツールと併用するのが一般的なので、オンライン会議ツールと重ねて表示するといった使い方も考えられる。<LAVIE Tab T12>のプロダクティビティモードとホワイトボードの相性はとても良いと言えるのではないだろうか。
大画面高解像度の有機ELディスプレーはイラスト作成にも最適!
最後はペイントツールを用いたイラスト作成について使い心地をレビューしていこう。
まずは「Clip Studio Paint」を用いたイラスト作成から。Clip Studio PaintはもともとPC発祥で多くのユーザーを獲得しているアプリで、ユーザーインターフェースもかなりPC寄りな設計だ。そのため、Android版では作業領域の確保など使い勝手の面で少々辛い部分がなきにしもあらずだったのだが、<LAVIE Tab T12>のように大画面高解像度のディスプレーを搭載するペンタブレットであれば、PC版にかなり近い使い勝手で作業ができた。
描画レスポンスやペン先への追従性についても、<LAVIE Tab T12>の高いスペックのおかげで、PC版での作業とほぼ同じ感覚で描き進められた。パームリジェクションへの対応も備えており、「環境設定」-「タッチジェスチャ―」-「指でツールを使用」をオフにすることで指タッチでは描画できない設定となる。
そのほか、Clip Studio Paintはデジタルペン2の“傾き”にも対応していて、傾きパラメーターを使用するペンを使えば、デジタルペン2の角度に合わせて描画表現を変化させられる。
<LAVIE Tab T12>でのClip Studio Paint作業環境はかなりPC版に近く、すでにPC版を活用している人がサブ環境として使う場合にもオススメできる組み合わせと考える。
次に、お試し程度ではあるがペイントツールの「アイビスペイント」を使い、2000×2500ピクセルでレイヤー40枚弱のイラストファイルを開いて編集してみた。
こちらも<LAVIE Tab T12>の余裕のスペックのおかげで、もたつきなどを感じることなく、いろいろな作業ができた。アイビスペイントもデジタルペン2の筆圧感知に対応したペンツールを備えており、デジタルペン2を用いて繊細な描き込みが可能だ。パームリジェクションへの対応もしっかりしており、指定の設定を行なうことで指タッチによる描画が無効化される。
無料で使い始められるペイントツールとして、アイビスペイントともオススメできる組み合わせだ。
高いスペックに裏打ちされた快適性! 高機能ペンタブレットとしても<LAVIE Tab T12>は優秀だ
以上、「メモ書き」「ホワイトボード」「イラスト作成」という3つのシチュエーションにおいて、<LAVIE Tab T12>のペンタブレットとしての使い勝手を見てみた。
まず第一に言えるのが、<LAVIE Tab T12>の高スペックに裏打ちされた快適性だ。様々な作業をしてみたが、もたつきを感じるといった作業上の不満を抱えた記憶はほぼなかったと言って良いだろう。これはSoC性能の高さに加え、最大リフレッシュレート120Hz対応の有機ELディスプレーの貢献度も高いと言えるかもしれない。ひとつひとつの動作がスムーズにキビキビとしているので、操作していてとても気持ち良いのだ。
そして電磁誘導方式を採用した高精度のデジタルペン2は、収納・充電方法から細かいユーザーインターフェースまで使い勝手が考え抜かれていてとても好感触だ。
普段使いから仕事、学習、趣味に至るまで、ペンタブレットとしての役割を高いレベルで遂行できる<LAVIE Tab T12>。ハイエンドAndroidタブレットとしての実力をあらためて実感した次第だ。
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