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今、高コスパでデュアルSIMを使う組み合わせをeSIMも含めて考えた

ASCII.jp / 2022年9月25日 12時0分

 最近、通信障害のニュースを耳にする機会が増え、その回避のためにもデュアルSIMに注目が集まっている。障害対策以外にもさまざまな活用が可能なデュアルSIMだが、特にコストパフォーマンスに優れる組み合わせを考えた。

デュアルSIMは、2つの電話番号で待ち受けするだけでなく、障害対策や料金の節約などでも役に立つ

サブ回線として、povo2.0はやはり基本となりそう

 今年7月にKDDIの大規模障害があったものの、それでもpovo2.0には基本料0円という大きな魅力があり、サブ回線の筆頭候補であることに間違いはない。オススメは、今ある回線に加えてpovo2.0を追加することだ。

6ヵ月に1回、数百円の有料トッピングの購入で回線を維持できるpovo2.0は、サブ回線として適した存在だ

 povo2.0は有料トッピングを購入しない期間が180日を超えると強制解約の恐れこそあるものの、実際に通知が来た段階でなんらか購入すればよく、放っておいたら回線が使えなくなっていたということにはなりにくい。中でも「データ使い放題(24時間)」のトッピングは出張時のテザリング用回線などとしてかなり便利なため、たまに使っていれば180日の制限はさほど気にならないはずだ。

 また、大規模障害があったKDDIは心配と考える人もいるかと思うが、あれだけの障害の後でもあり、細かい障害があったとしても、大きな失敗を繰り返すことはないと考えたい。それにサブ回線としてならば、仮に障害があったとしても影響は少ないはずだ。

 ただ、メイン回線がauネットワーク系のサービスだと、サブ回線もpovo2.0ではリスク分散にならない。povo2.0以外のサブ回線を探すか、思い切ってメインをauネットワーク系以外にする方法もある。本末転倒と思うかもしれないが、キャリアを乗り換えればスマートフォンの大幅値引きや、高額のポイント還元などが期待できるので悪くない選択だ。

通話発信や通信量が多い人は 楽天モバイルをメイン番号にする手もあり

 次にコスパや利便性を向上させる組み合わせだ。まず考えたいのは、楽天モバイルをメインにする方法。楽天モバイルはエリアの狭さが弱点だが、通話にRakuten Linkアプリを使うIP電話に近いシステムの楽天モバイルの場合、なんらかの形でスマートフォンがインターネットに接続されていれば(ただしAndroidの場合。iPhoneでは着信には楽天モバイルのエリア内の必要がある)、楽天モバイルの電波が圏外であっても電話が利用可能だ。

アプリの利用が必要とはいえ、国内通話がかけ放題の楽天モバイルは通話をよくする人にはやはりメリットがある

 楽天モバイルが圏外のときだけ、サブ回線でデータ通信をするようにしておけば、国内通話は使い放題、楽天モバイルのエリアではデータ通信も使い放題で最大で月3278円となる。サブはドコモ/au/ソフトバンクのなかから自分の行動範囲で電波状態が良好なものを選べばよく、通信量もサブ回線を使う頻度によって選べばよい。

 eSIM対応機を使っているなら、IIJmioのデータ通信専用のeSIMプランなら月2GBが月440円だ。また、楽天モバイルが圏外になることがほとんどない、という人なら保険的な意味でサブにpovo2.0を選び、サブ回線の費用を抑えることもできる。

 逆にサブ回線の通信量を多くしたいなら、前述のIIJmioのeSIMプランは20GBで月1650円。速度は遅くても、たくさん使いたいなら、平日昼休みに速度制限があり、それ以外の時間帯は最大1.5Mbpsで使い放題で月990円のmineo「マイそく スタンダード」もある。これらの組み合わせなら、合計で月2000~3000円程度で国内通話はかけ放題で、エリアや通信量に不満のないデータ通信の両方を手に入れることが可能だ。

本連載でも何度か取り上げているmineo「マイそく」。昼休みの時間帯の速度制限はあるが、それ以外の時間帯は原則使い放題。デュアルSIMでこそ、より活用できるサービスと言える

ドコモ×ソフトバンクでの組み合わせをコスパよく

 筆者の個人的な話にはなるが、ここ数年、自分の行動範囲で最も安定しているのはドコモ、次がソフトバンクという状況になっている。そこで、ドコモとソフトバンクのネットワークの両方に対応して、電話も通話もたっぷり使えるパターンを考えた。

 ソフトバンクネットワークをメインとするなら、月20GBのLINEMO「スマホプラン」(月2728円)やY!mobileをメインとし、サブはドコモ網で音声SIMを月290円から使える日本通信「合理的シンプル290プラン」を組み合わせる方法だ。「合理的シンプル290プラン」は最安の月290円でもドコモネットワークでのデータ通信が月1GBまで利用できる。

 「合理的シンプル290プラン」は通信量に応じた従量制で、上限を大きめに設定しておけば、1GBあたり220円で使い続けられる。ドコモしか繋がらない場所にも対応でき、この組み合わせなら月3000円を少し超える程度で合計21GBと2つのネットワークが使える。

日本通信の「合理的シンプル290プラン」は、1GBまで月290円で、あとは1GBあたり220円の従量制プラン。ただし、上限を設定しておくことで使い過ぎが防げる

 逆にドコモネットワークがメインの場合、困るのがサブの選択。ソフトバンクネットワークでは安価なサービスがあまり見当たらないからだ。

 となると、月3GBで月990円だが、LINEMO「ミニプラン」を契約し、現在実施されている最大半年の基本料金相当額のポイント還元キャンペーンを利用するのがよさそうだ。しかも定額通話のオプションが1年間、月550円割引のキャンペーンもあるため、通話もお得に利用できる。メインがahamoであれば、最初の半年は実質約3000円で20GB+3GBの通信量となる。半年後には高くなるが、そのときまでにソフトバンクネットワークの格安プランがなんらか登場することを期待しよう。

片方をeSIMにする必要があるスマホの場合は どちらをeSIMにするか

 iPhoneをはじめ、Android機でも最近増えている、nanoSIM+eSIMでのデュアルSIMの場合、どちらのサービスをeSIMにするかは悩むところだが、メインは物理SIM、サブがeSIMがおすすめだ。

 というのもeSIMでは、一部を除けばSIM変更が可能な時間帯に制限があるほか、eSIM再発行手続きにおいて、契約中の回線にSMSが送信される2段階認証を求めることが多く、eSIMが入ったスマートフォンが故障・紛失したり、eSIMを入れたまま初期化をしてしまった場合は、キャリアショップの窓口まで行って、手続きをしなければならないケースがあるためだ。

 その点、物理SIMならば紛失さえしなけば、差し替えるだけですぐ動く。基本的に常に使えないと困るメインの回線では、なおさら物理SIMがオススメだ。今後、eSIMの問題が解決して、劇的に便利になる日がくるとは思うが、少なくとも現時点では、連絡がとれないと困る回線は物理SIMにしておいたほうがいいだろう。

 今回紹介した通信サービスのうち、ahamo、LINEMO、povo2.0、楽天モバイル、日本通信「合理的シンプル290プラン」、IIJmioのeSIMプラン、mineo(auネットワークのみ)はeSIMの利用が可能。デュアルSIM利用時にeSIMを使うことが必要な機種でも柔軟に組み合わせることができる。

iPhone XS/XR以降のiPhoneは、第2世代/第3世代iPhone SEも含めてすべてデュアルSIMに対応する

デュアルSIMは便利でオトク、ぜひ活用を考えてほしい

 数年前まで、日本では2つのSIMを1台の携帯電話で使うのはなかなか難しかった。しかし、今や現行モデルのiPhoneはすべてデュアルSIM対応で誰でも利用できる環境が整っている。

 デュアルSIMというと、2つの電話番号で待ち受けするというイメージだったが、実はそれだけではなく、障害を回避し信頼性を上げるものだったり、通話と通信を分けて料金を有利にするなどさまざまな活用方法がある。ぜひ、自分にあった“さいきょうのくみあわせ”を見つけてデュアルSIMを使いこなしてほしい。

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