15.6型! アイリスオーヤマの大画面タブ「LUCAタブレット」はどんな使い道があるか
ASCII.jp / 2022年9月27日 12時0分
アイリスオーヤマのタブレット「LUCAタブレット」シリーズの中でも、2022年8月に発表されたのは15.6型という非常に大きな液晶ディスプレーを備えた、非常に特徴的なAndroidタブレットだ。今回は下位モデルの「TM152M4N1」をお借りすることができたので、その使い勝手と実力を実際に確認してみよう。
大きく重いが付属のスタンドが優秀
まずは外観を確認すると、ディスプレーサイズが15.6型ということもあって約364×224×11mmとタブレットとしてはかなり大きく、厚みもある。試しに10型クラスのiPadと並べてみたが、そのサイズは歴然だ。
また重量も1250gとタブレットとしてはかなりの重さで、軽量のノートパソコンと比べても重い。それゆえ外に持ち運んで利用するというよりは、自宅の好きな場所に置いて利用するというのが主な使い方となるだろう。
実際、TM152M4N1には標準でタブレットを立てるための専用スタンドが用意されている。タブレットスタンドとして見れば大きくスクエアな形状なのだが、タブレットを差し込むようにして置くとスタンドとしてしっかり支えてくれる、非常によくできた構造となっている。
ちなみに背面には、横にした状態で右上にカメラが用意されている。中央には丸いカバーのような部分があり、外すと端子のようなものが備わっているのだが、現時点でその用途は明らかにされていない。
また側面のインターフェースを確認すると、横にした状態で上部に音量キーと電源キー、右側面に充電用のUSB Type-C端子がある。なお、上部にはもう1つ、SIMスロットのような部分があるのだがこちらはmicroSD用のスロットで、最大512GBまで容量を追加できる。一方でSIMスロットはなく、モバイル通信機能は搭載されていないことから、通信はWi-Fi(IEEE802.11 a/b/g/n/ac)でこなす形となる。
動画視聴やビデオ会議の使い勝手は?
TM152M4N1の利用用途として想定されるのは、やはり大画面を生かした動画視聴やビデオ会議などだろう。横にした状態で左右にスピーカーが搭載されている点も、動画視聴を意識しているがゆえの設計といえる。
そこで実際に動画視聴やビデオ会議を試してみたのだが、音響面は低音がやや弱い印象も受けるものの、画面は大きく解像度もFHD(1920×1080ドット)なので高画質の映像は綺麗に表示できるし、マイクでの通話も良好だ。ただ液晶ディスプレーということもあってか屋外での視認性は良いとは言えず、外出先で利用する場合も屋内で使うべきだろう。
ちなみにこのタブレットには、同じアイリスオーヤマ製ということもあり標準でワイヤレステレビチューナー「LUCA STATION」が利用できるアプリがプリインストールされている。最近では「TVer」などである程度代用ができるとはいえ、タイムリーにテレビ番組を視聴するならチューナーが必要なのは確かなので、テレビ視聴にこだわるなら有効活用したい。
また、どのようなシーンでの利用に適しているのかも試してみた。最も使いやすいと感じたのは、やはり机に置いて1人で利用するケースだ。こうした使い方であればスタンドに設置することで動画視聴がしやすくなるだけでなく、ビデオ会議でもフロントカメラで丁度顔が映る角度になるので使い勝手が良い。
一方でやや難しさがあると感じたのが、リビングなどに置いて複数の人数で利用する場合である。とりわけ特に問題となるのがビデオ会議時の映り具合で、複数人を同時に映そうとすると人物が下に映ったり、左右が見切れてしまったりするケースが多いのだ。
その理由は専用のスタンドがやや斜めに角度を付けてタブレットを立てる、つまりフロントカメラが上を向く構造となっているため。複数の人を同時にフロントカメラで映すにはやや距離を置く必要があるのだが、そうすると上を向いているカメラに映りにくくなってしまう。多様なシーンに対応するうえでもフロントカメラをより広角化する、あるいはスタンドの角度を複数段階に調整できる機能などが欲しかった。
性能は控え目なのでゲームには不向き バッテリーは大容量
続いて性能面を確認すると、TM152M4N1はチップセットにMediaTekの「Helio P90」(MT6779)を搭載しており、メモリーは4GB、ストレージは64GB。ちなみに上位モデルの「TM152M8N1」はメモリーが8GB、ストレージが128GBとなっている。
Helio P90は2018年に発表された古いチップセットであり、今となっては性能が高いとは言えない。それゆえベンチマークの1つ「3DMark」を試してみたところ、グラフィックAPIの「Vulkan」をサポートしていないとして「Wild Life」のテストを実行できなかった。
また主要ゲームのグラフィック設定を確認すると、「PUBG MOBILE」はクオリティーを「HD」、フレーム設定を「高」までしか上げることができず、「原神」はデフォルトで「低」だが、その設定でも時々フレーム落ちすることがあった。加えてこのサイズのタブレットで画面上のパッドを操作するのはインターフェースの面で厳しいことから、大画面とはいえゲーミング用途にはあまり期待しない方がいいだろう。
ただ動画視聴や、ウェブ閲覧や標準のGoogle製アプリなどを利用する分には大きな不満が出るわけではない。また画面サイズが非常に大きいので、画面分割して複数のアプリを同時に利用するのにも適しており、閲覧用途を主体とすれば使い勝手は悪くないとも感じる。
一方で充実しているのがバッテリー容量で、8000mAhのバッテリーを搭載。試してみた限りでは、3時間以上動画をストリーミング再生してようやく半分を切るくらいなので、長時間の動画視聴にも問題なく耐えられるだろう。一方で急速充電にも対応はするものの、容量が大きいだけに充電に時間がかかるのには注意が必要だ。
最後にカメラだが、背面、前面ともに800万画素。ただフロントカメラはビデオ会議や生体認証でフル活用する一方、背面のカメラは活用する機会が少ない。カメラアプリも機能の充実度が高いとはいえないので、背面のカメラはおまけ程度に考えておいた方が良さそうだ。
【まとめ】コンセプトは面白いが割高な印象は否めない
まとめると、TM152M4N1はやはり15.6型という大画面が大きなポイントであり、その分サイズが大きく、性能は決して高いとは言えないが、用途を理解して活用すれば非常に有用なタブレットだといえる。ノートパソコンであれば15型クラスのものは多く存在するが、Androidとタッチ操作によってパソコンよりも手軽に動画やビデオ会議などを利用できるのはメリットだ。
一方で気になるのは価格。発表当初の価格はTM152M4N1が8万7780円、TM152M8N1が12万1980円となっているのだが、14.6型とディスプレーサイズが近くて性能がはるかに高く、ペン操作にも対応する「Galaxy Tab S8 Ultra」がAmazon.co.jpで、14万1800円で販売されている(執筆時点)ことを考えるとどうしてもコストパフォーマンスの低さが否めない。円安の影響も少なからずあるだろうが、せめてあと2万円安ければ……というのが正直なところだ。
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