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Roonがバージョン2.0に、外出先から使える「Roon ARC」を追加

ASCII.jp / 2022年9月27日 13時0分

 海外ではもはやデファクトスタンダードと言っても過言ではない音楽再生ソフトウェア「Roon」に待望のバージョン2.0が登場した。

 最近ではRoonの更新ペースが遅くなっている。現状では2021年初めに発表されたバージョン1.8が最新で、バージョン2.0は1年半ぶりの更新だ。開発者に言わせると、中身の更新には時間がかかり、バージョン1.8ではGUIの刷新とともにAI機能である「Valence」(ヴェイランス)も進化のポイントであった。

 CEOのEnno Vandermeer氏は「バージョン2.0はこれまでで最も大きな変化であり、Roonの使い方をこれからずっと変えていくものだ」と語っている。

外出先から自宅のRoon環境に接続

 バージョン2.0における最大のポイントは「Roon ARC」という新しいアプリの導入だ。

 Roon ARCは従来の「Remote」のようなアプリだが、いままでのRemoteアプリは自宅内でRoonライブラリに接続していたのに対して、Roon ARCは外出先からも使用できるという違いがある。リモートアクセスは、クラウド経由で可能となるようだ。家でRoon Core(PCなど)を稼働中でネットワークにつながっている必要はあるが、外出先のスマホからRoonが使えるようになったわけだ。

 ハードディスクなどに保存した音源だけではなく、Roonの中核であるRoon Coreが接続している「TIDAL」や「Qobuz」などのストリーミングサービスにも接続できる。もちろんスマホであれば、直接ストリーミングのアプリを利用できる。しかし、Roon ARCを使えば、Roonの強力な検索機能の利用や一括管理も可能となる。また、Roon ARCアプリはオフライン再生(ダウンロード再生)にも対応している。

macOS版の弱点が解消されそう

 このほかバージョン2.0では、Appleシリコンもネイティブでサポートしている。これまで、macOS版のRoonはWindows版のRoonに比べて性能が劣っていたが、これはRoonが古いmacOSの開発ツールを使用していたためだという。しかし、昨年.NET frameworkがAppleシリコンをネイティブサポートしたことでこの問題が解消した。加えて、macOS向けのDSPもさらに最適化したという。

 注意点はバージョン2.0では動作最低条件がWindows 10/11、macOS 10.15(Catalina)に変更されたことだ。また、バージョン2.0にアップデートしないという選択肢も用意されており、バージョン1.8のサポートも年内は継続するという。Roonでは「バージョン2.0へのアップデート状況を見ながら、この期日を変更する可能性もある」としている。

 バージョン2.0では、外から見える部分の変更はなかったが、Roonを外で使えるようになり、活用の選択肢が広がった。Roonのフォーラムを見ると、早速「Astell&KernのDAP用アプリも出してほしい」という声が上がっていた。いままでのRoonはポータブルオーディオの世界とは無縁だったが、これを機にモバイル環境での利用やポータブルオーディオとしての可能性が広がることを期待したい。

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