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さらなる性能強化で最強クラスの実力を備えたゲーミングスマホ「ROG Phone 6」

ASCII.jp / 2022年9月30日 12時0分

 ASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phoneシリーズ」の最新モデル「ROG Phone 6」「ROG Phone 6 Pro」が今日30日に発表された。超音波タッチセンサーやモーションコントロールなど、従来のROG Phoneシリーズの特徴はしっかり踏襲しながらも、最新チップセットの搭載などでさらなる性能向上が図られたROG Phone 6を、発売前の実機から探ってみよう。

 なお、ROG Phone 6は10月7日発売で、価格はメモリー12GB/ストレージ256GBのモデルが12万9800円、メモリー16GB/ストレージ512GBのモデルが14万9800円だ。

ゲームに最適化したデザインと インターフェースは継承

 まずは外観から確認すると、ROG Phone 6はディスプレイサイズが6.78型で、サイズは約77×173×10.4mm、重量は239g。前機種となる「ROG Phone 5s」と比べ、サイズ的に大きな変化はない。カラーがストームホワイトとファントムブラックの2色という点も共通している。

「ROG Phone 6」の前面。ディスプレーサイズは6.78型と大型で、ゲームプレイを阻害するノッチやパンチホールがない点もシリーズ共通だ

 背面デザインも従来のROG Phoneシリーズと同様、ゲーミングを強く意識したSF色の強いものとなっている。LEDで構成されたROGマークが光る「Auraライト」も継続して採用されており、ゲーミングデバイスらしい雰囲気を出している。

背面はゲーミングスマートフォンらしいデザイン。カメラ部分の面積がやや大きくなった印象だ
背面のロゴが光る「Auraライト」も健在だ

 メインカメラ部分はやや面積が大きくなった印象も受けるが、出っ張りはそこまで大きいわけではない。前面のフロントカメラに関しても、従来同様ノッチやパンチホールではなく、ベゼル上にカメラを備える仕組みとなっており、その分上部のベゼルは厚くなるがゲームプレイに影響を与えないよう配慮がなされている。

 側面に目を移すと、電源キーや音量キー、後述する超音波タッチセンサーなどは、横画面でゲームプレイするよう右側面に集中して配置。底面には充電や周辺機器の接続に利用するUSB Type-C端子と3.5mmイヤホン端子が備わっており、音の遅延がプレイに大きく影響するリズムゲームなども遊びやすくなっている。

側面のキー類はすべて右側面にまとめられている。後述する超音波タッチセンサーもこちらに備わっている
底面にはUSB Type-C端子のほかに3.5mmのイヤホン端子を用意。音の遅延が大きく影響するリズムゲームのプレイも安心だ

 それに加えて左側面にはSIMスロット、そしてUSB Type-C端子が搭載されている。充電しながらゲームプレイしても操作に支障が出ないよう、横にした状態で底面となる部分にUSB端子が配置されているのは、ROG Phoneシリーズ共通の仕様ではあるがうれしい配慮だ。

USB Type-C端子は下部にも備わっているので、本体を横にしてゲームプレイしている時も充電がしやすい

性能は最高クラス、気になる発熱は?

 ゲーミングスマートフォンとして注目されるのはやはり基本性能だが、ROG Phone 6はチップセットにクアルコム製のハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8+ Gen1」を搭載しており、メモリーは12GBまたは16GB、ストレージは256GBまたは512GB(いずれもモデルによって異なる)。スマートフォンとして見ても非常に高い性能を備えていることが分かる。

 その性能の高さはベンチマークからもわかるとおり、現行のAndroidスマートフォンでは最高クラスのスコアを出している。また主要なスマートフォンゲームをいくつか試してみたが、現行のAndroidスマートフォンで可能な限り最高の設定に引き上げても快適なプレイが可能だった。

「Geekbench 5」におけるROG Phone 6のCPUベンチマーク結果
「3DMark」(Wild Life Extreme)におけるROG Phone 6のCPUベンチマーク結果
「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」までの設定が可能だ
「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「中」。だが最高画質、かつ60fpsでプレイしても十分快適だ

 それだけ高い性能のスマートフォンで、AAAクラスのゲームを最高品質でプレイするとなると気になるのは発熱だ。ROG Phone 6では「Snapdragon 8 Gen1」より発熱が抑えられているとされるSnapdragon 8+ Gen1の採用、そしてベイパーチャンバーやグラファイトシートを大型化するなど、冷却システムを従来よりさらに強化することなどで発熱を抑えているという。

 実際に試してみたところ、FPSを数試合プレイする分には本体が少し暖かくなる程度の発熱に抑えられており、熱やその影響によるパフォーマンス低下が気になることはなかった。一方でRPGなどを連続で30分以上プレイしていると、本体の温度が40度を超えさすがに熱さを感じるようになる。

「原神」を30分以上プレイしてみたところ。後述する「Game Genie」で本体温度を確認すると40度を超えているのが分かる

 だがASUSとしては、長時間プレイ時の発熱は別売りの「AeroActive Cooler 6」を装着して冷却することに重点を置いているようだ。今回AeroActive Cooler 6はお借りできなかったのだが、ペルチェ素子を搭載するなど冷却性能がより強化されているのに加え、ROG Phone 5s向けの「AeroActive Cooler 5」にあった物理ボタンがさらに強化され、装着すると4つの物理ボタンが利用可能になる。長時間ゲームを快適に楽しみたいなら必須のアイテムといえそうだ。

こちらが「AeroActive Cooler 6」。背面に装着することで本体を一層冷却してくれるのに加え、クーラーの背面左右に2つずつ物理ボタンが配置され、ゲームプレイに活用できる

 またディスプレーのリフレッシュレートも最大で165Hz、タッチサンプリングレートも720Hzと従来機種を大きく上回っている。表示速度やタッチ反応は遅延を限りなく抑え、反応速度が問われる高度なゲームプレイに大きく影響してくるだけにゲーミングスマートフォンらしい進化といえるだろう。

 ただリフレッシュレートに関してはゲームによって対応状況に違いがあり、高リフレッシュレートに対応するゲームは限られている点に注意が必要だ。後述する「Armoury Crate」で対応ゲームの確認ができるので、最高性能でプレイできるゲームを探したいならそちらを参照してみるといいだろう。

後述する「Armoury Crate」からリフレッシュレート165Hzに対応するゲームを探すことも可能。ただし日本向けに配信されていないゲームも含まれているので注意

 またスピーカーも本体前面の左右表面に左右対称に配置されており、横にしてゲームをプレイしている時もスピーカーを手で塞いでしまいにくい。大音量でFPSなどをプレイすると臨場感のある迫力の音声を楽しめる。さらに設定の「オーディオウィザード」を用いれば、イコライザーで好みの音にカスタマイズすることも可能だ。

「オーディオウィザード」の設定で音質を4つの中から選んだり、イコライザーで調節したりすることも可能だ

「AirTrigger」はさらに強化も複雑化が気になる

 続いてゲームに特化した機能を確認すると、代表的な機能となるのは「AirTrigger 6」であろう。これはディスプレーのタッチ以外でのゲーム操作を実現するもので、1つは右側面、横にした状態で上部の左右に設置されている超音波タッチセンサーを用いた操作。こちらは初代ROG Phoneから搭載されているものだが、代を重ねるごとに強化がなされている。

 実際ROG Phone 6ではセンサーをタップするだけでなく、スワイプやスライド、そして1つのセンサーに、場所に応じて2つの操作を割り当てられる「デュアルパーティション」や、センサーのタッチとスライドを組み合わせた「デュアルコントロール」など9つの操作が設定可能となっている。超音波センサーによる操作のしやすさはゲームによって相性もあるだけに、自分でしっくりくる操作ができるようさまざまなカスタマイズを試してみるといいだろう。

超音波タッチセンサーの操作は9つにまで増えており、左右それぞれのセンサーをさらに左右で分割し、合計4つの操作を割り当てられる「デュアルパーティション」などの設定も可能だ
超音波センサーを設定して「APEX Legends Mobile」をプレイ。FPSなどリアルタイム性を伴うゲームではシンプルなタップ操作などが使いやすい印象だ

 そしてもう1つは本体の動きで操作する「モーションコントロール」。こちらも本体を傾けるだけでなく、動かす、振るなど10のジェスチャーが用意されている。感度も調整できるので、うまく活用すればゲームによっては超音波タッチセンサーより快適なプレイを実現できるかもしれない。

本体を振るなどして操作する「モーションコントロール」。初期状態では本体をやや強めに動かさないと反応しないように感じたが、もちろん感度の調節は可能だ

 そしてゲーミングに関する設定などを担うのが、1つはホーム画面の下部のアイコンをタップして呼び出せる「Armoury Crate」。こちらでは端末のパフォーマンスやAuraライト、AirTrigger 6の感度など基本的な操作の設定が可能だ。

「Armoury Crate」はホーム画面中央下部のボタンを押して呼び出す。ゲームの起動やゲームに関連する設定などが可能だ

 そしてもう1つが、ゲームプレイ時に画面左右の上から斜め下にスワイプすると現れる「Game Genie」。こちらは通話着信や通知のコントロールや、AirTrigger 6のボタン配置などゲームプレイ時の細かな設定をするものだが、ROG PhoneのGame Genieは宇宙船のような、よりSF的なインターフェースに変更されている。

「Game Genie」ではゲームプレイ中の設定を変更したり、情報を確認したりできる。SF調のデザインとなりより見やすく、操作しやすくなった印象だ

 もちろんゲーミング専用の周辺機器もいくつか用意されており、先に触れたAeroActive Cooler 6のほか、専用のゲームパッド「Kunai 3 Gamepad」も利用可能だ。スマートフォンゲームはコントローラー非対応のものが多いのだが、スマートフォンと同じメーカーが作っていることもあって、コントローラー非対応のゲームにもカスタマイズによる対応ができる点はうれしいところだ。

Kunai 3 GamepadをROG Phone 6に装着したところ。本体に直接装着するには専用のバンパーが必要だ
もちろん取り外して単体のコントローラーとして使うことも可能だ

 ただ、これだけ多様な操作ができるようになると、気になるのがどうしても設定が複雑になり、事前の設定や調整に手間がかかってしまうこと。最適な設定は人によって違うだろうし、チートなどの問題も出てくるので難しい部分もあるだろうが、ゲームメーカーと協力してオススメ設定を用意するなどの取り組みもそろそろ必要ではないかと感じてしまう。

大容量バッテリーは維持、充実が図られたカメラ

 それ以外の機能・性能について触れると、バッテリーは本体左右に3000mAhずつ、合計6000mAhのバッテリーを搭載しており、65Wの急速充電ができるというのはROG Phone 5sと共通している。またバッテリーに充電せず本体に直接期給電する「バイパス充電」も継続して用意されており、こちらを利用すれば電源接続しながらゲームプレイしている時も発熱を抑え、なおかつバッテリーへの負荷を減らすことが可能だ。

 また、生体認証はディスプレー内蔵型の指紋センサーを採用しており、反応速度も悪くないのでコロナ禍でも安心感がある。加えてROG Phone 6は新たにIPX4の生活防水にも対応しており、IP68の完全防水・防塵と比べれば性能が落ちるとはいえ、日常生活でより安心して使えるようになったのは大きい。

 そしてカメラについてだが、ROG Phone 6のカメラは5000万画素/F値1.9の広角カメラと、1300万画素/F値2.2の超広角カメラ、500万画素のマクロカメラの3眼構成で、フロントカメラは1200万画素/F値2.4となる。ROG Phone 5sと比べると、広角カメラのセンサーがソニーの「IMX686」から「IMX766」に変更されており、画素数は下がったもののセンサーサイズは大型化している。

カメラは広角、超広角、マクロの3眼構成。広角カメラはよりセンサーサイズが大きい「IMX766」に変更されている

 実際に撮影してみても、広角カメラは明るい所だけでなく夜景も綺麗に撮影でき、オールラウンドに活用できる感触を受けた。ゲーミングスマートフォンはコストバランスの影響もあってカメラの性能がどうしても落ちる傾向にあるが、ハイエンドからミドルまで幅広い実績を持つセンサーを採用しているだけあって、ROG Phone 6のカメラは悪くない印象だ。

ROG Phone 6の広角カメラで撮影した写真
同じ場所から超広角カメラで撮影した写真
マクロカメラで撮影した写真。画素数が低い分サイズも小さくなるのは致し方ないところ
暗い時間帯にROG Phone 6の広角カメラを用いて撮影した写真
こちらは夜間撮影を使って撮影したもの。より細部のつぶれがなく、明るく写せているのが分かる

 そうした性能を生かして、ROG Phone 6には「ライトトレイル」という、光の軌跡を撮影しやすくする機能が搭載されている。同様の機能は最近のシャオミ製のハイエンド端末にも搭載されているのだが、そちらと比べるとどうしても光の軌跡以外の部分にブレが生じてしまいやすかった。利用する際は三脚に固定するなど、手ブレに細心の注意を払う必要がありそうだ。

「ライトトレイル」を使って車のライトの軌跡を撮影。4秒間固定する必要があるのだが、手で持って撮影するとどうしても背景がぶれてしまった

 最後にモバイル通信についてだが、ROG Phone 6はデュアルSIM(物理SIM)対応で、一方の回線は5G(Sub 6)にも対応する。対応バンドも充実しており、ドコモの4.5GHz帯(n79)をカバーしているのでドコモ系ユーザーは使い安いだろう。

モバイル通信はデュアルSIMに対応。SIMトレイは前背面にnanoSIMを1枚ずつ挿入するタイプだ

【まとめ】順当に進化を遂げたが価格競争が悩ましい

 まとめると、ROG Phone 6はゲーミングスマートフォンとして正当な進化を遂げたモデルといえ、機能面での追加要素は多くないが性能面は着実に向上しており、ゲームプレイ時の満足度は高まったといえるだろう。一方で気になったのは、1つに先にも触れた通り、AirTrigger 6の操作が多様になったことで設定も複雑化してしまっていること、そしてもう1つは価格だ。

 というのも最近では、「Black Shark 5」のように性能をある程度抑えて価格を重視したモデルが登場するなど、ゲーミングスマートフォンでも価格競争が激化しそうな兆しが出てきているのだ。もちろん性能重視で選ぶならばROG Phone 6の優位性は高いのだが、急速な円安が進み価格にシビアな消費者が増えている現状は、ASUSにとっても悩ましい所かもしれない。

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