ついに「都市の3Dマップ」も! Googleマップの新機能をチェックする
ASCII.jp / 2022年9月29日 3時15分
グーグルは9月29日深夜(アメリカ時間・9月28日)、検索技術に関するオンラインイベント「Google Search On ‘22」を開催した。
特にその中で、新しいGoogleマップに関わる部分だけをピックアップしてご紹介したい。
コミュニティ情報から盛り上がりを可視化する 「Neighborhood vibe」
まず1つ目の変化が「Neighborhood vibe」(近くの雰囲気)という機能だ。場所についてから「この周辺でなにかおもしろいことはないか」と考えて検索することは多いはず。そんな時に役立つ機能である。
Googleマップに情報を投稿する「コミュニティ」の力を借り、周囲で盛り上がっている部分・おもしろい場所を可視化し、移動先で楽しんでもらうことを目的としたもので、この数ヵ月中には、世界中でサービスが開始される予定だという。
東京タワーなどを3Dで見せる「Landmark aerial views」
次の機能が「Landmark aerial views」(ランドマークの空撮映像)。空撮映像から作った3D CGによって、世界中のランドマークとその周囲の様子を見せるもの。
すでに先行実装として、東京タワーとアテナイのアクロポリスには映像が入っていて、以下のような動画になっている。
東京タワーとアテナイのアクロポリスの「Landmark aerial views」。こうした表示が、世界中の250地点で楽しめる
米国時間9月28日以降、こうした映像が全世界250のエリアに用意され、誰もが楽しめるようになるという。
街全体をリアルタイムに3D化する「Immersive view」は東京でも使える
次の機能が「Immersive view」(没入型視点)。都市を詳細な3D映像で見せるものだ。
前述のLandmark aerial viewsに似ているが、Immersive viewはかなり性格が異なるものだ。Landmark aerial viewsは事前に生成した映像なので、日没や天気による表示の変化はなかった。また、交通渋滞の状況もわからない。しかしImmersive viewはリアルタイム生成なので、時間による変化なども再現される。
また、有名な建造物だけを再現しているのではなく、街の多くの建造物の再現を目指しているので、結果としてより詳細な情報が組み込まれている。どこが建物の入り口なのか、入るとどのようになっているのか、といった情報を、実際に操作しながら確認できる。
非常に手間がかかるものなので、いきなりあらゆる場所で使えるわけではない。グーグルは「事前の計画のもと進める」と説明している。
第1弾としては、今後数ヵ月以内にロサンゼルス・ロンドン・ニューヨーク・サンフランシスコ・東京で使えるようになるという。
ライブビューから「周囲にある店舗」などを検索可能に
次が「Search with Live View」(ライブビューからの検索)だ。現在のGoogleマップでは、歩く方向や目的の建物がある場所を現地で確認するために「ライブビュー」という機能が搭載されている。
ライブビューはスマホのカメラを使ってその場の映像を取得、映像に映っている建築物の特徴から、「その場所がどこか」「自分がどこを向いているのか」を、GPSやジャイロコンパスだけで情報を得るよりもさらに正確に認識する技術。俗に「VPS(Visual Positioning System)」と呼ばれるものだ。
従来は、ただ行き先を示すだけだった。だが実際に使っていると、「いま、現金の持ち合わせがないんだけれど、どこか近くにATMはないだろうか」といった情報を探したくなるもの。
そこでSearch with Live Viewでは、ライブビュー表示に、ATMや店舗、レストランなどの情報を重ねて表示し、「どちらの方向になにがあるのか」をわかりやすくしてくれる。
こちらも今後数ヵ月以内に、ロンドン・ニューヨーク・パリ・サンフランシスコ・東京でサービスが開始される予定だ。
エコルート検索を他社に開放、しかし日本ではまだ使えず
最後の1つは「Eco-friendly routing」(エコ重視の経路検索)。以前より、燃費を減らせる経路や、EVの充電スタンドに配慮した「エコフレンドリー・ルート」の検索はできた。
今回この機能が、サードパーティーアプリの中からも利用可能になる。EVの専用アプリやカーシェアリングアプリなどでは有用性が高いものだ。
こちらについては、現状エコフレンドリー・ルート検索がアメリカ・カナダ・EUでしか展開されていないため、それらの国々で年末までに展開される予定となっている。
筆者紹介――西田 宗千佳
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。 得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘」(KADOKAWA)などがある。
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