ハッセルブラッドの最新中判カメラ「X2D 100C」実機レビュー = 写真好きなら絶対手に入れたい逸品だっ!
ASCII.jp / 2022年9月30日 10時0分
なおカメラ本体に画質調整機能は一切搭載されてない(レンズ補正やノイズ処理はもちろん、サイズ変更すらできない)。またRAWデータを純正ソフト「Phocus」(無料でダウンロード可)で現像してみると、初期設定のままでも絞り開放の周辺光量低下が補正されるなど、JPEGとは異なる絵作りなる。
JPEGの画質も十分に満足できるが、自分好みに仕上げたいのならRAWで撮影して現像時に調整するほうがいいだろう。RAW現像は「Phocus」にくわえAdobeの「Camera Raw」でも可能である。
手振れ補正の効きは秀逸 AFも速度が向上して不便なしだ
予想以上に効果が実感できたのが、今回初めて搭載された「手ブレ補正」だ。しっかり構えれば遠景なら1/4秒、近景で1/15秒程度ならブレを防ぐことができた。
レスポンスは、電源ボタンを押してから起動まで3秒弱、液晶画面に情報表示されるまでは4.5秒ほどで、素早いとはいえないが、従来機よりは改善している。
従来機と同様に長時間撮影していると、ほんのりとグリップが熱くなってきるが、今時の季節ならそれほど気にはならなかった。
AF速度も、新レンズとの組み合わせでは、スムーズな動作でテキパキ合焦し、駆動音も静かになった。ただしAF-Cは搭載していないので、動きのある被写体には不向きである。
また高解像度だけに、少しのピントのズレが目立つので、被写体に向き合いじっくりとピントを合わせる撮影スタイルが向いている。
レンズ交換式デジカメでは少数派となったレンズシャツターは、振動が少なく、上品なシャッター音も魅力。バタつく感のあるフォーカルプレーンや味気ない電子シャッターとは違い、撮影していて気持ちが良かった。
気になるのは120万円という価格。スペック的にライバルとなる富士フイルムの「GFX100S」が75万円前後と考えると悩ましいところ。
しかし「HANDMADE IN SWEDEN」の刻印からわかるように、丁寧に作り込まれたボディーは並のカメラでは味わえない「所有欲を満たす製品」としての魅力がある。いつかは手にしてみたい、そんな憧れを抱かせくれるカメラである。
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