標準最大24日間MIL規格準拠スマートウォッチ「Amazfit T-Rex 2」約1ヵ月使った!
ASCII.jp / 2022年10月2日 12時0分
Amazfitのスマートウォッチ「Amazfit T-Rex 2」を使ってみました。発売されたのは6月24日でしたが、セールスポイントの1つであるナビゲーション機能がフルに使えるようになるのはアップデート後、と聞いていたので、8月1日のアップデートを待って、本格的に使い始めました。
Amazfit T-Rex 2は、Android 7.0以降、iOS 12.0以降に対応しています。筆者はiPhone 13 Pro(iOS 15)とペアリングして使用。約1ヵ月ほど使ってみた率直な感想をお伝えしたいと思います。
Amazfit T-Rex 2はアウトドア向けの最上位モデル
Amazfitは、中国・Zepp Health Corporationのスマートフォンブランドで、2021年の出荷台数は世界5位にライクインしています。「T-Rex」はアウトドア向けのシリーズで、Amazfit T-Rex 2(以下、T-Rex 2)は、2021年3月に発売された「Amazfit T-Rex Pro」に続くモデルです。ただし、2020年に「Amazfit T-Rex」という機種がリリースされており、T-Rex Proはその上位モデルという位置付け。なので、正確にはT-Rex 2はT-Rexの後継モデルと呼ぶべきでしょう。いずれにしろT-Rexシリーズ最新かつ最上位のモデルで、価格は4万3780円となっています。
タフさをアピールする硬派なデザイン。ボタンで操作できるのが利点
文字盤は円形で、1.39インチの有機ELディスプレイを搭載。ウォッチ部の素材にはポリマー合金を用いて、ベゼルは太め。ディスプレイよりも高くなっているので、うっかり何かにぶつけたりしても画面にキズがつきにくいことが利点。
ディスプレイはタッチで操作できますが、側面に4つのボタンを搭載し、ほとんどの操作はボタンを押す仕組み。手袋を着けたままで操作できるので、登山やウインタースポーツを楽しむ人には便利でしょう。
カラバリは3色あり、筆者が使っているのは「エンバーブラック」。ほかに「アストロブラック&ゴールド」と「ワイルドグリーン」があり、いずれも硬派で、頑丈さをアピールするデザインという印象。実際に、MIL規格(米国国防総省の資材調達基準)の15項目に準拠する耐久性を実現し、100メートルの水圧に耐える10ATM防水にも対応。マイナス30度の寒さにも耐えることも特徴としています。ただし、マイナス10〜マイナス30度といった極寒の環境で使うには、設定で「自動低温モード」に切り替える必要があり、一部の機能が無効になるようです。
バンドは22mm幅のシリコン製で、細かく穴が空き、汗が溜まらない仕様。バンドそのものの装着感は悪くはないのですが、腕に巻いて気になったのはサイズ感。普段、大きめの腕時計やスマートウォッチを使用している人は気にならないかもしれませんが、Apple Watchや、Amazfitの他のモデルと比べると、本体が分厚く、ゴツさが気になりました。重さは気にならないのですが、慣れないうちは、手を動かした時に、そばにある物に当たったりしました。
ただし、この存在感はメリットとも言えそうです。1ヵ月ほど使っていますが、何度か「どこのスマートウォッチですか?」と聞かれたので、いい意味で「目立つ」とも言えそうです。
道に迷っても戻れるナビゲーション機能が秀逸
T-Rex 2は、運動の記録、健康指標のモニタリング、スマホの通知など、スマホに求められる機能はほぼ漏れなく備えています。その中で、一般的なスマートウォッチと比べた優位性と言えるのがナビゲーション機能でしょう。
T-Rex 2は、同時に2つの衛星電波を利用できるデュアルバンドの位置測位システムが可能。また、GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS(みちびき)の5つの衛星測位に対応しています。このうち、デュアルバンドの位置測位と、QZSSへの対応が前モデルからの進化点で、アウトドア環境でも、より正確な位置を測位できるようになったとのこと。筆者はアウトドア派ではなく、登山時の位置情報取得のスムーズさなどを実感する機会はなかったのですが、普段ウォーキングやランニングをする際に、GPSによる位置情報の取得が素早く感じました。
ナビゲーション機能は、歩いた行程を正確に記録することはもちろん、あらかじめ用意した登山ルートを取り込んで、道案内に使ったり、道に迷ったときに、辿ってきた道を戻れるようにナビゲートしてくれる機能も使えます。
筆者は登山の趣味を持たずこの1ヵ月にそうした機会はなかったので、日常的にウォーキングをするルートで、ナビゲーション機能の使い勝手を試してみました。
ルートは、「Zepp」アプリからT-Rex 2にインポートできます。筆者は、自身の過去のウォーキングのデータを取り込みました。Amazfitのスマートウォッチを使っている友人がいれば、その友人のアークアウトデータをエクスポートして、メールなどで送ってもらい、そのデータを「Zepp」アプリにインポートして利用することも可能。登山のコミュニティサイト「ヤマコレ」で作成した登山計画をGPXファイルでダウンロードして、「Zepp」アプリに取り込むこともできるそうです。
T-Rex 2にインポートしたルートでウォーキングを始めると、ルートから外れるとアラートが表示されました。大きく外れてしまった場合は、スタート地点まで戻るルートを表示でき、導いてくれます。ウォッチの画面には地図は表示されませんが、正しいルートで戻っているかどうかはひと目で確認できます。初めて訪れる場所で道に迷った場合などに重宝しそうです。
ワークアウト計測や健康モニタリング機能も充実
スポーツモードは150種類以上。使い切れないほどあり、スポーツジムでの「筋力トレーニング」など、今ひとつ使いこなし方がわからないものもありました。種目によっては、「Zepp」アプリでトレーニングのメニューを作成してから、計測したほうがよいようです。とは言え、多くの人が使うであろう、ランニング、ウォーキング、サイクリングなどは、「ユーザーマニュアル」を読まずとも、すぐ使えて、運動を始めたことを自動で認識して、測定を開始する機能にも対応しています。
スポーツモードの使い勝手は、一般的なスマホと同等。計測中に運動の強度や走行距離、消費カロリーなどを確認でき、一時停止や再開も自動で認識してくれます。運動の終了後は、記録されたデータをウォッチで確認でき、データは「Zepp」アプリに同期され、スマホでより詳しいデータを確認できる仕組みです。
健康指標は、心拍数、血中酸素レベルを測定でき、ストレス値や睡眠のリズムもモニタリングできます。ユニークなのは、心拍数、血中酸素レベル、ストレス値、呼吸速度をワンタップで測定できる機能。45秒間じっとしている必要がありますが、運動の前後などにこれらを計測したい人には便利だと思います。
電話に応答できないことを除けば、スマホとの連携にも満足
スマホとの連携では、1つだけ不便に感じたことがありました。それは、音声通話に対応していないこと。スマホが着信した場合、T-Rex 2に着信が通知されますが、電話に応答することはできません。着信を拒否するか、その画面を非表示にすることしかできず、応答するには、スマホを取り出さなければなりません。個人的には、この大きさなのでマイクを搭載して、音声通話にも対応させてほしいと思いました。
とは言え、それを除けば、スマホの連携で不便を感じることはありません。アプリの通知は必要なものだけをオンにでき、iPhoneのカメラを起動させた状態で、T-Rex 2でシャッターを切ることも可能。iPhoneで再生している「Apple Music」を操作することもできました。
ほかに、コンパス、高度気圧計、カレンダー、スマホを探せる機能、ポモドーロタイマーなども備えています。
標準最大24日間、ハードな使用で最大10日間 驚くほど長く持ちした電池持ちには大満足!
筆者がT-Rex 2を1ヵ月ほど使って、最大の魅力と感じたのは電池持ち。500mAhのバッテリーを内蔵し、Amazfitによると「標準的な使用で最大24日間、省電力モードで最大45日間、ハードな使用で最大10日間」の連続使用を見込めるとのこと。実際、驚くほど長く持ちました。
筆者は健康指標の自動モニタリングはオンにして、週に数回、1時間程度のワークアウトを測定。さらに、週1回程度、腕に着けたまま寝て、睡眠の質もチェックしていました。おそらく、標準的な使い方に近いと思います。そんな筆者が満充電から2週間ほど使い続けたところ、電池は42%も残っていました。1日あたり4%くらいしか消費しない計算です。
使い方にもよるでしょうが、充電は月に2回程度で済むはず。電池持ちを重視する人には、非常に魅力的なスマートウォッチと言え流でしょう。
アウトドア派だけでなく、電池持ちを重視する人にも
頑強な作りで、物理ボタンでも操作できるAmazfit T-Rex 2は、登山やスキー、サイクリングなど、アウトドアのアクティビティを趣味とする人にはもってこいの印象。そうした趣味はなくても、このデザインと24日間の電池持ちに惹かれるなら、普段使いのスマートウォッチとしてもアリ。
強いて不足している機能を挙げると、Bluetoothによる音声通話、「モバイルSuica」などの決済機能、「Googleアシスタント」や「Siri」などの音声アシスタントとの連携といったところ。これらを必要としないのなら、積極的に検討する価値があるでしょう。
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