DeskMiniだから超小型、第12世代Core i5で仕事にもガッツリ使えて10万円以下! 省スペースな作業環境にもイチオシなデスクトップPC
ASCII.jp / 2022年10月14日 11時0分
オリジナルBTOパソコン「FRONTIER」でしられるインバースネットから、超小型デスクトップパソコン「MD」シリーズが登場した。縦置きも横置きも可能な手のひらサイズの筐体に、デスクトップ用のインテル第12世代Coreプロセッサーを搭載しており、小型軽量と高性能を両立しているのが特徴。
今回、MDシリーズでCore i5-12400を搭載し、9万9800円と10万円以下で購入できる「FRMDB660/B」を試すことができたので、製品の外観や使い勝手、パフォーマンスなどを紹介していこう。
ベアボーンキット「DeskMini B660」がベース 超小型で場所を選ばず設置できる
MDシリーズはASRockのベアボーンキット「DeskMini B660」をベースにしたデスクトップパソコン。小型軽量ながら、比較的性能や拡張性が高く、省スペースで高性能なミニパソコンがほしいというニーズに応える製品になっている。
本体サイズはおよそ幅80×奥行き155×高さ155mm、質量は約1.55kgで、手のひらに乗せることができるほどコンパクト。縦置きも横置きも可能なため、設置場所に合わせて柔軟にレイアウトできる。横置きにした場合でも、フットプリントはCDジャケットよりひと回り大きい程度なので、空きスペースの少ない机やテーブルにも設置しやすいのがうれしい。
本体カラーはブラックで、側面や天面、底面などには金属素材が使用されている。フロントパネルは樹脂製だが、ヘアラインがあしらわれており質感は高く、チープな印象はない。
本体左側面と天面、背面の広い面積に通気口が設けられており、エアフローの効率はかなりよさそうだ。実際、ベンチマークテストなどの負荷のかかる処理をしている最中でも、ファンの音がうるさくて気になることはほぼなかった。
右側面にはネジの取り付け穴が用意されており、製品には付属していないがDeskMini用のVESAマウントキットを別途入手すれば、VESA規格に準拠したモニターアームやウォールマウント、ディスプレー背面などに装着することも可能だ。
小型ながら最大4基のストレージを内蔵可能
小型ながら拡張性が高いのも、MDシリーズの大きな特徴。背面のネジを取り外すことで簡単に内部にアクセスできるため、メモリーやストレージの交換や増設がしやすくなっている。
メモリーは最大64GBまで搭載可能。ストレージはM.2スロットが2つ、2.5インチベイが2つ内蔵されているため、最大4基のストレージを搭載できる。評価機の場合は、標準搭載のM.2 SSDにヒートシンクを装備するなど、高負荷時の排熱を高める配慮がされていた。
インターフェースは本体前面にマイク入力、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen2 Type-A、ヘッドセット接続端子を、本体背面にDC in 端子、D-SUB、USB 3.2 Gen2 Type-C、HDMI、DisplayPort、USB 2.0×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、有線LAN端子を搭載している。
このうち本体背面のUSB 3.2 Gen2 Type-Cポートは、DisplayPort Altモードに対応しており、外付けディスプレーに映像出力が可能。これとは別にHDMIとDisplayPort、D-SUBも搭載されているので、全部で4画面の同時出力ができることになる。マルチディスプレー環境を構築したいユーザーにはありがたい仕様だ。今回はHDMI、DisplayPort、USB Type-C経由でそれぞれ外付けディスプレーにつないで使用してみたが、いずれも4K/60Hzで表示された。
このほか、本体背面上部には無線LANアンテナ端子×2も装備。通信機能は有線LANのほかに、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)とBluetooth 5.2にも対応する。
製品には無線LANアンテナも2本同梱されているが、本体に装着しなくてもWi-Fi自体は接続することが可能だった。ただし取り付けることで受信感度はアップするので、より安定した通信をしたい場合は、素直に装着して使用した方がよさそうだ。
日常用途やビジネス用途には不満のない性能
超小型パソコンの場合、熱設計がシビアなため省電力タイプのCPUを採用することが多い。しかしMDシリーズにはデスクトップ向けで6コア/12スレッドのCore i5-12400が採用されている。
第12世代Coreプロセッサーは高性能なPコア(Performance-core)と、高効率のEコア(Efficient-core)を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーが特徴だが、本機のCore i5-12400はEコアを省いたモデルで、Pコアのみの6コア/12スレッドという構成になっている。
コア数とスレッド数は前世代のCore i5-11400と同じだが、10nmプロセスの最新コアアーキテクチャー「Golden Cove」が採用されているため、パフォーマンスの向上はかなり期待できそうだ。なおグラフィックスはCPU内蔵のインテル UHD グラフィックス 730で、評価機はメモリーが8GB、ストレージは500GBのM.2 NVMe SSDが搭載されていた。
いったい、どのくらいのパフォーマンスなのだろうか。そこでベンチマークテストをいくつか実行してみることにした。なお、Power Limit(電力制限)などの解除は行なわず、すべてデフォルトの状態で計測している。
まず、CINEBENCH R23ではマルチコアが10978pts、シングルコアが1700ptsという結果だった。いずれも前世代のCore i5-11400からは大きく伸びている。とくにアプリの動作に影響するシングルコアは2割程度アップしており、ブラウザーや日常的に使用するアプリはもちろん、画像編集などのクリエイティブ系アプリもより快適に動くことが期待できる。
続いてPCMark 10を試してみたところ、総合スコアが4798、パソコンの基本性能を示すEssentialsが9703、ビジネスアプリの性能を示すProductivityが6806、クリエイティブ系アプリの性能を示すDigital Content Creationが4542となった。
快適に動作する目安は、Essentialsが4100以上、Productivityが4500以上、Digital Content Creationが3450以上となっているが、本製品はいずれも大きく超えている。普段使いはもちろんだが、軽い画像編集や動画編集なども行なえる性能といえるだろう。
次に、「3DMark」でグラフィックス性能をチェックしてみた。
CPU内蔵グラフィックスということもあってパフォーマンスはそれほど高くないが、ブラウザーゲームや軽めのMMORPGのレベル上げ程度であれば、問題なくこなせそうだ。
このほか、ストレージ性能は「CrystalDiskMark」でチェックしてみたところ、図のようになった。試用機には500GBのSSD(PCIe Gen3×4)が搭載されていたが、その高速さがわかる結果になった。
10万円以下で購入可能なコスパの高さにも注目! よりお手頃なCore i3モデルも要チェック
手のひらに乗るコンパクトなサイズと性能の高さを両立したデスクトップパソコンのMDシリーズ。小型軽量ながらデスクトップ向けのミドルレンジプロセッサーを採用しており、普段使いはもちろん、画像編集などのある程度負荷の高い作業も快適に行なえるパフォーマンスを実現しているのが魅力的だ。直販サイト「FRONTIERダイレクトストア」では、今回試したFRMDB660/Bは9万9800円という価格で販売されており、その実力を考慮すればコストパフォーマンスはかなり高い。
なお直販サイトでは、メモリーを16GBに増量した「FRMDB660/C」や、CPUにより廉価なCore i3-12100を搭載した「FRMDB660/A」も販売されている。後者はCPU以外はほぼ同じ構成ながら、より手頃な8万6800円で手に入る。Core i3-12100はビジネス向けアプリを使うには十分なパフォーマンスなので、少しでも安く実用的なデバイスを購入したい人は、併せて検討してみてはいかがだろうか。
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