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性能だけでなく操作も多彩なゲーミングスマートフォン「Black Shark 5 Pro」

ASCII.jp / 2022年10月8日 12時0分

 日本でも継続的に販売されている、ゲーミングスマホ「Black Shark」。その最新モデルの中でも高性能な上位モデルとなるのが「Black Shark 5 Pro」だ。ゲームを快適にプレイするための高い性能と、ゲームプレイの幅を広げる「マスタートリガー」「マジックプレス」など独自の機構を取り入れた最新のBlack Sharkの実力を実機から探ってみよう。

ゲーミングを意識したデザインだが気になる点も

 まずは外観を確認すると、ディスプレーサイズは6.67型で、サイズは約76.5×163.9×9.5mm、重量は220g。最近のスマートフォンとしては大きいだけでなく厚さも感じるが、その辺りはゲーミングスマートフォンらしい性能とのトレードオフといえるだろう。

「Black Shark 5 Pro」の前面。ゲーミングスマートフォンとしては珍しく、フロントカメラはパンチホール構造となっている

 ディスプレー素材は有機ELで、前機種となる「Black Shark 4 Pro」と同様、フロントカメラにはパンチホール構造を採用。角にも丸みがあるなど、有機ELの特性は生かされているがすべての画面をフル活用してゲームをプレイしたい人にはやや惜しい仕様だといえる。

 一方の背面はゲーミングスマートフォンらしいデザインで光る部分があるものの、派手さはなく落ち着いた印象。表面はさらさらして指紋が付きにくく、それでいて滑りにくい触感なのはうれしいが、カメラ部分の面積と出っ張りがやや大きく、背面を背にしてテーブルなどに置いた場合は傾きがやや気になる。

背面から見たところ。ゲーミングスマートフォンとしてはデザインが落ち着いた印象だが、カメラ部分がやや大きい
もちろん背面は一部光る。光り方は設定で変更可能だ

 側面は背面側に丸みがあるので手にフィットしやすく、ゲーミング向けということもあってインターフェースも多い。右側面には電源キーと、シャオミの「POCO F4 GT」にも搭載されているマグネット式ポップアップトリガー、左側面には音量キーが備わっているほか、底面にはUSB Type-C端子とSIMスロットが用意されている。

右側面は電源キーのほか、上下にマグネット式ポップアップトリガーが備わっている
マグネット式ポップアップトリガーはスイッチを開くと飛び出し、物理ボタンとして使う事ができる

 ただ、実際に使ってみると気になる点がいくつかある。1つは横にした状態で下部に音量キーが位置してしまうのに加え、音量キーが押しやすいようにやや出っ張ったデザインとなっていることから、スタンドに置く時などに押してしまいやすいことだ。

左側面から見たところ。音量キーは横にした状態で下部に配置されてしまう

 2つ目はスピーカーの位置で、横にした状態で左右に配置されておりゲームプレイをステレオサウンドで楽しむことを意識しているのは分かるのだが、前面ではなく側面に配置されているため両手で持った時塞いでしまいやすい。実際にゲームプレイしていても、うっかり手でスピーカーを塞いでしまい突然音が小さくなって戸惑うことが少なからずあった。

 そしてもう1つは、Black Shark 4 Proまで搭載されていた3.5mmのイヤホン端子が備わっていないこと。もちろんBluetoothのワイヤレスイヤホンも使えるし、USB端子にアダプターを接続することで有線イヤホンを接続することも可能なのだが、前者の場合音の遅延が大きく影響するリズムゲームのプレイに支障が出ること、後者の場合はアダプターがゲームプレイ自体に影響を及ぼす可能性があることが気になるところだ。

側面下部にはUSB Type-C端子とSIMスロット、スピーカーが備わっているがイヤホン端子はなし。スピーカーも側面にあるので手で塞いでしまいやすい

性能は最高クラスだが ファンによる放熱の実力は?

 続いてゲーミングに関する機能・性能を確認していこう。まずは基本性能についてだが、チップセットはクアルコムのハイエンド向け「Snapdragon 8 Gen1」、メモリーは12GB、ストレージは256GBと、現在のハイエンドスマートフォンに並ぶ性能を備えている。

 ベンチマークを実行しても非常に高いスコアが得られるし、各種ゲームでの設定を確認してもAndroid端末としては現時点で最高の設定が可能だ。ゲーミングに関する性能は十分満足できる内容であることが分かる。

「Geekbench 5」におけるBlack Shark 5 ProのCPUベンチマーク結果
「3DMark」(Wild Life Extreme)におけるBlack Shark 5 ProのCPUベンチマーク結果
「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」と、現時点でAndroidの最高性能まで上げることが可能だ
「原神」の画面設定はデフォルトで「中」だが、最高設定かつフレームレートを60fpsにしても快適に動作する

 また快適なゲームプレイに欠かせない要素としてもう1つ、ディスプレーの滑らかな表示と操作性が挙げられるが、こちらもディスプレーのリフレッシュレートが144Hz、タッチサンプリングレートが720Hzと、他のゲーミングスマートフォンに並ぶ性能を備えている。

 一方で気になるのは長時間プレイ時の発熱だろう。Black Shark 5 Proは2つの大型ベイパーチャンバーを搭載するなど放熱にもかなり力が入れられているが、実際に試してみるとやはりAAAクラスのゲームを、30分を超えてプレイするとパフォーマンス低下こそあまり起きていないが手に熱さを感じるようになる。

「原神」を通常パフォーマンスでしばらくプレイし、前面の温度を測定してみたところ。40度を超えていることが分かる

 そうした長時間プレイによる熱の対処には冷却ファンを用いるケースが増えているが、Black Sharkもいくつかの冷却ファンをオプションで用意している。1つはマグネット式で背面に装着できる小型の「Magnetic Cooler」、もう1つはより大型で、スマートフォンから回転や光り方などをコントロールできる「Black Shark Fun cooler3Pro」。

 いずれも機種を問わず利用できる冷却ファンだが、Black Shark 5 Proは後述する「Shark Space」でBlack Shark Fun cooler3Proとの接続やコントロールが可能だ。

オプションとして販売されている「Magnetic Cooler」(左)と「Black Shark Fun cooler3Pro」(右)。Black Sharkシリーズ専用ではないが、Black Shark Fun cooler3ProはBlack Shark 5 Proと連携しやすい仕組みが備わっている
ちなみにBlack Shark Fun cooler3Proはゲーミングデバイスらしく光る仕組みが備わっている

 実際に、通常のパフォーマンス(SOLARCORE)で「原神」をプレイし、どの程度冷却されるのかを試してみたところ、Magnetic Coolerでは38~40度、Black Shark Fun cooler3Proでは35度前後まで下げることができた。もっともBlack Shark 5 Proは背面にマグネットがないのでMagnetic Coolerを装着するには専用のシートを貼る必要がある、Black Shark Fun cooler3Proはかなり大ぶりなので手で持った時にやや指の位置を考慮する必要があるなど、弱点もあるので利用する際は注意されたい。

先の状態からMagnetic Coolerを使って温度を測定したところ。最終的には40度を切るくらいまで温度を下げることができた
同様にBlack Shark Fun cooler3Proを使って温度を測定したところ。ファンが大型なぶん、より高い冷却効果を持つことがわかる

ゲーム操作に役立つ3つのインターフェース

 続いてゲームプレイを快適する操作に関してだが、Black Shark 5 ProはBlack Shark 4 Proと同様3つのインターフェースが用意されており、かなりの充実が図られている。

 1つ目は「マジックプレス」。以前iPhoneにも搭載されていたディスプレーの感圧センサーを用い、ディスプレーを押し込むことで指定の操作ができるもので、Black Sharkシリーズで継続して搭載されている機能だ。Black Shark 5 Proでは単に押し込むだけでなく、連続して押す、複数のポイントを押すなどさまざまな割り当てが可能となっている。

「マジックプレス」の設定画面。これを使えば、かつてのiPhoneの「3D Touch」のような感圧センサーを使った操作が可能になる

 2つ目は「マスタートリガー」。これは横にした状態で上側面の左右に配置されているマグネット式ポップアップトリガーを特定の操作に割り当てるもので、発動条件もボタンを押すだけでなく、連続して押す、複数回押すなど好みに応じて設定変更可能だ。

 そして3つ目は「モーションセンサー」で、本体を上下左右に振る、傾けるなどした時に特定の操作をできるようにするもの。もちろんすべて設定する必要はないのだが、ゲームに応じてプレイしやすいよう幅広いインターフェースが備わっている点はBlack Sharkシリーズならではといえ、カスタマイズが好きな人にはメリットが大きいだろう。

こちらは「モーションセンサー」の設定画面。本体を上下左右に振るなどして特定の操作が可能になる

 もちろん通常の操作に関しても、ゲーミングに関するさまざまな機能が利用できる「Shark Space 4.0」で細かな設定が可能だ。パフォーマンスやタッチの感度、画面の色合いなども調節できるので、ゲームに応じて設定するのがいいだろう。

「Shark Space 4.0」でゲーム中のさまざまな設定が可能。先のインターフェースだけでなく、画面タッチや色合い、本体パフォーマンスなどの調整も可能だ

 ただ一方で、最近のゲーミングスマートフォンに共通した問題ともいえるのだが、機能が増え非常に細かな設定が可能になった一方で、その分設定が複雑化してしまい、手軽に利用したい人にとっては設定にかかる手間が大きくなってしまった印象を受けてしまう。やはりゲームに応じた「お勧め設定」などもぜひ用意して欲しい所だ。

 ちなみに感圧センサーやマグネット式ポップアップトリガーは通常の操作に利用することも可能。設定によりさまざまな機能が割り当てられるのだが、その設定項目に日本ではほぼ用いられないであろう「Alipay」や「WeChat Pay」の呼び出しなどが設けられているのは少々気になった。

マジックプレスやマスタートリガーはスマートフォンの通常操作にも用いることが可能。設定できる項目は多くカスタマイズ性も高い

120W急速充電は驚異的 カメラ機能も必要十分

 それ以外の機能・性能について確認すると、バッテリー容量は4650mAhと、とりわけ大きいワケではないが、最近のスマートフォンとしてはスタンダードな容量を備えている。だが注目されるのは120Wの急速充電に対応している点で、本体付属の充電器を用いることで15分での充電が可能とされている。

 実際に試してみたところ、およそ6分で50%を超え、約17分でフル充電できたことからやはり驚異的な充電速度だと言える。ただ付属の充電器はシャオミ製のスマートフォンと同じ、形状はともかく色やデザインがBlack Sharkと合わせた仕様となっていないのが惜しい。

付属の120W対応充電器と本体を並べてみたところ。サイズが大きいのはやむを得ないが、デザインがシャオミのものほぼそのままというのが惜しい

 またバッテリーを充電せずにスマートフォンに直接給電する「バイパス充電」も新たに搭載されるなど、充電しながら利用する際にも配慮がなされている。だが一方で、付属のUSB Type-Cケーブルが一般的な形状で、POCO F4 GTのようにL字型でないなど、ハード面では不満が残る印象だ。

付属のUSBケーブルは通常の形状なので、横にした状態でのゲームプレイ時はやや邪魔になる

 通信に関しては5Gにも対応しており、ドコモの4.5GHz帯(n79)もカバー。SIMは物理SIM(nanoSIM)×2のデュアルSIM仕様で、eSIMは搭載されていない。従来のBlack Sharkシリーズ同様、5Gと4Gのどちらを優先するか設定することもでき、速度有線なら5G、バッテリー節約なら4Gといった使い分けも可能だ。

 最後にカメラについてだが、Black Shark 5 Proの背面のカメラは1億800万画素/F値1.75のメインカメラと1300万画素/F値2.4(Exif値より)の広角カメラ、500万画素/F値2.4のマクロカメラの3眼構成。一般的なフラッグシップモデル比べると突出した性能を持つワケではないが、ゲーミングスマートフォンとして見ればカメラの充実度は高い方だろう。

カメラはメイン、広角、マクロの3眼構成。メインカメラは1億万画素超と性能は高い

 望遠カメラは備わっておらず最大で5倍のデジタルズームとなるが、メインカメラに画素数の高いセンサーを備えているだけあって日常的な撮影用途には十分だろう。機能やインターフェースもシャオミのものを踏襲しており、印象的なショート動画を撮影できる「VLog」などが利用できる一方、マクロカメラは上部のメニューから呼び出す必要がある点も共通しているので注意したい。

メインカメラで撮影した写真
同じ場所から広角カメラで撮影した写真
マクロカメラで撮影した写真。マクロカメラの呼び出しはシャオミ製端末と同じだ
利用できる機能を見ても、「VLog」などシャオミのものを踏襲している

【まとめ】ゲームプレイに申し分ないが 詰めの甘さが目立つのも確か

 まとめると、Black Shark 5 Proはゲーミングに特化していることもあり、性能面はもちろんだが機能面での充実度も高い。他のゲーミングスマートフォンと比べても多様なインターフェースを備えているだけに、うまくカスタマイズすればプレイをより快適にできるだろう。

 一方で、全体的に詰めの甘さが残る点が気になった。ハード面で言えばスピーカーや音量キーの位置、付属のUSBケーブルなどが挙げられるし、ソフト面でいえばメニューの日本語に不自然さが残る部分がまだ多く、アシスタントキャラクターの「Shark Chan」の会話も、どことなく違和感を抱く部分があるように感じた。価格を抑える上でやむを得ない部分もあるかもしれないが、よりターゲットを広げる上でも細かな部分での配慮や改善を求めたい。

アシスタントキャラクターの「Shark Chan」が利用できるアプリも用意されており、目覚ましなどに利用可能だ

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