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耳穴を使った生体認証、NECが耳音響認証を完全ワイヤレスイヤホンに採用

ASCII.jp / 2022年10月11日 13時0分

NECのサイトより

 この連載で以前、AirPods Proを使用したイヤホンの生体認証に関する特許をアップルが取得した記事を書いた。しかし、イヤホンを用いた生体認証はアップルだけのアイデアではないようだ。

 NECは9月28日にイヤホン型の端末とクラウドを連携した生体認証サービスを10月に開始すると発表している。FOSTEXの母体であるフォスター電気と共同開発したものだ。

認証のイメージ

 生体認証には「耳音響認証」と呼ばれる技術が使用されている。これは人の耳穴(外耳道)には個人性を利用したもの。耳穴に対して検査音の反射から個人の特徴を測定する。アップルの特許と同じ考え方である(もちろん特許上の差異はあるのだろうけれども)。

 この方式の利点はマスクや手袋・メガネなどをしていても、生体認証が使えるということだ。また、外見上の特徴ではなく内側の特徴なので、変装などの詐称が困難でもある。イヤホンは常に装着しているため、認証時は本人だったが、後から他人に入れ替わっていたという問題も回避できる。

 認証時に手が塞がることは、工事現場やテレワークでの認証に向いているという。現在のマスク社会にも有効であるし、女性であれば顔認証と違い、化粧の有無を気にしなくて済むということもあるだろう。

先駆けとなったクラファン

 耳音響認証は法人向けサービスとして展開している。ただし、個人向けのシステムは2年前に、「NECヒアラブルデバイス」として、クラウドファンディングサイトの「Makuake」に登場していた。これもフォスター電機との共同開発によるものだ。

Makuakeでの製品

 NECヒアラブルデバイスは、実質的にアクティブ・ノイズ・キャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンだった。これに上述の生体認証機能が搭載されていて、Android版の専用アプリにその情報を登録できた。アプリを起動させた状態では個人認証が有効になり、セキュアな音声メモが取れる。

 実のところ、この機能だけではあまり価値が高いとは思えない。まずは試験的に製品を作り、そのノウハウをクラウドサービスとつなぎこむことで新しい付加価値を模索しようとしているのだろう。

 今後完全ワイヤレスイヤホンがIoT機器として活躍の場を広げていくと、セキュリティが欠かせなくなる場合もあるだろう。そうした時に、この耳穴による生体認証は興味深い解決策になるかもしれない。

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