より大画面でカメラが進化、映像にも強くなった「AQUOS sense7 plus」
ASCII.jp / 2022年10月20日 12時0分
ソフトバンクから発売されたシャープ製の「AQUOS sense7 plus」は、ミドルクラスの定番スマートフォンの最新機種「AQUOS sense7」の上位版に位置付けられるスマートフォン。カメラやチップセットなどベースの性能やデザインはAQUOS sense7を踏襲しながらも、より大画面であることを活かして映像視聴に力が入れられているのが特徴だ。実機に触れる機会を得たのでその実力を確認してみたい。
大画面ながらも軽量 デザインは「AQUOS R7」を踏襲
まずは本体サイズだが、ディスプレーサイズは6.4型でサイズは約76×160×8.2mm、重量は約172g。形状は最近のスマートフォントレンドを踏襲したスクエアなもので、6.5型以上が一般的な最近の大画面モデルとしては画面サイズがやや小さめだが、その分軽めで持ちやすい。
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ディスプレーはシャープ独自の有機EL「IGZO OLED」を採用しており、こちらも軽量・薄型化に貢献しているものと考えられる。ただフロントカメラ部分はパンチホールではなくノッチで、小さく抑えられているとはいえ、やや惜しい印象を受けてしまう。
背面はAQUOS sense7と同様、フラッグシップモデルの「AQUOS R7」を踏襲したデザインとなっており、メインカメラが中央に位置する独自の構成となっているのが特徴的だ。従来のAQUOS senseシリーズはよく言えば普遍的、悪く言えば没個性的なデザインでもあっただけに、AQUOSシリーズとしての個性と統一感を打ち出した点は好感が持てる。
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側面のインターフェースを確認すると、左側面には音量キーと電源キー、そして指紋センサーが備わっており、底面にはUSB Type-C端子と3.5mmのイヤホン端子、上面にはSIMスロットを搭載している。AQUOS R7同様Googleアシスタントキーがなくなったことは非常に大きなプラス要因だが、コストが影響してなのか指紋センサーが電源キーとの一体型でない点は惜しい。
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標準カメラのセンサーが進化しAFも高速化
続いてカメラを確認すると、AQUOS sense7 Plusの背面カメラは約5030万画素/F値1.9の標準カメラと、約800万画素/F値2.4の広角カメラの2眼構成となっている。
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AQUOS senseの前モデル「AQUOS sense6」シリーズと比べると、標準カメラのイメージセンサーが強化されているのが大きな変化といえるだろう。画素数の向上に加え、センサーサイズも1/2.0型から1/1.55型へと大型化がなされていることから、強化された標準カメラを活かして暗い場所での撮影により強くなっている。
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また、すべての画素を用いた位相差オートフォーカス(AF)によって、AQUOS R7同様AFの高速化もなされている。画質的には1型センサーを搭載したAQUOS R7に及ばないとはいえ、一部のハイエンドモデルに匹敵するカメラ性能を備えていることは確かで、幅広いシーンで満足のいく写真を撮影できるようになった。
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一方で、AQUOS sense6シリーズと比べた場合、望遠カメラがなくなったというデメリットもある。ただAQUOS sense6の望遠カメラは800万画素と画素数があまり高くなかったことを考えると、センサーの性能が向上したAQUOS sense7の標準カメラによるデジタルズームで、デメリットはある程度カバーできるのではないだろうか。
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なお、フロントカメラは約800万画素/F値2.0と、ミドルクラスとしては相応といえる性能。背面のカメラと比べると特徴的要素は少ないが、従来通りポートレート撮影や美顔機能などの利用は可能だ。
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滑らかな映像と迫力のサウンドに重点
続いて性能面を確認すると、AQUOS sense7 Plusはチップセットにクアルコム製の「Snapdragon 695 5G」を搭載し、メモリーは6GB、ストレージは128GB。チップセットだけを見れば「AQUOS sense6s」と同じなのだが、メモリーやストレージは強化されている。
ミドルクラスでは定番中の定番というべきチップセットを載せているだけに、ベンチマークやゲームで性能を確認しても他のSnapdragon 695搭載機種と大きな違いはないようだ。アプリの切り替わり時などに表示エフェクトが若干もたつくことがあるが、それはほかのSnapdragon 695搭載機にもよく見られること。高い画質やパフォーマンスを求めなければAAAクラスのゲームもなんとかプレイできるし、通常のスマートフォン利用で大きな不満を抱くことはないだろう。
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一方で、AQUOS senseシリーズの中でもAQUOS sense7 Plusが強くこだわっているのが映像視聴だ。滑らかな映像再生のため、AQUOS Rシリーズで採用されている秒間120回の表示に黒の画面を補完し、秒間240回の表示を実現する240Hz駆動ディスプレーを取り入れたほか、動画専用プロセッサーの搭載によって24fpsの動画を120fpsにフレーム補完する機能なども搭載している。
また音声に関しても、左右に2つずつ大口径・大振動スピーカーユニットを搭載。左右のスピーカーで従来よりパワフルなステレオサウンドを楽しめるようになっている。スピーカーは横にした状態で左側が前面、右側が側面と完全な左右対称の配置ではないものの、手に持った時も塞ぎにくい構成で、大音量にすれば非常に迫力あるサウンドが楽しめた。
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そして気になるバッテリーに関してだが、AQUOS sense7 Plusはサイズが大きいことを活かして、5050mAhと従来以上に大容量のバッテリーを搭載、それに加えて省電力性に優れたIGZO技術を採用することによって、一層長時間バッテリーを利用できる工夫がなされている。
またAQUOS senseシリーズらしい安心感という側面でいうと、FeliCaに加えIPX5・IPX6・IP6Xの防水に対応、通常は対応していないお風呂での防水性能も備えるほか、米国国防総省が定めるMIL規格(MIL-STD-810G)準拠の耐衝撃性能も備えている。加えて生体認証は指紋に加え、顔認証による画面ロック解除にも対応するが、マスクをした状態でも認識できるというのは、コロナ禍以外でもマスクの利用が多い日本人にはうれしい配慮といえるだろう。
最後にモバイル通信関連について確認すると、物理SIMとeSIMのデュアルSIMを採用しており、もちろん5Gにも対応。ただし販売がソフトバンクのみ、なおかつミドルクラスということもあって、5Gの対応バンドはSub 6のn3/n28/n77/n78、4Gの対応バンドもドコモやauのプラチナバンドをカバーしていないことから、ソフトバンク以外のSIMを利用する際は注意が必要だ。
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【まとめ】個性をうまく打ち出したが値段も高くなった
最近のミドルクラスの端末は、半導体不足の影響もあってかチップセットがほぼ共通しており、没個性化が進んでしまって、各社とも特徴を打ち出すのに苦労している印象を受ける。それだけにAQUOS sense7 Plusは、「AQUOS sense」シリーズが持つ使い勝手の良さや安心感といった特徴を引き継ぎながらも、ハイエンドモデルの一部性能を取り入れ、映像関連の機能充実を図ることでうまく個性を打ち出すことに成功している。
ただそれだけに惜しいと感じてしまうのは、一括で6万9840円とミドルクラスとしては高めになってしまった価格と、販路がソフトバンクに限定されてしまっていること。とりわけ価格に関しては、AQUOS sense 6シリーズの頃から高騰化の兆しが出てきている一方、より低価格の「AQUOS wish」シリーズを投入しており、そちらとの差別化も図る必要も出てきているだけに、今後シャープがAQUOS senseシリーズをどうポジショニングしていくかが気になるところだ。
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