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【活用提案】iPadをサブディスプレーにできる「Sidecar」を活用! Macの作業領域を2画面に拡大!

ASCII.jp / 2022年11月10日 12時0分

 ノートパソコンは機動性に優れ、さまざまな場所で作業ができるというメリットを持つが、どうしても画面サイズには制約があり、デスクトップ機のような作業領域は確保できない。そこで活躍するのが、「Sidecar」という機能だ。

 これは、簡単に言えば、“Macの画面を拡張する”機能。iPadを利用して2画面に作業領域を拡張できるので、それだけ作業効率を上げることができる。また、Macの画面とまったく同じものを表示する「ミラーリング」機能も利用可能。今回は、このSidecarの設定方法や便利な使い方などについて紹介していこう。

 なお、Sidecarに似た機能として「ユニバーサルコントロール」があるが、こちらはMacのキーボードとマウス(トラックパッド)でiPadが操作できるという、”入力環境を拡張する”機能だ。ユニバーサルコントロールについては、前回記事(【活用提案】iPadのアプリをMacのキーボード&マウスで操作 「ユニバーサルコントロール」で効率アップ!)をご覧いただきたい。

iPadをMacのサブディスプレーにできる「Sidecar」

●Sidecarに必要な動作環境とは

 Sidecarは、iPadとMacで1対1の接続が可能だ。利用できるシステム条件は下記のとおり。なお、SidecarはOSのバージョンによって操作の手順が異なるので、ここでは、macOS Montereyでの手順を紹介しよう。

〈Sidecarのシステム条件〉

【iPad】 iPadOS 13以降を搭載した次のデバイス ・iPad Pro(すべてのモデル) ・iPad(第6世代)以降 ・iPad Air(第3世代)以降 ・iPad mini(第5世代)以降

【Mac】 macOS Catalina(10.15)以降を搭載した次のデバイス ・MacBook Pro(2016年以降に発売されたモデル) ・MacBook(2016年以降に発売されたモデル) ・MacBook Air(2018年以降に発売されたモデル) ・iMac(2017年以降に発売されたモデル)またはiMac(Retina 5K、27-inch、Late 2015) ・iMac Pro ・Mac mini(2018年以降に発売されたモデル) ・Mac Pro(2019年に発売されたモデル) ・Mac Studio

【その他】 ・2ファクタ認証を使っている同じApple IDでサインインしている ・Bluetooth/Wi-Fi/Handoffを有効にする ・各デバイスを10メートル以内に配置する ・iPadでモバイルデータ通信接続を共有していないこと ・Macでそのインターネット接続を共有していないこと

●メニューからiPadを選ぶだけでSidecarが起動

 Sidecarを起動する方法はとても簡単。Macで、iPadの画面に表示させたいウィンドウを開き、「フルスクリーン」ボタンにマウスポインターを合わせて、サブディスプレーにするiPadを選択するだけだ。

開いているウィンドウからSidecarを起動するには、ウィンドウの「フルスクリーン」ボタンにマウスポインターを合わせる。メニューが開くので、サブディスプレーにするiPadを選択する。
Sidecarが起動し、iPadにそのウィンドウが移動する。これでiPadがサブディスプレーとなり、マウスポインターやウィンドウが自由に行き来できるようになる。

 もう一つ、コントロールセンターからSidecarを起動する方法もある。こちらは、コントロールセンター内の「画面ミラーリング」を選び、接続するiPadを選択すればいい。

メニューバーのコントロールセンターを開き、「画面ミラーリング」をクリック。接続したいiPadを選択する。

●iPadへの操作は限られるがApple Pencilなら書き込みも可能

 iPad側はMacのサブディスプレーとして機能しているので、Macのキーボードとマウス(トラックパッド)での操作となる。だから、基本的にiPadの画面に指でタッチしても操作はできないのだが、次のジェスチャーだけは指で操作できるので覚えておこう。

【スクロール】2本指でスワイプ 【コピー】3本指でピンチイン 【カット】3本指で2回ピンチイン 【ペースト】3本指でピンチアウト 【取り消す】3本指で左にスワイプ、または3本指でダブルタップ 【やり直す】3本指で右にスワイプ

 ただし、Apple Pencilを使うと、画面をなぞってマウスポインターの移動や、ペンをタップしてクリックや選択などの操作が可能。また、アプリによっては直接書き込むこともできるので、いわゆる“ペンタブ”のような使い方も可能だ。対応しているのは、「メモ」や「プレビュー」といった純正アプリのほか、「フォトショップ」や「イラストレーター」など、一部のサードパーティーアプリも対応している。

画面はPDFファイルを「プレビュー」アプリで開き、Apple Pencilで直接書き込んだもの。手書きできるアプリは、多数あるので活用したい。

●「サイドバー」と「Touch Bar」も活用できる

 iPadの画面には、左右いずれかに「サイドバー」が表示されている。サイドバーにはMacでよく使うコントロール群が並んでおり、タップ操作でそのコマンドを実行できる。

各アイコンの役割は下記のとおり

(1)Macのメニューバーの表示/非表示を切り替える(iPadでウィンドウをフルスクリーン表示にしている場合のみ) (2)iPadにMacのDockを表示/非表示を切り替える (3)「command」キー。ダブルタップでキーをロック (4)「option」キー。ダブルタップでキーをロック (5)「control」キー。ダブルタップでキーをロック (6)「shift」キー。ダブルタップでキーをロック (7)最後のアクションを取り消す (8)オンスクリーンキーボードの表示/非表示を切り替える (9)MacとiPadの接続を解除する

 また、iPadで開いているアプリによっては、画面下部に「Touch Bar」が表示される。これは、一部のMacBookに搭載されているTouch Barと同等の機能で、アプリで使える便利なショートカットコマンドが利用できるものだ。こちらも活用すると、作業を効率的にこなせるだろう。

メールアプリをアクティブにしたときの「Touch Bar」。メールの新規作成や返信、フラグなどのコマンドが並んでおり、タップするだけでそれらの操作を一発で実行できる。

 ただし、サイドバーとTouch Barが表示されていると、iPadの画面表示領域が狭くなってしまう。これらのバーを使わない人や画面を広く使いたいなら、不要なバーを非表示にしておくのがおすすめだ。

メニューバーのコントロールセンターを開き、「画面ミラーリング」をクリック。「サイドバーを非表示」「Touch Barを非表示」を選べば、該当のバーを非表示にできる。

●Sidecarを中断すればiPadのアプリも使える

 さて、Macをメインで使っていても、iPadアプリを使いたい場面もあるだろう。この場合は、iPadでホーム画面に戻る操作をすればいい。Sidecarがいったん中断され、iPadアプリを操作できるようになる。Sidecarを再開するには、iPadでSidecarアプリを開くだけだ。

Sidecar起動中に画面下部から上に向かってスワイプ(ホームに戻る操作)を行う。ホームボタンのあるiPadならホームボタンを押してもいい。
再びSidecarに戻るには、iPadのDockにある「Sidecar」をタップする。

●Macの画面をiPadにミラーリングする

 Macで表示されている画面をそのままiPadに表示する「ミラーリング」は、プレゼンなどを行うシーンで使うと便利な機能だ。ミラーリングする場合は、Macのコントロールセンターから「ミラーリング」を指定しよう。なお、この操作をしてもiPadに画面がミラーリングされない場合も慌てずに、もう一度「ミラーリング」を選択してみよう。

コントロールセンターで「画面ミラーリング」をクリック。接続中のiPadをクリックし、「〜をミラーリング」を選択する。ミラーリングされなかったときは、同じ操作を再度行う。

●iPadとMacの配置を調整するには

 Sidecarを初めて使う場合、iPadとMacの画面配置が適切でないことがある。そのままでは使いづらいので、iPadの場所に応じて画面配置を調整しておこう。操作は、システム環境設定の「ディスプレイ」で行う。

Macのシステム環境設定で「ディスプレイ」を開く。Sidecarでのディスプレーの配置状況が表示されるので、ドラッグ&ドロップして位置を調整する。

●Sidecarを終了するには

 Sidecarを終了させるには、MacまたはiPadのいずれかから切断する。Macの場合は、コントロールセンターから接続中のiPadを選択すれば切断できる。iPadの場合は、サイドバーの接続解除アイコンをタップしよう。

Macの場合、コントロールセンターで「画面ミラーリング」をクリックし、切断するiPadを選択すると接続が解除される。
iPadの場合、サイドバーの接続解除アイコンをタップし、「接続解除」を選択する。

 このように、Sidecarは無線でiPadをサブディスプレーにできる、便利で実用性の高い機能だ。気になる動作の遅延についても、基本的にはほとんど発生しないが、Apple Pencilを併用すると遅延が起きやすくなる傾向がある。そこで、より快適に使うには、MacとiPadをUSBケーブルを使って有線で接続するのがおすすめだ(必要なUSBケーブルは、使っているiPadとMacによって異なる)。

 また、Sidecarは、ユニバーサルコントロールに比べてシステムに対する負荷が高いので、動作が重たくなったり、連携が途切れたりといった事象が発生することがある。そこで、この2つの機能は、用途に応じて使い分けるといい。使い分けのポイントとしては、iPadのアプリを使いつつ作業をするならユニバーサルコントロール、Macをより快適に使うならSidecarと覚えておこう。なお、両機能を同時に使用することはできない。いろいろと工夫して使いこなしてほしい。

 

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