液晶の強みを活かしたシャープの新技術のCEATECで見た
ASCII.jp / 2022年10月18日 10時0分
「CEATEC AWARD 2022」で経済産業大臣賞を受賞した、屋内光発電デバイス 「LC-LH」を開発したシャープ。「CEATEC 2022」の同社ブースではそのLC-LHをはじめ、同社が強みとする液晶ディスプレーなどの技術を活かしたさまざまな展示がされている。
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太陽電池の2倍の発電効率! これからのPOPはこのディスプレーになるかも!?
LC-LH(Liquid and Crystal Light Harvesting)は太陽電池に類する、屋内の小さな光で発電できるデバイス。従来の太陽電池と比べて2倍の発電効率を実現しており、小さな面積でも高い発電性能を実現している点が特徴だ。シャープが強みとする液晶ディスプレーの技術を活用して低コストかつ高品質で製造できること、そして小型で高い電力効率を実現することから電池の代替にも活用でき、環境負荷低減にもつながることなどが評価されて、経済産業大臣賞の受賞に至ったようだ。
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LC-LHは民生用の機器だけでなく企業向けの利活用も想定されているようで、会場ではE Inkの電子ペーパーを活用したスーパーの棚札やPOPなどの活用事例も紹介されていた。担当者によると2023年度の生産を予定しているそうで、液晶ディスプレーの工場で製造することから液晶ディスプレーと同等サイズまでの大型化も可能とのことだが、屋内での利用が主となるため小型サイズが主流になるのでは、とのことだ。
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もう1つ、ディスプレーに関する技術で注目されるのが「反射型IGZOディスプレー」である。こちらは液晶ディスプレーに欠かせないバックライトを使わず、外光の反射によって高い視認性を実現した液晶ディスプレー。バックライトが不要なことから電力消費を抑えられるのに加え、あくまで液晶であり電子ペーパーではないことからフルカラーでの動画表示も可能だという。
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そうした特徴を生かし、ユニカという企業がこのディスプレーを用いて、IP56準拠の密閉構造を実現した屋外用のサイネージ「タフ&エコ インフォパネル」を開発。バックライトが必要な従来の液晶ディスプレーでは冷却が必要なことから密閉構造を実現できなかったが、反射型IGZOディスプレーであれば冷却の必要がなく密閉構造が可能で、消費電力も小さいのでソーラーパネルで長時間動作させられるのもメリットになるとのことだ。
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さらにその液晶の材料技術を活かした取り組みとして、紹介されているのが「TEKION」である。これは、どの温度の環境でも液晶が液晶であり続けられるようにする温度管理の技術を応用した、溶けて液体になるまで特定の温度を保ち続けられる蓄冷材。すでにいくつかの企業のサービスで導入が進められており、「楽天西友ネットスーパー」に導入されているものではマイナス22度、マイナス3度、そしてプラス7度と、それぞれの温度を保つ蓄冷材を1つの箱に同梱。冷凍品や肉・魚、青果品などをそれぞれ適切な温度に保って宅配できるようになったとのことだ。
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液晶ディスプレー以外の展示も多くされており、代表的なのはヘルスケアに関するもの。その1つである「バイタルセンシング用超小型センサ」は脈拍数や血圧などを測定するためのセンサーを米粒よりも小型化したもので、実用化されればイヤホンや指輪、眼鏡型デバイスなど、スマートウォッチよりも小型のデバイスを用いてより手軽に健康に関する情報を測定できることが期待される。
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そしてもう1つは「非接触バイタルセンシングソリューション」で、こちらはカメラや赤外線センサーを用い、非接触で脈拍数や血圧を測定できるものとなっている。カメラで脈拍を読み取れるというのはやや不思議なように思えるが、ある程度高性能なカメラモジュールを使えば顔から血管の収縮などを読み取ることができるとのこと。実際に測定するには顔を10秒程度動かさないようにする必要があるが、より手軽に体調管理できるソリューションとして注目される。
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健康に関連するところでもう1つ、ワイヤレスイヤホン型の補聴器「メディカルリスニングプラグ」にも新色のピンクが登場したとのこと。メディカルリスニングプラグは販路も拡大しており年配のビジネス層から支持が高まっているというが、より幅広い層に販売を拡大する上でも新色の投入に至ったとのことだ。
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