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リモート時代に必須!? 顔をきれいにする撮影用ライトを買い足す

ASCII.jp / 2022年10月25日 16時0分

仕事で自撮り動画!?

 何かの間違いなのかもしれませんが、アスリートやハリウッドスターから誰でもビデオメッセージを注文できるサービス、「Cameo」のメンバーにしていただきました。そんなわけで、今、自撮り動画にハマっております。

 

 筆者は多くのテレビ番組に出演してきましたが、顔よりも“手先”で勝負してきたタイプ。 今でもマジックのレッスン動画などを数多く配信してはいますが、顔はほぼ映さないスタイルです。

 顔にコンプレックスがあるわけではありませんが、顔を撮影するとなると、ひげを剃ったり髪を整えたりと、いろいろと余分な手間がかかるんですよね。キリッとした表情を作るのも苦手ですし……。

 しかし、今回はメッセージ動画なので、顔を写さないわけにはいきません。しぶしぶと、実験的に、顔入りのメッセージ動画を撮影をしてみましたが、あまりピンとこない、不健康であやしい人みたいな写りになりました。

やっぱりライトの力は偉大!

 筆者は、マスコミの取材はたくさん受け、写真もたくさん撮られた経験があります。なので、顔映りの悪い理由は薄々気がついていました。写真の決め手は「ライティング」。不健康な顔に映るのは、ライトの数が足りていないのが原因であることが多いです。

 普段、筆者が定期配信している動画では、トランプと両手にキッチリとライトが当たり、テーブル面などに影ができないようにライトを設置しています。これは、「バウンズ」と呼ばれるライティング方法。1つのライトを三角の白色の天井に反射させることで、やわらかめの面光源を作っています。

白い天井にバウンズ(反射)させることでテーブルに影を落とさず柔らかい光になる

 人物撮影には、2つ以上のライトがあれば、それなりに撮影できるはず……。しかし、もうひとつ重要なことがあると筆者は思っています。それが「Ra」です。

撮影用ライトはRa値が95以上がオススメ

 Raとは「あーるえー」と読み、「average of Rendering index」、「平均演色評価数」のことを指します。「ライトが照らした対象の色が、どれだけ基準光(自然光)で見た色と合っているか」の数値のこと。「演色性」とも言います。

 Raは、8つのカラーチャートを使って、その差を平均化した数値です。基準光と同じ見え方をしたときを100とするので、値が100に近いほど、「演色性が高い」ということになります。もちろん、差が大きくなるにつれて、値は小さくなります。 

 つまり、肌の色がちゃんと肌色に見え、トランプの白い部分がきちんと白く、模様の色もしっかりと見え、自然に近く撮影できるかどうか。そんなライトの性能です。

肌色やトランプの白がキチンと写ることが大切

 今回は、普段から愛用している「C-PLUS LED AreaLight 55」(COMET、実売価格1万5300円前後)をもう一灯買い足しましたが、同ライトのRa値は95以上。これは、美術館や博物館の作品鑑賞に採用される値とほぼ同じだそう。

「C-PLUS LED AreaLight 55」は演色性の高いLEDが使われている

C-PLUS LED AreaLight 55のスペック

 AreaLight 55は直径27センチほどと小型ながら、照度は2400lx(ルクス、測定距離1m)。色温度は正午の太陽光に近い5500K(ケルビン)です。光量は100%〜約17%に無段階に調整できます。

 大きなハンドルでネック部分の角度調整もしやすく、アンブレラとよばれる傘状の反射板の軸を通す穴も付いていて便利です。

背面にあるスイッチを兼ねた光量調整ボリューム。アンブレラを通す穴(下)もある、角度調整もしやすいネック

 前面を覆うことで面光源に変えるナイロン製のデフューザーも付属しています。ただしデフューザーをつけると、光が柔らかくなるぶん、光量は1200lxに半減します。

イケメン度がアップ? クラムシェル ライティング

 「クラムシェル ライティング」とは、2つのライトを「2枚貝が口を開いたように」配置するライティングテクニックのこと。左右から被写体を挟む場合もありますし、上下で挟む場合もあります。

2枚貝の口が開いたように設置する上下のクラムシェル ライティング

 正面の上下で挟む場合、「美人ライト」と呼ばれる正面上からの光に、下からの光をプラスすることで、顔全体を明るく健康的に見せる効果があるといわれています。下からの光をやや弱めにすることがポイントです。

「美人ライト」と呼ばれる正面上からのライティング。ただし、鼻下や顎下の影が強くなる
「美人ライト」に下からのライトを加え、健康的で明るいイメージになるクラムシェル ライティング

 さて、今回、チラリとタネを明かしたライトのマジック、いかがでしたでしょうか。

 「メッセージ動画を送るだけでお金がもらえるなんてズルい」とお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、見えないところでいろいろと苦労をしているのが、ショービジネスなのです。まあ、今回は見せちゃってますが……(笑)。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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