メタバースからソニーのクルマまで! リアル開催こその展示が魅力的だったCEATEC 2022
ASCII.jp / 2022年10月20日 9時45分
CEATEC 2022が2019年以来となる3年ぶりにオフライン開催された。実際の展示ということでオンラインでは体感できないモノ、気軽な質問、偶然の出会いなどといったリアル開催らしい雰囲気が幕張メッセに戻ってきた。
CEATECは今までのように家電や電子部品の見本市、という位置づけではなく「Society 5.0」の実現を目指す場となっており、ハードウェアではなくサービスの展示がメインに変わり、今回はメタバース、デジタルツイン、XRなどバーチャルなものが多くなった。
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ローカル5Gを現実に感じる展示がNEC
NECが展示したのはローカル5G小型一体型基地局 UNIVERGE RV1200。CU、DU、RUといった制御部と無線部を同一筐体に収めたオールインワンの基地局で、従来に比べると大幅に低価格でローカル5Gの利用ができるもの。今回、CEATEC AWARDで総務大臣賞を受賞している。
ローカル5Gは、ケータイの基地局の電波というのではなく、利用シーン的にはWi-Fiの上位にあるものと捉えたほうがわかりやすい。Wi-Fi(無線LAN)では機器が安く誰もが使えるため、逆に混信やセキュリティといった面で不安があるが、ローカル5Gの場合は設置に許可が必要で、かつ、セキュリティという面でも大幅に強化できる。
これまでローカル5Gの設置や利用に億単位の費用がかかりがちだったものが、UNIVERGE RV1200のようなものが登場することで、セキュアなローカルな無線通信としては現実的なコストで導入できることになる。Wi-Fiではセキュリティをはじめ利用要件を満たさずに使っていなかったような場所での利用が進む可能性がある。
今回、基地局に加え、ローカル5Gのゲートウェイ「FG900CS」をなどを展示、より現実にローカル5Gを感じられる展示になった。今後、ローカル5Gは対応する端末も増えることが見込まれ、スマートフォンでもローカル5Gに対応した機種も、Androidスマートフォンから登場する見込みだという。
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メタバースは「METAVERSE EXPO JAPAN 2022 in CEATEC」として出展
メタバースの展示は企業ごとの展示のほか、Meta社を中心としたメタバースエキスポジャパン実行委員会が「METAVERSE EXPO JAPAN 2022 in CEATEC」として出展した。
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今回、ケータイキャリアでは、ソフトバンク、楽天モバイルに加えてドコモの100%子会社のNTTコノキューがMETAVERSE EXPOに出展している。
ソフトバンクは、メタバース上に展開するソフトバンクショップと、バーチャルPayPayドームの紹介。ソフトバンクショップではスタッフが常駐し、相談などができた。ただし、現在は実際の契約まではできないが、そのままオンラインショップにリンクして契約することもできる。バーチャルPayPayドームはパネル展示がされるとともに、映像イメージとして「4DOH」の装置でボールが飛び出す映像を体験するコーナーを設けていた。
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楽天モバイルは、5Gネットワークを基盤として技術研究からサービス提供まで連携して新たなサービスを創出する「楽天モバイルパートナープログラム」とし、メタバースと5Gを活用したショッピング体験などを展示した。
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ドコモは傘下のNTTコノキューとして、XR領域のサービスやソリューションを展示した。XR Worldとして、ライブ映像をメタバース内で見ることで、メタバース空間上の仲間と同時にライブ映像を見て、盛り上がるなどが可能。また、アーティストがライブをすると同時にメタバース空間に“降臨”して観客と交流するといったことも可能となる。新しいライブの視聴方法としての提案だ。
また、ARコンテンツの提供プラットフォームとなる「XR City Platform」、バーチャルライブの映像創出システム「Matrix Stream」を展示、Matrix Streamでは単にライブをバーチャルな人間が行うだけでなくドラマやミュージカルの講演も想定したものとなるという。
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また、METAVERSE EXPOでは、さまざまな企業が出展、TOPPANは3Dアバターをその場で作成してくれる「Meta Clone」を展示、自分の姿の3Dアバターをその場で作成してくれると人気を集めていたほか、大日本印刷(DNP)はゴーグルを付けて歩くと名作の空間を歩くことのできるみどころウォークを展示、Metaも展示を出し、インスタグラムでARエフェクトができるQRコードを掲げ、あわせて全身の撮影ができるミラールームを出展した。
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重さが300g台でバッテリー内蔵の “本体だけWindowsマシン”
PCの展示はほとんどないなかでシャープのブースではD Dynabookとしてモバイルエッジコンピューティングデバイス「dynaedge DE200」を展示した。これは、Windows 10を搭載し、バッテリーを内蔵した300g台のPCで、当初想定した利用シーンのひとつは、メガネ型ウェアラブルデバイスをディスプレイとして組み合わせることで、工場などで業務効率アップや生産性向上を目指すマシンとなる。
今回、展示されたdynaedge DE200は2021年9月発売と新製品ではないが、小型軽量でLTE通信搭載モデルもあり、ディスプレイやキーボードを接続するだけで、PCとしての利用ができることから、液晶ディスプレイと組み合わせて展示していた。上位モデルではインテル Core i7-1160G7プロセッサーを搭載、メモリー16GB、SSD 512GBを搭載してパフォーマンスも十分。カフェなどでは利用しないが、ホテルのテレビに接続して使うなど、持ち歩いてディスプレイがある場所でだけ使うPCという提案となる。
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メタバースもシミュレーションも充実した フォーラムエイト
シミュレーション機器からメタバースまで仮想現実をまとめて展示しているのがフォーラムエイトのブース。
正面には360度シミュレーターを設置、ゴーグルをかぶりスティックで操作すると海の中を自在に動き回り、ペッドポトルなどを回収する体験ができる。
このほかにもクルマや鉄道、車いすなどの多彩なシミュレーターを用意し、実際に動かしてみることができる。
シミュレーターのほかにもメタバースやARなども展示している。
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クルマと素材を展示したソニー
ソニーはクルマの市販を目指しているが、ブースではSUVタイプの試作車両「VISION-S 02」を中心に展示されていた。
「VISION-S 02」をのぞけば展示の中心は素材で、最近のソニー製品やそのパッケージに使われる素材を展示している。なお、ブース内のテーブルやソニーロゴなどもこれらの素材で作られている。
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だいぶ変わったが、リアル展示の面白さは健在 家電も一応ある
今回、3年ぶりのリアル開催ということになったが、残念ながら出展者数は2019年から数を減らしてしまった。CEATECで使用するホール数も5つと、2019年の7からは減らしている。ただし、その一方で新規の出展者も200ほどあるほか、パートナーズパークのコーナーを設け、METAVERSE EXPOを開催するなど新しい試みも生まれている。
企業の少し前の薄型テレビや携帯電話、スマートフォン新製品が並ぶCEATECとは全く異なるものになっている一方で、新しい出典者による新しい展示もあり、担当者から説明を聞き、対面で質問をできるCEATECは出会いの場として貴重な機会であることに変わりはない。
なお、リアル開催は10月21日までだが、オンライン開催は10月31日までで、リアル開催が終わったあとも展示を見ることができる。
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