声・実況のプロが選ぶデバイスとは? キャスター岸大河さんの仕事・配信に欠かせない10のアイテム(後編)
ASCII.jp / 2022年11月1日 13時0分
プロゲーマー・ストリーマーの方に、ゲームや配信で欠かせない10のアイテムを聞く本連載。第1回目では、キャスター・ストリーマーとして活躍している岸大河さんをお呼びして、10のアイテムのコダワリについて聞いた。
前回は前編として、ゲームプレイに欠かせないアイテムへのコダワリを聞いた。後編となる今回は、キャスターやストリーマー業に欠かせないアイテムについて紹介してもらった。
キャスター・配信業をこなす岸大河さんのデバイスへの情熱が爆発! 自宅で使うコダワリアイテム10選【前編】
今回のゲスト:岸大河さん
日本を代表するゲームキャスターの1人。Protagon株式会社 代表取締役。「VALORANT CHAMPIONS TOUR」の日本公式キャスターや「Clash Royale League」の日本語実況のほか、さまざまな大会・イベントでキャスターとして活躍。「StanSmith」名義でプロゲーマーとして輝かしい成績を残した経歴も持つ。また、「Logicool G ブランドアンバサダー」「OMEN by HPエグゼクティブアドバイザー」「Herman Miller ゲーミングアンバサダー」など、ゲームだけでなくパソコンやデバイスの良さを伝える活動も実施するなど、eスポーツ・ゲーム以外にも多岐にわたって活躍。Twitchではストリーマーとして日々配信もこなしている。
Twitterアカウント:@StanSmith_jp Twitchチャンネル:岸大河 - Twitch オフィシャルサイト:https://stansmithpro.com/
オーディオインターフェース「Babyface Pro FS」
岸大河さん(以下、岸さん):5つ目のアイテムは、オーディオインターフェースの「Babyface Pro FS」です。
──オーディオインターフェースですか。この製品を購入したキッカケはありますか?
岸さん:確かマイクを購入するタイミングで、合わせてオーディオインターフェースとミキサーがほしいなと考えて、購入にいたりました。在宅作業が増えたことで、個人の配信はもちろん企業からいただいたお仕事も自宅でこなす必要があり、オーディオインターフェースとマイクにはコダワリたいと思ったのがキッカケだと思います。あと、ピアノを始めたので、その宅録にも使えるなと思ったのも理由の1つです。
──Babyface Pro FSの気に入っている点はありますか?
岸さん:とにかくノイズが少なくて、音質がいいという点ですね。これに関しては、配信者の中でも話題になっているくらいのよさです。また、また全然使いこなせていないですが、ソフトウェアでやれることもたくさんあります。あと、直感的に使いこなせるのもいいですね。
──当たり前ですが、いいオーディオインターフェースだと音質って変わるんですよね。
岸さん:そうですね。ストリーマーにとってはこれ以上の製品はないのかなと思える完成度です。敵なしです。ストリーマーで僕以外に使っている人もちらほらしっていますが、否定的な意見は聞いたことないですね。わりと究極だと思います。ただ、一般の方が正直ここまで買う必要があるかというと、微妙ですが(笑)。
──これまた結構なお値段ですからね。
岸さん:キャスターとしてのお仕事をいただけるぶん、音質にはよりこだわりたいという思いが強いです。ストリーマーとしてはまずはパソコン、次にマイク、音響周りを整えて、カメラにもこだわっていくのではないかと。パソコン、音響、カメラはいいもので(配信部屋を)完成させたいという思いがありますね。
製品概要 製品名:Babyface Pro FS ジャンル:オーディオインターフェース メーカー:synthax Japan 実売価格:10万5000円
コンデンサマイク「C-100」
岸さん:オーディオインターフェースときたら、やはり6つ目のアイテムはマイク。ソニーの「C-100」です。
──こちらの購入のキッカケは何ですか?
岸さん:C-100が出る前のソニーさんのマイクはかなり高額で、C-100もそれなりにするのですが、従来の製品ほどではなく、発表された直後にすぐ買った記憶があります。ソニーさんの製品でいうと、カメラのガンマイクもかなり好評ですが、当時は発売されたばかりだったので、レビューがほとんどなく、試せる場所もありませんでした。そこで、ウェブ上で海外レビューを探したとろこ、ほかのマイクとの比較が掲載されていました。聞いてみたら、個人的にはC-100のほうが好みの音だったので、購入を決意しました。
──海外レビューも! 岸さんは購入に際して結構調べますね。
岸さん:めちゃくちゃ調べますよ。実物があるお店があれば実際に試しに行きますし。長く使うものに関しては、失敗したくないですし、コダワリたいという思いもあるので。
──ちなみに音でここが気に入ったっていう部分はありますか?
岸さん:比較を聞いたところ、C-100のほうがボーカルやトークには向いていると思いました。金属音っぽい音もしないですし、自分の声が適度に聞こえるのではないかと、自分の耳を信じて買いました。
──キャスター業をされている岸さんが気に入っているマイクであれば、間違いはなさそうですね。
岸さん:実際に買って、不満はないですね。自分の声を120%引き出してくれる気がしています。オーディオインターフェースとマイクはよほどのことがない限りは買い替えないと思うので、思い切っていい製品を買いました。ここまでキレイでノイズがないマイクもなかなかないなと。また、インターフェース上でコントロールもできるので、自分にあった理想の設定にすれば、間違いなしです。
──岸さんの声が最大限に発揮される機材が揃っているというわけですね。
岸さん:キャスター、ストリーマーとして仕事をしているぶん、やはりオーディオ周りはコダワリたかったですね。そのおかげで、VALORANTの試合をしてるときに、自分だということは(名前は)隠しているんですけど、5試合に1回はボイスチャットでマイクの音質が明らかにいいことを言われますね。「声いいですね」って。
──VALORANTプレイヤーだったら岸さんの声は大会で聞いたことある人も多いと思うので、「あれ、この声は?」ってなってそうですけど(笑)。そのほか、気に入っている点はありますか?
岸さん:持ち運びもしやすいという点ですね。キャリーケースもあるので、いつかスタジオでラジオ対談みたいな仕事があれば、こいつを持って行って収録したいです。単一指向性/全指向性/両指向性モードに切り替えも可能なので、2人で収録といった用途にも使えます。
──そういった仕事を視野に入れている人であれば、これさえ買っておけば色々な作業に使えそうですね。
岸さん:正直高価ではありますけど、最大の武器にはなりますよ。がんばって働いて、還元していこうと思います。
製品概要 製品名:C-100 ジャンル:コンデンサマイク メーカー:ソニー 直販価格:17万2568円
配信向けコントローラー「Stream Deck XL」
岸さん:7つ目のアイテムは、「Stream Deck XL」です。
──ストリーマーの多くの皆さんが最近では配信用のコントローラーをお持ちですよね。
岸さん:やっぱりあると便利ですよ。正直配信という意味ではまだまだ使いこなせていないですが、このあと紹介する「Key Light」と連携すれば、スイッチのオンオフとかもStream Deck XLでコントロールできるので、いちいちライト側のスイッチをオンオフしなくていいのは便利ですよ。
──できることも多いと思うので、逆に何を入れるか迷いそうです。
岸さん:確かにできることはすごく多いですね。「クラッシュ・ロワイヤル」の世界大会のときにもStream Deckが置いてあったんですけど、シーンの切り替えやワイプで自分の画面を出す、スライドを出すといった設定がしっかりしてあって、帰ったらこの設定やってみようと思いましたよ。
──岸さんならではの使い方とかはありますか?
岸さん:知り合いにやり方を教えてもらって実戦しているんですけど、お絵かきソフトのツールを入れて、デスクトップに直接書き込めるようにしました。VAALORANTの大会の振り返りのときに、マップに直接書き込んで「ここのシーンはこうだったよね」って書き込みながら解説ができるのはすごい便利ですね。ボタンにペンの色の切り替えとか、消しゴムツールとかを入れて、動画の一時停止、早送り、巻き戻しを入れておいたら、すごく解説しやすい環境になりましたよ。──それはめちゃくちゃ便利そうですね!
岸さん:自身の使い方次第で色々とカスタマイズできるのがいいですね。もはや、Stream Deckはストリーマー間では「持ってないの?」って言われる存在になってきたと思いますよ。
製品概要 製品名:Stream Deck XL ジャンル:配信用コントローラー メーカー:Elgato 実売価格:3万4200円前後
配信向けライト「Key Light」
岸さん:8つ目のアイテムも、elgatoの「Key Light 」です。
──配信で自身を明るく映すには必要ですよね。
岸さん:そうですね。あと、Stream Deck XLと連携できるのがめちゃくちゃ便利ですね。Stream Deck XLからは、オンオフはもちろん、明るさを変更したり色温度を調整したりもできます。
──2製品合わせれば使い勝手が倍増するというわけですか。
岸さん:そのとおりです。あと、elgatoさんはオプションのアームやスタンドもかなり充実していて、これがかなり頑丈なんです。なので、ライトと一緒に、カメラのベースも作って、一緒に設置しています。こういった純正のアクセサリーが豊富なのもうれしいです。
──省スペースにもなりそうですね。
岸さん:重量さえ気にすれば、全部を一貫して取り付けられるというのは便利ですよ。あと、別にelgatoのウェブカメラも持っていて、こっちはピアノを弾くとき用のカメラとして使っています。同じメーカーだと、1つのソフトウェアで管理できるのも、楽でいいですね。
製品概要 製品名:Key Light ジャンル:配信用ライト メーカー:Elgato 実売価格:3万円前後
ミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp L」
岸さん:9つ目のアイテムは、「SIGMA fp L」です。
──こちらは、普通にミラーレス一眼カメラとして購入されたんですか?
岸さん:そうですね。カメラが好きなので、確かに最初はミラーレス一眼カメラとして旅行先や子供を撮るために購入したんですが、コロナになってから外出する機会が激減して、使わないのももったいないなと思って、配信用カメラに採用しました。
──配信用カメラとしてはちょっと贅沢な気もしますね(笑)。
岸さん:確かに。ただ、購入した当時はUSB接続で直接パソコンに接続してウェブカメラ化できる製品も少なくて、fp Lはこれに対応しているというのも購入の決め手になった理由の1つなので、のちのちは配信用カメラに……と購入時から考えていたのかもしれません。それでも、配信中にウェブカメラは何を使っているか視聴者の方に聞かれて、fp Lと答えると「参考にならん」って言われますね(笑)。
──もともと普通に使用しようと思っていたのであれば、仕方ないですね。
岸さん:そうですね。ちなみにレンズは35mmの単焦点のものを使って映しています。自宅での収録やテレビ会議の際も、かなりキレイな映像を出力してくれるので、仕事にも役立ってくれていますよ。もともとカメラが好きなので取り外しても楽しめる製品として、満足しています。
製品概要 製品名:SIGMA fp L ジャンル:ミラーレス一眼カメラ メーカー:SIGMA 実売価格:27万5000円前後
スマートフォン「Google Pixel 6 Pro」
岸さん:最後、10つ目のアイテムは、スマートフォン「Google Pixel 6 Pro」です。
──ラストはスマホですか! Androidスマホをお使いなんですね。
岸さん:Androidスマホというか、Google Pixelが好きで、「Google Pixel 3」のころから何台かはGoogle Pixelシリーズですね。そして、買い替えの時期に大きいサイズがほしいなと考えていて、いいタイミングで6 Proが出たので購入した感じです。
──Google Pixelをずっと使われているんですね。
岸さん:一番気に入っているのは、カメラのポートレートモードがとてもキレイという点ですね。初めてGoogle Pixelを買ったときは、ボケ感とかこれ以上のスマホはないなと感じて、そこからはずっとGoogle Pixel一択です。あと消しゴム機能とかも便利ですし、接写できるのもいいですね。あと、AIで自然にみせてくれるモードもありますよ。
──カメラお好きなだけあって、スマホもカメラの性能重視なんですね。
岸さん:カメラもそうですが、全体的にシンプルでできがいいというのも大きいです。あと、購入時にプリインストールされているアプリが多くなくてシンプルというのも好みですね。
──こちらでゲームはプレイされていますか?
岸さん:そうですね。「クラッシュ・ロワイヤル」とか「ブロスタ」はGoogle Pixel 6 Proで遊んでいますが、FPS系はiPadを持っているのでそちらを使っています。どちらかというとゲームプレイというよりは、仕事や普段の生活のために買ったという感じですね。
──今回のインタビューをとおして、岸さんが好まれるのは、シンプルかつデザインがよくて高性能という製品が多いですね。
岸さん:確かに、ガチャガチャしていなくて、シンプルで完成度が高い製品が好きですね。無駄なものをなるべく省きたいというのもあると思います。それは、自身が理想とする実況にも通ずるものがあるかもしれないです。
──ありがとうございました。
製品概要 製品名:Google Pixel 6 Pro ジャンル:スマートフォン メーカー:Google 価格:11万6600円
長く使うアイテムには投資を惜しまない! しっかり調べてから購入
以上が岸大河さんのキャスター・ストリーマーとして欠かせない10のアイテムとなる。最後に岸さんにアイテムの購入へのコダワリを聞いたところ「いいものをしっかり見定めて購入して、キレイに長く使うというのがコダワリですね。安物買いの銭失いは避けたいなと。親の教えも大きいと思うのですが、昔からこの考え方は一貫していますね」とのこと。
また、「いいものに出会うと幸せになりますよね。開発者に感謝して、同じメーカーで新しいモデルが出たら、『購入したお金が開発に役立ってくれたかな』とも思えますし。これはゲームへの課金も同様ですね」とも語ってくれた。
今後も、長く使えるいいものにはしっかりと投資して、仕事や私生活を充実させていきたいという岸さん。10のアイテムもかなりコダワリを感じるチョイスとなっていた。すべて気に入っているアイテムとのことなので、気になる製品があれば、ぜひチェックしてみてほしい。
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