「Adobe Max Japan」スピード、コラボワーク、3Dと没入型体験に注目
ASCII.jp / 2022年10月21日 11時45分
アドビは10月19日、「Adobe MAX Japan」を開催。同社の取り組みや、Creative Cloud関連製品のアップデートなどについて、改めて紹介した。なお、同イベントはオンライン配信を軸にしながらも、「RED゜TOKYO TOWER」での会場イベントも交えて開催された。
キーノートの冒頭では、米アドビのCreative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO(最高製品責任者)であるスコット・ベルスキー(Scott Belsky)氏がビデオ登壇。今回のイベントでは、テーマとして「速さ、使いやすさ&スーパーパワー」「協力的なクリエイティビティ」「3Dと没入型メタバース体験の制作」の3点を掲げていることを紹介した。
その後の進行は、日本法人の常務執行役員 兼 CMOの里村明洋氏へバトンタッチ。同氏は、作品応募コンテスト「MAX Challenge」に例年の倍ほどの応募数があった、とイベントの盛況ぶりに胸を張り、同コンテストの最優秀作品も発表。また、レアル・マドリード公認のサッカースクール「レアルスクール(レアル マドリード ファンデーション フットボールスクール ジャパン)」と協力し、同日から「Soccer Video Editing Challenge —サッカー動画編集コンテスト—」として、2022年12月4日まで作品を募集することも明かした。
製品ごとのデモンストレーション
その後は、Adobe MAXの前後で追加された新機能を交えつつ、製品ごとのデモンストレーションが実施された。ちなみに、Adobe MAX Japanのキーノートはオンライン配信に最適化されており、会場のステージ上の背景には操作画面が一部しか映し出されず、会場参加者は操作画面を別途設置されたモニター上で確認するという手法で実施された。
まず「Illustrator」と「InDesign」については、マーケティングマネージャーの岩本 崇氏が担当。オブジェクトの複雑な重なりを容易に最適化できる「オブジェクトのクロスと重なり」機能やベータ版として提供される「共有用にレビュー」機能などが紹介された。
続いてマーケティングマネージャー轟 啓介氏が「Adobe Express」のアップデートを解説。同社のAI機能である「Adobe Sensei」によって、画像に応じたおすすめフォントのレコメンドや、背景の投下処理などができることなどを手順を交えて解説した。
Photoshopのデモンストレーションでは、再び岩本氏が登壇。Web版ではワンクリックでエフェクトを反映する「クイックアクション機能」などが使えることを、デスクトップ版の新機能として「ライブグラデーション」などを紹介した。
フォトグラフィ製品に関しては、コンテンツの出所を明らかにする「コンテンツ認証イニシアティブ(CAI:Content Authenticity Initiative)」の取り組みで、ニコンとのパートナーシップを発表したことが強調された。
ビデオ製品のデモは、マーケティングマネージャーの田中玲子氏が担当。新機能を交えつつ、「Frame.io」の共有機能を用いて、クライアントに効率よくレビューしてもらうワークフローが改めて紹介された。
最後は、3Dアーティスト&ソリューションコンサルタントの福井直人氏が、新たに追加された3Dモデリングツールの「Adobe Substance 3D Modeler」の概要を解説。既存のSubstance Painterでテクスチャを整えたり、Substance Stagerで配置・出力をする流れなども紹介した。なお、Substance 3D ModelerではデスクトップモードのほかVRヘッドセットを装着して、VRモードとして操作できることが強調された。
メインステージではチームラボや篠原ともえ氏が登壇
キーノートの終了後には、「メインステージ」として特別セッションが実施された。同セッションでは、チームラボの堺 大輔氏・工藤 岳氏と、デザイナー・アーティストの篠原ともえ氏が登壇。堺氏と工藤氏はクリエイティブがコラボレーションあってのものと強調したうえで、チームラボとしてのこれまでのチャレンジや、現在進行中のプロジェクトについて語った。
一方、篠原氏は、アーティストとしての自身のルーツを紐解きつつ、手書き表現や、着物で使われる伝統的な手法などが、作品のインスピレーションになっていることを紹介。自身でデザインする洋服の制作工程について語った。
なお、こうしたAdobe MAX Japanのキーノートやメインステージの動画は、Adobe MAXのサイト(https://www.adobe.com/jp/max.html)で配信されている。
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