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アップル「iPad(第10世代)」なぜ値上げ?

ASCII.jp / 2022年10月22日 9時0分

Apple iPad(第10世代)

 10月18日、アップルが第10世代となる「iPad」を発表しました。日本での価格は税込6万8800円からと、iPadとしてはかなり高くなってしまったことが話題を呼んでいます。なぜこうなったのか、iPadの価格について考えてみます。

2017年から続く「329ドル」から値上げ

 新型iPadやiPad Proの発表にあわせて、iPad AirやiPad miniも値上げされました。米国での価格は据え置きにもかかわらず、日本では7月の値上げに続く再値上げとなっています。

 しかし第10世代のiPadについては、円安の影響だけでなく、米国での製品価格が上がっていることが特徴です。

 これまでのiPadは、2017年(第5世代)から2021年(第9世代)まで、「329ドルから」という価格で統一されていました。第10世代ではこれが「449ドルから」に上がったのです。

 米国ではインフレが進んでおり、値上げすること自体に不思議はありません。しかし米国では新型iPad Proの価格を据え置いたのに対し、より価格に敏感な人が手にするiPadを値上げするというのは、興味深い判断です。

 名前こそ無印の「iPad」のまま変わっていないものの、ホームボタンのない全画面デザインに刷新されたこともあり、iPadの1つの上の製品ラインが加わったような印象を受けています。

第10世代iPadが価格帯の「隙間」を埋めた

 第10世代iPadの値上げの意味を探るべく、すべてのiPad製品の価格をグラフにしてみました。ここでは米国のアップルストアでの税抜価格を用いています。

iPad製品と価格帯の関係

 こうして見ると、Proシリーズはストレージ容量による価格の幅が広いものの、全体的にはバランス良く製品が投入されているように見えます。

 この中で、売れ筋と思われる10〜11インチの製品について、1000ドル以下の価格帯に注目したのが以下のグラフです。

10〜11インチの製品、1000ドル以下

 第9世代iPadとiPad Airはうまく棲み分けているように見えますが、これは最も高価なiPad(セルラー版大容量モデル)と、安価なiPad Air(Wi-Fi版小容量モデル)が接しているためで、実際には「隙間」があると考えられます。

 これがAndroid端末であれば、複数のメーカーが価格帯の隙間を狙っており、チャンスとみれば新製品を出してくることがあります。

 しかしiPadを作るメーカーはアップルしかいないので、好きなタイミングで「競合」製品を投入できるわけです。そこで、今回発表された第10世代のiPadをグラフに加えてみます。

第10世代iPadが価格帯の隙間を埋めた

 このように第10世代iPadは、第9世代iPadとiPad Airの間の価格帯をしっかり埋めていることが分かります。

5万円以下の第9世代iPadは健在

 第10世代のiPadは、全画面デザイン、Touch IDの電源ボタンへの統合、USB-Cの採用など、基本的なデザインがiPad Airに大きく近づきました。

 しかし見た目が似ているからこそ、違いが重要になってきます。本体カラーはどちらも多色展開ですが、iPadはビビッドで「かわいい」(米国ではlovable)をアピール。大人向けの色合いのiPad Airとは方向性が異なります。

第10世代iPad(左)とiPad Air(右)。どちらも多色展開だが方向性は異なる

 専用キーボードとしては新たに「Magic Keyboard Folio」が登場。上位モデルにはないファンクションキーが加わっていることが目を引きます。

第10世代iPad用のキーボード。ファンクションキーが加わった

 Apple Pencilの対応は第1世代となり、変換アダプタを介してペアリングと充電をする方式は賛否両論ですが、すでに第1世代のペンシルを持っている人なら購入費用を抑えられます。

 ただ、いくら中身が進化したといっても、「iPadにそこまで多くを求めていない」という人も多いはずです。教育現場への一斉導入やお店の注文端末など、iPadが活躍する場面は広がっています。

 その点、第9世代iPadは税込4万9800円の据え置き価格で販売が続いています。円安が進む中でも、「5万円以下」の貴重な選択肢としてがんばってほしいところです。

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