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ゲーム用外付けSSDのWD_BLACK P40は本当に爆速だった

ASCII.jp / 2022年10月30日 12時0分

 NVMe SSDの台頭で、内蔵ストレージの読み書き速度が爆上がりしているが、外付けストレージにもその波が来ている。外付けSSDはこれまで500MB/秒程度が主流だったが、最近はインターフェースの仕様変更により転送速度もアップ。それに合わせて、外付けSSDも性能向上してきている。

 Western DigitalはWD_BLACKシリーズとして、外付けSSD「WD_BLACK P40 Game Drive SSD」(以下、WD_BLACK P40)を発売。シーケンシャルリード・ライトが最大2000MB/秒と外付けSSDとしては最速の部類だ。早速その性能をチェックしてみた。

WD_BLACK P40のパッケージ

LEDイルミネーションのコントロールも可能

WD_BLACK P40の本体と付属のケーブル

 WD_BLACK P40は、その名のとおりゲーミングモデルとして、ゲームライブラリーを手軽に持ち運べ、しかも高速なロード時間により快適なプレイを提供することを目指した製品だ。

 サイズは106.98(W)× 50.82(D)× 13(H)mmと縦長の筐体で、最大2mの高さからの落下にも耐えられる設計になっている。最大20Gbpsの転送速度を実現したUSB 3.2 Gen 2x2に対応したUSB-C端子を備え、USB-CケーブルとType-Aへの変換コネクターが付属する。

 USB 3.2 Gen 2x2対応のUSB-C端子に接続することで、最大2000MB/秒のシーケンシャルリード・ライトが可能で、本製品の威力を最大限に発揮する。もちろん、Gen 2x2に対応していないUSB端子に接続しても利用できるが、その場合は転送速度が頭打ちになるため、規格の最大値となる。なお、USB4は最大40Gbpsまで対応しているが、USB 3.2 Gen 2(10Gbps)までの性能に留まる。

USB 3.2 Gen 2x2対応のUSB-Cコネクターを装備する

 容量は、1TBと2TBの2種類が用意され、5年間の製品保証と30日以内返金保証があるので安心して購入できるはずだ。

 本体にはLEDイルミネーションを搭載。本体長辺の両サイドが光り、「WD_BLACK Dashboard」アプリをダウンロードすることで、色や発光パターンを変更できる。ゲーミングマシンと発光パターンを合わせることで、より派手なプレイ環境を構築可能だ。

LEDイルミネーションを備えているのが特徴の1つ
Western Digitalのサイトにある「WD_BLACK Dashboard」アプリをインストールするとSSDの状態を確認できる
「WD_BLACK Dashboard」アプリにあるRGBタブでLEDの発光パターンや色味を変えられる

WD_BLACK P40のベンチマークテスト結果

 さっそく、その実力を検証してみた。今回お借りしたモデルは、容量が2TBのもの。スペック的には1TBと2TBで違いはない。まずは、パソコンでの利用だ。今回接続して計測したマシン環境は以下のとおり。

 まずは、定番の転送速度を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4」から。

「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

 結果は、シーケンシャルリードで2000MB/秒超え、シーケンシャルライトは1900MB/秒と公称値を割っているが、外付けSSDとしては上々の性能といえよう。

「WD_BLACK Dashboard」アプリでCrystalDiskMark実行時の温度変化を表示。50度台前半まで上昇したが、しっかり抑えられている

 続いて、SteamのPCゲームから「BIOHAZARD VILLAGE」と「スパイダーマンREMASTRED」、「ストリートファイターV」の3本でロード時間を検証してみた。

「BIOHAZARD VILLAGE」の起動時間とゲームのロード時間
「スパイダーマンREMASTRED」の起動時間とゲームのロード時間
ストリートファイターVの起動時間とアーケードゲームスタートからキャラクター選択までの時間(ゲームロード時間)

 結果はご覧のとおりで、いずれもロード時間短め系で、外付けストレージでプレイしても遜色なくできるレベルだ。なお、起動時間はほとんどクレジットロゴ表示なため、すべての時間でゲームデータを読み込んでいるかはわからない。

 また、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」のローディングタイムでは10.312秒を記録。PCIe 4.0対応NVMe SSDに比べれば1秒以上差を付けられているものの、外付けHDDや一般的なSSDに比べれば、十分な速さを発揮している。

 PCゲームの場合、Steamなどではゲームを外付けストレージに保存が可能だ。そうすることで、外出先でほかのマシンに接続し、すぐにプレイする環境が構築できる。当然、高速ストレージのほうがローディングタイムは短くなり、より快適になる。

Steamでは、保存先をあらかじめ設定しておくと、ゲームごとに保存先を変えられる

PS5の外付けストレージとしても使える

 PlayStation 5(PS5)にも接続して試してみた。PS5は、フロントのUSB-CとリアのUSB-A×2が最大10Gbpsに対応なので、どちらかに接続。起動後、「設定」の「ストレージ」でフォーマットを実行すれば、外部ストレージとして利用できる。

PS5では、「設定」の「ストレージ」であらかじめフォーマットしないと利用できない

 基本的にPlayStation 4(PS4)ゲームは外部ストレージ上からプレイできるので、持ち歩いて友人宅のPS5などでプレイするという使い方ができる。PS5のゲームも移動できるが、プレイはできないため保管用途ということになる。

設定画面からゲームの移動ができる。PS4のゲームは外付けストレージへ常にダウンロードする設定も可能だ

 実際に、PS4のゲームでPS5内蔵ストレージと外付けストレージとで、ゲームのロード時間の違いがあるのか確認してみた。検証したゲームは、「SEKIRO:SHAROWS DIE TWICE」(17.01GB)、「レインボーシックス シージ」(57.34GB)、「アベンジャーズ」(102.8GB) という容量の違う3本。なお、計測はストップウォッチを使い、3回の平均値としている。

「SEKIRO:SHAROWS DIE TWICE」の起動時間とゲームロード時間
「レインボーシックス シージ」の起動時間とシチュエーションでゲームを開始し、スキップが出たらスキップしてプレイできるまで。なおスキップする動作時はタイムを止めている
「アベンジャーズ」の起動時間と、タイトルからメイン画面表示されるまでの時間、ゲームのロード時間

 結果は、全体的にWD_BLACK P40のほうがわずかながら速いが、これは誤差の範囲内だろう。レインボーシックス シージは少し差があるが、かなりサーバーへの接続時間が含まれるため、その影響もあると思われる。

 続いて、ゲームのコピー時間を上記のPS4ゲームでPS5→WD_BLACK P40(from PS5)、WD_BLACK P40→PS5(to PS5)でそれぞれ計測した。

PS4ゲームを本体から外付け、外付けから本体へ移動する時間

 結果は、PS5→WD_BLACK P40のほうが時間がかかり、単純計算で1Gbps前後、WD_BLACK P40→PS5は2.6Gbps前後だった。これは、ランダムアクセスが絡んでいるためと思われるが、システム的な処理の影響もあるだろう。

PS5ゲームを本体から外付け、外付けから本体へ移動する時間

 また、PS5のゲームを移動したときの時間も計測した。結果はPS4ゲームと同様、PS5→WD_BLACK P40のほうが時間はかかるが、PS4のゲームよりは速い。一方WD_BLACK P40→PS5はPS4ゲームより若干遅くなるようだ。

ゲームライブラリーを持ち歩くアイテムとして

 WD_BLACK P40を最高性能で利用するにはUSB 3.2 Gen 2x2対応のマシンが必要だが、最近のゲーミングマシンであれば大概備わっているはず。外付けストレージで最大2000MB/秒の読み書きができるのは魅力であり、今回はゲーミング用途として検証・紹介してきたが、シーケンシャルリード・ライトが速いので、写真や動画といったファイルサイズの大きいもの向けのデータストレージとして活用もいいだろう。

LEDイルミネーションを備え、ゲームライブラリーを持ち運ぶアイテムとして、WD_BLACK P40は非常に魅力的だ

 実売価格は、1TBが2万3000円前後、2TBが4万円前後。円安な世の中ではあるものの手の出ない価格帯ではないはず。LEDイルミネーションを備え、ゲームライブラリーを持ち運ぶアイテムとして、WD_BLACK P40は非常に魅力的。ぜひUSB 3.2 Gen 2 x2環境と併せて利用してほしい。

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