PS5推奨転送速度に満たないCrucial P3 Plus SSDで拡張したらどうなる?
ASCII.jp / 2022年11月21日 11時0分
PlayStation 5(PS5)が発売されてからまる2年になるが、ようやくここにきて品不足も落ち着いてきており、入手もしやすくなってきている。すでに遊んでいる人は、PS5のストレージ容量が意外と少ないという事実に直面しており、これから買う人もストレージ拡張を念頭に入れていることだろう。
昨年9月のシステムバージョンアップにより、拡張スロットへM.2接続のNVMe SSDを搭載することで、PS5のゲームがインストール可能となり、容量不足の不安から開放された。ただ、要求されるNVMe SSDがそれなりのスペックのため、大容量だとかなり高額になるため躊躇してしまうはずだ。
そこで今回は、コスパはいいがPS5が要求するスペックを少し下回る「Crucial P3 Plus SSD」を使って拡張するとどうなるのか、チェックしてみた。
PS5のストレージ拡張は5500MB/秒以上を要求するけど
PS5の本体ストレージ拡張については、公式サイトで使用できるSSDの要件が公開されている。それによると、ストレージ容量は4TBまで、PCIe 4.0対応NVMe SSDで5500MB/秒以上を推奨。ヒートシンクや熱伝導シートなどの放熱構造を装着することとなっている。
以前、この要件を満たした「Crucial P5 Plus SSD」を使用して、PS5の本体ストレージを拡張したが、今回は9月に発売された「Crucial P3 Plus SSD」を使ってストレージの拡張に挑戦しようというものである。
P3 PlusはP2の後継モデルで、PCIe 3.0から4.0へ規格がアップし、ハイパフォーマンスのP5 Plusに対して、エントリークラスといった位置づけの製品だ。シーケンシャルリードが最大5000MB/秒で、シーケンシャルライトが最大4200MB/秒とPCIe 4.0対応のNVMe SSDとしては遅い部類のもの。とは言え、P2のシーケンシャルリードが最大2400MB/秒だったので、倍近くのスピードになっている。それでも、手ごろな価格に抑えられており、1TBモデルで1万3000円前後と購入しやすくなっている。
これまで筆者は何度かPS5のストレージをさまざまなSSDで拡張してきたが、推奨速度を下回る製品は使用したことがない。どのような結果になるのか興味津々である。
さっそく、PS5のストレージを拡張してみた。簡単に作業方法は以下の手順で行なうが、詳細はPS5の公式サイトに記載されているので、そちらを一読してほしい。
なお、P3 Plusはヒートシンクが装着されていないので、P5 Plusのときと同様に、別途ヒートシンクを購入して装着している。
P3 Plusを装着したらPS5を起動し、フォーマットする。すると、読み込み速度が表示され、4204MB/秒という結果に。P5 Plusのときもスペック値より低い価になったので、ベンチマークテストで定番のCrystalDiskMarkでの計測方法とは若干異なるのだろう。推奨値より下回っているものの、特に警告が出ることもなくそのまま利用可能となった。
ロード時間を比較してみた
実際にPS5本体のSSDと拡張したP3 Plusとで、速度差があるのかチェックしてみた。これまでさまざまなSSDで比較した結果は、誤差程度の違いしか現れず、プレイにはまったく支障がなかったが果たして。
まずは、PS5のゲームから「Ghost of Tsushima Director's Cut」と「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」、「グランツーリスモ7」の3本のロード時間を計測してみた。いずれも、起動時間とゲームロード時間の2つ。なお、計測はストップウォッチを使用し、3回計った平均値としている。
結果は、P3 Plusがわずかに速かったりすることもあるが、コンマ数秒程度の違いでほぼ誤差の範囲。PS5本体ストレージと遜色ない性能であることがわかる。グランツーリスモ7は他のゲームに比べて起動時間が長いが、これは起動時にクレジットロゴが表示されるか否かの差によるものと考えられる。
続いて、PS4のゲームについても検証してみた。検証したのは「SEKIRO:SHAROWS DIE TEICE」Ver.1.06(17.01GB)、「レインボーシックス シージ」Ver.2.36(57.35GB)、「アベンジャーズ」Ver.1.72(102.8GB)の3本。計測は、PS5のゲーム同様だ。
結果は、こちらもコンマ数秒の差程度のため、遜色なくゲームプレイできる。「レインボーシックス シージ」は起動時間が約2秒ほど速かったが、サーバへの接続で差が生まれた可能性がある。
最後に、ゲームの移動時間をPS5、PS4それぞれのゲームで計測した。PS5は、「ASTRO's PLAYROOM」(11.06GB)、「Ghost of Tsushima Director's Cut」(60.52GB)、「グランツーリスモ7」(113.6GB)の3本。PS4はロード時間を計測したゲームと同じだ。PS5→P3 Plusを「from PS5」、P3 Plus→PS5を「to PS5」と表記している。
結果は、どちらもPS5→P3 Plusのほうが圧倒的に速くなっている。PS5のゲームで約1~1.3GB/秒。PS4のゲームで約1.1~1.4GB/秒の転送速度。一方P3 Plus→PS5は、PS5のゲームで約240MB/秒。PS4のゲームで約234MB/秒の転送速度だった。
推奨速度に達していなくても無問題
今回の結果から、推奨速度に達していないSSDであっても問題なく快適なプレイが可能だと言うことがわかった。P3 Plusは500MB、1TB、2TB、4TBの4モデルがあり、すべてのモデルが片面実装方式である。
それぞれ9000円前後、1万3000円前後、2万7000円前後、5万7000円前後となっており、狙い目は1TBか2TB。円安により、ストレージ価格も上昇傾向にあるため、よりお得にストレージを拡張したいならP3 Plusはかなりオススメと言える。
この記事に関連するニュース
-
アイ・オー、PS5 Pro/PS5の増設におすすめな1TB-2TBのSSD「HNSSD-P5A」シリーズ発表
ASCII.jp / 2024年11月14日 19時40分
-
毎秒7GBに速度アップでも温度上がらず! 新型SSD「Samsung 990 EVO Plus」を試して分かったこと
ITmedia PC USER / 2024年11月13日 16時0分
-
4K最高画質の「黒神話:悟空」が100fps、“ゼンゼロ”は280fps! Ryzen 9 9950XとGeForce RTX 4090搭載「G-Tune FG-A9G90」は最強のゲーミングPC!?
ASCII.jp / 2024年10月29日 12時0分
-
これはちょうどいいSSDだ! 容量2TBの「FireCuda 530R」を試して分かったこと
ITmedia PC USER / 2024年10月28日 14時0分
-
PS5/PS5 slim本体でM.2 SSDを外付けのUSB拡張ストレージとして使える変換アダプターが新登場
@Press / 2024年10月28日 9時50分
ランキング
-
1メルカリ、不正利用へのサポート強化と補償方針を発表 ネットで意見「当たり前」「個人的には期待」「悪意のあるやつは排除して」
iza(イザ!) / 2024年11月25日 13時21分
-
2ビューカード、顧客との通話内容を録音したSDカード20枚を紛失
ASCII.jp / 2024年11月25日 17時5分
-
3AppleのSafariに関し、英CMAが「ブラウザ市場に悪影響」と調査勧告
ITmedia NEWS / 2024年11月25日 7時25分
-
4スタバ福袋当選発表に悲喜こもごも SNS「3度目の正直来た」「外れてうつになりそう」
iza(イザ!) / 2024年11月25日 12時11分
-
5大容量プランは不要だった? ギガ不足で「低速モード」になったスマホが普通に使えて驚いた
ITmedia NEWS / 2024年11月25日 12時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください